チャリで四国九州リベンジ2018 12日目 2018/4/10 いの町〜祖谷渓〜四国中央
高知県の山奥
土佐町
道の駅 633美の里。
今朝も氷点下を切っていた寒さだった。
寝袋から出られないまま気温が上昇するのを待って、気がつけば朝の8時。
開店の準備が始まっていたので、「しまったな...超迷惑なことしてるじゃん、俺」
と気まずさを覚えながらも恐る恐るテントから出ると、
「あら、おはよう。こんな寒いとこで寝て風邪引いてない?」
と気遣われる。いやいや、恐れ多いです。
地方の働くおばさん、おばあさんと喋るとなんだか
穏やかな気分になるのはなぜだろう。
「若いうちにしかできない」と良く言われるが、
まだ若いから、道の駅でテントを1人で張っていても挨拶とたわいもない話で朝を迎えられるが、
歳をとってからこんなことをしていたら明らかに不審者扱いだろう。
道の駅やサービスエリアは全国的にツバメの巣を守る傾向にある。
むしろトイレに行く前後の、一種の愛護コンテンツとさえ成り立っている。
きゃわたん
旧・上八川(かみやかわ)村
予想通り、ここから先はひたすらに里山の風景が続く。
あたりを見渡しても山山山。
斜面に段々と畑や民家が建てられ、道路は緩やかなカーブ続き。
信号など滅多に見かけない。
ただあたりに印となるものも、もちろんコンビニも(あれ、一昨日の四万十から一度も見ていない。仁淀川に唯一あったローソンもニアミスで見れず。)道の駅も何も出てこない。
なんだか落ち着かなくなって、地図を何度もみかえすが位置は全然変わらない。
いつまで経っても進まない...
少し登りではあるものの、こんなに進まないのはなぜだろう。
集中力が切れて、スマホを意味なくいじり始める。
地味に体の疲れもピークなんだよな...すでに1500kmくらい走ってるし。
実はこの一本道、景色では分からないが、
郷ノ峰峠という山を登っていた。
やはり強気な峠で、「郷ノ峰ヒルクライム」という
自転車レースイベントも毎年行われているほどキツイ。
んで、レビューには予想通り「飽きる」という
ワードがたくさん見られた。
トンネルを抜けて土佐町へ。
ここから一気に下り坂。
自販機を見つけた(自販機でさえなかなか見つからない)ので一休み。
工事現場監督のおじさんが、後から車で来てしばし雑談。
四国はドコモが一番繋がりやすいことを教えてくれた。
彼は東京への移住を考えているらしく、色々聞かれる。
「東京の人って、立ち食いうどんを食べるでしょ、讃岐うどんはなかなか食べれないでしょ?」
「東京って物価が高いでしょ?」
「いやいや都心から離れれば安いところたくさんありますよ」
やっぱり、東京に対しての敷居は高いらしい。
よく地方は物価が安いというが、コンビニやチェーン店で売られているようなものは基本変わらないし、むしろガソリン代は高知の方がリッター20円くらい高い。そんで最低賃金は時給200円ほどの差がある。
物価が安いのは土地代と人件費ぐらいなのかもしれない。
んで結局、都内で家賃が安いところはどこかと問われたので、町田、多摩、赤羽?と答えておいた。
なんだかんだで一時間話してしまい、彼はアクエリアスと缶コーヒーをその場で買ってくれた。
せっかくだから、”四国のいのち”の早明浦ダムと、混浴温泉のホテルかずら橋に行っておいでよ、と勧められた。
こここ混浴!?
代わり映えのない景色、独り言が段々増えてくる。
チャリなのに、助手席にいる架空の人間に話しかけている。w
土佐町
土佐町の市街へ。気温が上がって、穏やかな風がふく。
スーパーで豚めしを食べてると、「ここ、ええか?」とベンチにおじいさんが座ってくる。
ランニングシャツ姿で、タバコをくわえながら、なぜだか「キビ」を背負っている。
こんな感じで長いキビを背負っているのだ。
「あんた、これ持ってくか?そのままかじるとうまいぞ。」
と渡そうとしてくるが、チャリに載せるスペースがないし、とにかくそのまま食える自信がなく、丁重にお断りした。
ロードバイクを触らしてくれ!と興味を示していた。
この爺さんには失礼だが”変態ジジイ”という名前が合っているだろう。
「あそこの道の駅にはアンタみたいな自転車のりがテントを張りにくるんだが、時折若い女がいるんじゃよ〜
着替えとかしてる時もあるんじゃ...はっはっは。」
「あんた、夏に高知に来てみ〜。ヨサコイ祭りでソーラン踊る若い女がのう、汗で濡らして下着が助けて見えるんじゃよ〜」
自分は性欲のせの字もない人間だが、「やばいっすね〜!」「また行きたくなってきた!!」と無理やり反応していた。
話を聞けばもうすぐ80歳だというのに、元気なもんだ。アンタ、若いのに感じいいのう、好青年じゃ!!とか言いながら、キビを背負ってママチャリで去っていった。w
早明浦ダム
土佐町から県道265号の山道を登って行く。
どうやら早明浦ダムはこの近くだそうだ。
またもや、上り坂がしんどい、、、
見えて来たぞ、早明浦ダム。
早明浦ダムってどこかで名前を聞いたことがあると思えば、
2005年に一度貯水率が0パーセントと完全枯渇し有名になった場所。
この湖の中には大川村という昔の村が沈んでいるらしい。
なんだよ!この雑な案内は!!
しかも
アウトドアの生地って意味わからんくない?
基地?
生地のところだけ字がうまいだけに、きっとドヤ顔して書いていたんだろう。
土佐町を見下ろす。
これが、さっきおじさんが言っていた「四国のいのち」
四国で最大級のダムになるわけだが、皮肉なことに、
高知県にあるのに高知県には4%程度にしか水の分配を行っていない。
ダムの水の半分は徳島県に流れているそうだ。
高知4%...
四国のいのちを拝んだところで、再び土佐町へ下りる。
あああああ!ひさしぶりにコンビニをみたあああ!!
高知には相変わらずローソンしかないのである。
おかげで財布の中にはポンタカードが一番上にある。
本山町。
そう、前の記事でも少し引用をしたが、まだ東京で消耗してるの?でお馴染みプロブロガー....今はインフルエンサー、イケダハヤトが住んでいるのが、
この本山町である。
↑これをクリックするとイケダハヤト氏の懐にまたお金が入ります♡
イケハヤランドがある本山町。
東京を捨てて高知の限界集落に移住しました。と記述しているが、
この本山町自体は限界集落とは言い難い。
むしろコンビニもあれば、ホームセンターコメリもあるし
ひさしぶりに見る大きな街である。(だんだん視点が田舎住民になってくる)
ファミマなんて四国に来てから初めて見るかもしれない。
でもこんな整備された街に、限界集落にあると言われる
イケハヤランドはどこにあるのだろうか。
Google mapに「イケハヤランド」って打つと普通に出てくる。
ってあれ、、、、
めっちゃ山奥....?????
イケハヤランドはこののんびりとした
国道沿いにデデーンとあるのではなく、
今見えているあの山の上にあるのだろう...
市街地は3kmほどで終わる。
この吉野川もなかなかの鮮やかさで、ちゃんと川底まで見える。
そんでもって、おそらくこの橋がイケハヤランドへの入り口だ。
ちょっと不法侵入して高知県警にお世話になってやろう....
って、え????
ここから標高700m登らされるだと....???
ちょっと裏山を登る程度かと思いきや、そこそこの登山じゃないか。
泣く泣く本山を後にした...
ここから追い風になり、景色を楽しみながらチャリを飛ばす。
どこを見渡しても山...。
ここで国道439号(忘れがちだが、昨日からずっとヨサクを走っている)と国道32号が重複する。
国道32号は高松と高知を結ぶ主要道なため、突然交通量が増える。
ダンプカーとのせめぎ合いを制しながらこのクソ狭い道を35km/hでぶっ飛ばす。
吉野川とJR土讃(どさん)線と高知自動車道が並走する。限られた土地に交通と民家を密集させてる感じがする。
この交差点で国道439号ヨサクとはお別れ。
残念ながらお目にかかれず。
ここから国道32号単独区間だ。
気のせいか吉野川がだんだん緑になってきている。
いつから設置されているんだろうか。
昭和臭漂う自販機。
こんな歩道もない幹線国道で誰が買っていたのであろうか。
徳島県突入
今考えてみれば、四日間も高知県から抜け出せずにいたのである。
カーブ、ダンプ続くこの道で、県境の看板を撮るためにチャリンコを立てかけるのはなかなかの指南の技であった。
そして目的地”かずら橋”の文字が出てくる。
この国道32号線に入ってから再びお遍路さんの姿をちらほら見るようになった。
三好市に入ってまもなく、祖谷(いや)へ向かう交差点へ。
大歩危と書いてオオボケ。
大歩危峡。
この地形を見ればあの国道の道幅がかなり狭い理由も頷ける。
地名の由来は「大股で歩くと危険」が一般とされているが、もともと「ほけ」というのは古語で断崖を意味する。なので、要するに定かではない。
しかし歩くと危険みたいなどんな僻地だよと思いきや、
いい旅夢気分的なまったりとした風景で駅には意外にも旅行客で埋まっていた。
秘境 祖谷
しかし景色に見とれている時間はない。
この徳島県道46号線、大歩危から祖谷までものすごい上り坂が待っていた。
上り坂をゼイゼイ言いながら、カーブの先に見えるは
「パットライス」「パットライス」「パットライス」「パットライス」「パットライス」「パットライス」
パットライスとはなんぞや。
駄菓子屋にありがちな甘いコメのお菓子のことらしい。関東の人はあの人参の形した駄菓子を見たことがあるだろう。
パットライスはわかったけど、それよりもこの入りづらそうな入り口の雰囲気を、大量のパットライスがさらに助長しているように思える。
というか、見た感じ車のタイヤしかなくね?
それにしてもこの地獄のような上り坂、いつまで続くのだろうか。
果てしない。
それでは問題です!
この写真には何があるでしょうか???
.........
ヒントは右下。
またまた!サルでした。
キーキー甲高い声で、挑発されてました。
いつになったら着くんや。と、坂の斜面を撮ってみる。
山の中腹にある高齢者福祉施設のグラウンドでご年配の方が体操をしていたが、
この坂を自転車で登っている自分をみんな見ていた。
勾配が10%もある。
どおりできついわけである。
視線を先に向けてもまだまだ登りが続いていて、段々来たことを後悔し始める。
突然の平家屋敷。
平家の遺品が展示されている。
ここでやっとこさ自販機を見つけて、アクエリアスを二本買う。
そのうち一本をすぐに飲み干す。そのぐらい、上り坂は水分を消費する。
祖谷トンネル。大歩危から約600mほど標高をあげたことになる。
ちなみにこのトンネル、心霊現象も報告されているらしい....
おっしゃここから全部下り坂やん!!!
と思いきや急すぎるしカーブも急!!
モナコグランプリかよ!1人でつぶやきツッコミをいれながら、
ブレーキの擦れる音は激しいし、
センターラインすれすれになる。
あれが祖谷の街か...。
道の駅 にしいや
あ、ちなみに大歩危あたりからお腹が痛くて、どっかトイレあるだろと軽い気持ちで登っていたら1時間以上経過して、速攻個室に駆け込んだ。
ついでに売店で祖谷そばを注文する。
....普通のそばである。
強いて言えばそばが太くて、味薄め。
普通のそばである。
道の駅を過ぎて、峠を降りきると祖谷の温泉街が始まる。
最初に例の小便小僧に行こうとして、それでは後で戻ってくるのが大変になることに気づき、逆方向に引き返した。
最初はかずら橋の方に行こう。
あのピンクの建物が、新祖谷温泉 ホテルかずら橋。
...って何かって?いやいや、
朝缶コーヒーを奢ってくれたおじさんが、早明浦ダムと一緒に紹介してくれた
「ケーブルカーで行く混浴温泉」
である。
正直、鼻の下を伸ばしながら立ち寄ろうと思ったらなんと
16時で終了。
この時15時40分だった。
温泉にエロを持ち込んではダメだという神からのお達しだ。
ちなみにこのクソレトロなボンネットバスは
鉄道空白地帯であるこの祖谷と大歩危をつなぐ
かずら橋タクシー。
って、タクシーなのかい!
かずら橋までは下り坂が続く。
ということはお察しの通り、帰りは上り坂です。
でっかく「かずら橋到着」
ここ通らないと入れないとか思うやん?
チャリンコもバイクもここに停めないといけない思うやん?
え?ここで駐輪代金???
210円、自己申告しろ、正直なあなたが大好きですとか書いてあるやん?
路上駐車禁止(2輪を除く)
土日祝日に限る
かずら橋
しかもかずら橋まで、この駐車場を通るかどうかは関係なかった。
てか、むしろ駐車場からだと遠い。
そんなことは良しとして、ついたぞ〜〜〜かずら橋。
だがしかしこの橋を渡るのは有料である...。
しかも!
通行料550円...。
首都高なら三軒茶屋から銀座くらいまで行ける料金...。
かずら橋は平家が作った、シラクチカズラというマタタビ科の木から作っている...大体そんなことが書かれていた。
近づいてみるとかなりの怖さを感じる。
手すりの部分が木、というよりかはツタになっているため
なんだか頼りない。掴むところがない。
前方にも人はいるもののどれもカップルでキャーキャー言いながら渡っているが、
私は1人で、、、独り言をブツブツ言いながら渡っている、やばい奴だ。
隙間をのぞいてみるとかなり高い。そして
足がハマるうwww
流石に両足が一緒の穴から貫通することはなさそうだが、
うまくハマれば各々の穴にすっぽりハマって、
股間強打しそうだ。
どう歩くのが正解なのかもわからない。
このように脚をかけても、全く安定しないし掴むところはない。
こう普通に写真を撮っているが、スマホをそのまま川に落とす可能性はかなりある。
靴は自転車専用のビンディングシューズを履いているから余計に
足元がふらつく。
完。
この50mもしない橋を10分くらいかけて渡っていたんだと思う。
ちなみにこのかずら橋ここからもっと東へ、国道439号の方にもう1つ奥祖谷二重かずら橋というのがあり
そこには野猿とよばれるど鬼畜なロープウェイが存在する。
そしてもう1つ、奥祖谷の方にはただただ森の中を70分走るだけのモノレールも存在する。
この祖谷は”徳島の秘境”と称しているが
本当の秘境は奥祖谷の方なんだろう。
ただ70分も無の時間を自転車旅に使っている暇はなかったのだ。
琵琶の滝という名の喫煙所...。ではなく
まあまあの迫力である。
”こんなところ”に登ってきてしまうチャリダーも意外に少なくない。
というか、また外国人チャリダー。
そう言えば今回の自転車旅で会う旅チャリダーはみんな外国人だ。
春休み期間なのに日本人の学生チャリダーは誰1人見なかった。
さようなら、かずら橋。
ここからひたすら上り坂。
きたみちを戻る。
君の名は。みたいな飛行機雲してるな。
県道32号線。
この道をひたすら行けば、小便小僧を通り、そのまま国道32号に復帰できる。
そしてこの道沿いから見られるのがいわゆる祖谷渓であり、谷底までかなりの落差があることが分かる。
あちらこちらに滝が湧いていた。
祖谷川は山を削り取るように、S字にカーブを続けながら這っていく。
小便小僧
日は山の向こう側に落ちてしまい、気温もまた落ちてくる。
ついにきたぜ〜〜〜〜!!今日一番のお目当て。
なぜこんなところに小便小僧を作ろうとしたか、、
かつて子供や作業員、旅人達がこの200mの高さでおしっこをして度胸試しをしたという逸話から作られた。
しかし、この小便小僧、柵があって撮影が難しい。
こんな感じで身を乗り出して....え???お賽銭...???
ここはお賽銭を投げるところなの?
この角度ではどうか。
これが一番落差がわかりやすいかな。
特にこれ以上でも以下でもなく、小便小僧がこの高さに設置されているだけだ。
しかしこうしている間にも数台の車が停車しては、挨拶を交わす。
みんな自分と同じようにスマホを乗り出して撮影しているんだが、
もしこの谷底に落としたら....
下には道もないので諦めるしかないのだろう。
なんとも哀愁漂う景色だ。
本当に何もない。
何もないこの景色に見とれている。
さ。帰るよ。
狭い林道をゆっくり下っていく。
意外に交通量も多く、落石もそこそこあるのでスピードを出せない。
山を下りきったところでようやく民家の集落が現れる。
昼過ぎまでいた国道32号線に復帰。
地図上では全然進んでいなく、たった5kmほどの距離を5時間かけて
移動したことになる。
ナニコレ珍百景で「利用者1人しかいない駅」と紹介されたことがある。
どのくらい秘境なのかというと、道路が駅まで整備されておらず、獣道を30分歩いてたどり着くようなところである....
と知った途端にこんな真っ暗じゃ無理、と断念。
完全に日が暮れて、澄んだ空気に灯るわずかな街灯と山々が美しい。
しかしこの時トイレに行きたかったり腹が空いていたりで、体力も尽きかけていた。
これから愛媛方面に向かうわけだが20km以上コンビニもなく、
それどころかトイレも見つからないため、真っ暗な公衆便所に怯えながら
用を足し、
目的地とは逆方面に国道32号線を3km走らせて、やっと見つけた酒屋とコンビニで2時間以上時間を潰していた。
酒屋、パワーズ池田でお菓子を安値で買い込むと、店員の女性は
「どこからいらしたの?横浜?こんな田舎までわざわざ自転車で来て...」
と声をかけてくれた。
またその酒屋さんで現場工事をしていたおじさんは
「だいぶ疲れてるじゃないか?どこいくの?四国中央か。俺もそっち帰るんだけど、山超えたらまあまあ大きい街あるから安心しなさい。。」と肩を叩いてくれた。
前回の旅で四国の人は冷たいのでは、と感じてしまったのだが、今回は人の優しさに少し甘えさせてもらったな。
その後またコンビニのイートインでパスタを食い、暖房の暖かさに甘えながら、
ようやく重い腰を上げた。
来た道を少し戻って国道192号線へ。
あれだけ山を登って下りてを繰り返したのに、
また山を越えないといけないのだ。
徳島自動車道に並走するこの国道も相変わらず車の通りは少ない。
最初の方は街灯も明るくそこそこ民家もあるが、
やはりどこにもコンビニはない。
ちなみにこの国道はギリギリ香川県に触れず、徳島から愛媛に向かうため、今回の旅では残念ながら香川県はパスとなる。
このまま今治に行きしまなみ海道に向かうのだが、帰る方向は東京方面なため、本当は
徳島方面に行ってフェリーで大阪に出ればいいのだが、クソ遠回りをしている。
標高300mほど、ひたすら直線の上り坂を自分を騙しながらペダルを回す。
おっしゃ!!来たぞ!!境目トンネル。
もちろん、愛媛と徳島の県境のトンネルで、どこにもありそうな名前だが、恐らくここしかない。
再び愛媛
何回愛媛県に足を突っ込むんだよ。
あとは下るだけだ。
この情報量が多めな黄色い反射看板と減速を促すラインマーカーがフェチズムをくすぐる。
下りきってようやくコンビニ発見。
不思議なことに、山を下りて、愛媛県に入った瞬間に生暖かい風が吹いていた。
あの山々に囲まれた風景たちもどこかへ消え、あたりはコンクリートジャングルになっていた。
海もここから近いわけだが、海沿いにはたくさんの工場から煙が出ているのが見受けられる。
国道11号線へ。
街は寝静まっている。
住宅街の天然記念物
下柏の大柏(しもかしわのたいはく)
しもかしわとはここの地名になる。
休憩をしていたファミリーマートの後ろにさらっと天然記念物が建っている。
国道から路地に入ってすぐのところにあるんだが、さらっと、住宅街にポツンと建っていて正直あまり貴重さを感じない。
確かに太い。樹齢1200年以上になる大木で天然記念物に指定されたのは大正13年。
当時は田畑しかなかったこの地域も、今では国道が通り、コンビニがたち、住宅街になってしまった。
夜でも工場は起きていた。
国道11号線を西に走らせて、ようやく本日のお風呂 湯あそびひろば 三島乃湯に到着。
この辺の銭湯はどこも22時までのところが多く、ここが唯一25時まで過ごせるところだった。
少し古風なスーパー銭湯だ。
休憩室で仮眠して閉店時間に出た。
が...困ったことに今日の寝床が見つからない。
まず目の前に空いていたカラオケまねきねこ
は深夜3時閉店、隣の居酒屋も深夜3時閉店。
なんでそんなに室内にこだわるかと言えば、この四国中央にはこの日突風が吹き荒れていた。
呼吸をするのもしんどいくらいで、テントなど張ったら簡単に飛ばされてしまう。
一瞬すぐ近くの公園の東屋で、とも考えたが交番も近く、、、
この辺にあったネットカフェも最近全て潰れたそうだ。(←あると思っていたのに銭湯から出て気づいた。)
結局寝床は見つからず、時刻は深夜3時。
まともに風を凌げる場所はJR予讃(よさん)線の伊予三島駅だった。
駅の構内は深夜でも空いていて、仕方なくそこのベンチで朝まで寝ることにした。
やはりここは紙の町だったか。
中でも大王製紙はこの四国中央に”四国本社”を置いている。(東京本社と四国本社、あとは各地域に支店。)
落ち着かないけれど、仕方ない。
風がビュービュー吹き荒れる音を聞きながら、このベンチで寝ることに。
トイレは空いているし、一応治安は悪くないし、風を凌ぐなら仕方ない。
ついに明日は四国脱出できる!!!