チャリで四国九州リベンジ2018 11日目 2018/4/9 梼原〜四国カルスト〜いの町
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ついに四国カルストに向かう日。
連日カルストは季節外れにも雪が降っていて、
この日にようやく凍結がおさまった。
四国カルストにはどうやら絶景だけでなく、わざわざ登ってでも食べたい
絶品のチーズケーキが存在するらしい。
四国カルストに行く目的の60パーセントがそいつを食べることだ。
「チーズケーキの概念を超えている」とも話題にされるその絶品のためなら、
標高1400mであろうが大したことではない。
雲の上の温泉 の駐車場。
アラームを4時にセットしていたけど結局起きたの8時でした...
目は覚めたけどあまりの寒さに寝袋から出れなかった。
やっぱこの勾配きついよな〜とか呟きながらなんとなく写真を撮っていた。
このトトロの看板がクソ不気味や。
近くの売店で美味しそうなおこわを。
レンジがなくてめちゃくちゃ冷たい...以外は問題なく
美味しかった。
こちらは高知名物、真夜中のミレービスケット。
真夜中に食べる”精力菓子”を早朝の一人旅で食べる気分はどうだい?
おうこれから四国カルストまで息をあげて、腰を降りながら立ち漕ぎして登ってやるからな。
※お許しください
昨日登ってきた道を下り、梼原の町役場で右に入る。
売店のおばさんが道の駅マップを持ってきてくれた。
梼原町にただ1つのスーパー丸味で補給食を買い込む。(ちなみにコンビニも山崎ショップ1店のみしかない)
驚くことにここにもTSUTAYA回収BOX。
毎日回収しにきているのか、はたまたスーパーの人が確認してるのか?
おそらく今日はコンビニがない「気がする」ので今日の夕飯まで一応買っておいた(白米とレトルトカレー)。
もちろん冷えたレトルトカレーなんて食べたくないのだが
力尽きて死ぬわけにはいかない。
果たして夕食はどうなる。コンビニで温かい弁当が果たして食べられるのだろうか。
国道440号線。
bの街も2km走れば、途端に文明が消えてくる。
おまけにドンドン上り坂が始まる。そして今日も寒い。
国道がドンドン地面から離れ、高架道路になっていくのがわかる。
人口密度...
だんだん山の頂上と距離が近づいてくるのが分かる。
少ししんどさはあるけれど、このペースなら割とすぐに
登り終わる...そんな風に思っていた。
意外にひょいひょいと登れてしまうもんである。
梼原の町からやく一時間足らずで上り坂が終わった。
地芳(じよし)トンネル
トンネルは長く、2990mある。
ここでひとまず登りは終了...???
このトンネルで一度県境越え。
トンネルを越えると
今まで姿を現さなかった四国カルストの文字が。
愛媛県道36号。
残念ながらトンネルを抜けても四国カルストのような
景色は広がっていなかった。
いや、むしろ
これからなのかも...
普通に動物がウヨウヨしているところなんだろう...
いつの間にか道幅も寂しくなり
林道になってしまう。
ちなみにこの看板での西予市野村は2018年西日本豪雨で、全国のニュースになるほど甚大な被害を受けた地区だ。
いきなり急勾配。
荷物フル積載のチャリンコは5km/hで登るのが精一杯。
とにかく誰もいない。これが果たして四国カルストに向かう道なんだろうか。
これで行き止まりとかだったら横浜までここからタクシーで帰ってやる。
この県道、それはそれはひどい有様。
あちこちで落石どころか崩落している。
こんなでかい岩まで。
こんな刑事ドラマに出てくるような黄色いテープって...
この下に人の何かがあったりするのかな...ないな
言うまでもなくずっとiPhoneは圏外だったのだが
ここは「ケイタイ使用可」。
だがしかしauの自分、圏外から動くことはなかった...俺ここで事故っても助けてもらえないんかな
GPSは動いている。
坂がきつすぎて5分に一回くらいナビを見てしまう。
ついに!路肩に雪が現れた。
踏んでみるとガッチガッチのシャーベット。
これ夜になると路面も凍結するなぁ...
ドンドン雪は増えていく。
車の通りは20分に一台通るかどうか、高齢夫婦がほとんど。
言うまでもなく「やべえとこ走ってんな〜」っていう視線を向けられている。。
いつになったらこの山の端にたどり着けるのだろうか...
ちなみに地芳トンネルから1時間45分も経過していた...
ついに来たぜ...四国カルスト...
ってひとりでドヤ顔していたら勢いよくタヌキが飛び出して来た。
また写真撮れなかったよ〜もう。
朝までいた麓の世界とは全くの別世界だ。
さっきまで見ていたあの山々はどこへ行ってしまったのか(いや、そこを登って来たのは確かなんだが)
不思議なことにこの大野が原からは麓の景色を全くみることはできないのだ。
どうなっているんだ...
確かに高原らしい景色ではあるが、
この下に別の世界が存在することが信じられない。
異次元空間から飛び出してきた気分だった。
人も普通に暮らしている。まるでさっきまでの林道の景色がなかったかのように。
大野ヶ原ミルク園。
ここでチーズケーキにありつけるはず...!!!
そう全てはこのチーズケーキのために!!
.................
.................
.................
.................
!?!?!?
んなわけ!んなわけ!
えええ.....
しばらくここで途方に暮れていた...
twitterを何度も確認するも、特に書いていなかったので...
直接「もしかして、今日休業ですか???」とリプライを送ってみる。(もしかしてもクソもないんだが)
そして返信。
「インフルエンザでした😂」
oh.....DAIJINI....
足がすくむという経験を久しぶりにした。
※ちなみにこの近くにもう1つ、ペンションもみの木という所があって、そちらでもチーズケーキを食べることを、なぜだかこの時忘れていた。
というか、あとで調べたらツイッターのRTで回ってきたのは、むしろもみの木のチーズケーキだったことが判明。さらに悔やまれる。
ちなみにミルク園がフワフワ系、もみの木がトローリ系のチーズケーキだそう。
ってことでまたこの四国カルストに来るんですね...もう自転車で来るかなあ...車かもなあさすがに...
チーズケーキの代わりにバッグの中のスニッカーズを開けて、
めっちゃ美味しいとか言いながら噛み締めていた...
もうこの際だから、四国カルストでダラダラしよう。
大野ヶ原を抜けて、県道383号を進むと、ようやく下界が見えてくるように。
四国カルストは高知県と愛媛県の県境にちょうど沿っていて、あちこちで県境の看板が立てられている。
この点線を挟んで上が愛媛、下が高知。
左のピンが大野ケ原、右のピンが姫鶴平(めづるだいら)、天狗高原。
県境と黄色い道が交差している所に地芳トンネル/地芳峠。
つまり左から右に走っている。
またもや上り坂が始まる。
雪が残っていて、かなり寒い。
頂上からたくさんの山を見下ろしている状態。
標高1400mの景色だ!
しばし下っていく。
これこれ!カルスト台地特有の岩たち。
下りながら、景色をシャッターに収めるのがかなり大変。
右がすぐ崖になっていてガードレールもないため
転んだらマッハで下山ができる。地味に車が通るから超怖い。
...言葉が出ない。
少しでもこの景色を写真にするために必死だった。
※後ろを向いて撮っています
大野ヶ原と姫鶴平の中間地点、地芳峠。
つまりこの下に朝通った地芳トンネル
が通っている。
おそらく斜め右の道がオフィシャルな四国カルストへの道だったのだろう...
アップダウンを繰り返し、
来たぜ!姫鶴平!
雪はだいぶ溶けつつも日陰はまで積もったまま。
周りにあるのはホテルだけで、枯れたままの草原と
勢いよく回る2機の風車。
風もかなり強く、冷たくて痛い。
コテージ姫鶴荘。
寒いから暖かい蕎麦でも!
って思い営業中と書かれた扉を開k....
え?開かない。
鍵かかってるんですけどぉwwwwとことんツイテナイwww
ならばとりあえず水分を、ん?
全部光るは売切中
どういうクオリティなんや...チーズケーキどころかコーヒーも飲むことを許されないのか...
お腹を鳴らしながらもカルスト台地を楽しむ。
ここに本来なら牛が放牧されているようだが、まだシーズンが早かったようだ。
しかしまだ草が生えきっていないのでカルストの地形が見やすい。
岩が乱立しているのをみると、少しゾワッとしてしまう。
集合体恐怖症なのかなあ
絶景なんだけど、自転車で流すのが間違いなく一番楽しいです。
自分の足で20km/hくらいで走ると、景色の流れ的にRPGゲームの主人公になった気分になります。
なんとなく言いたいこと分かってくれ、
この風車だけ佇んでるショット好き。
やっぱゾワゾワするww
自転車をこんなところまで運んでしまったっていう写真。
時折高山植物が芽を息吹いている。
観光客は若い人が多くて、前にいるトヨタアクアは多分自分と同じ大学生だと思う。
「わ」ナンバーのレンタカーばっか。
画面越しにみるとどうしてもイラストのようになってしまう。
一度ナマで目に焼き付けてほしい。
さっきまでいた風車がだんだん遠くなっていく。
地形の特性上、災害には弱い。
下界とをつなぐ道が1つでも分断されると、物資などが行き届かなくなり陸の孤島状態になる可能性もありうる。
四国カルストの最東端、天狗高原へ。
天狗荘の展望台から。
4人で旅行を楽しんでいたホンダ・フィットのおじさんに撮ってもらった。
こんなところまで自転車できちゃうの!?って驚かれてたけど、
自転車界では珍しいことでもない。
っていうくらい自転車乗りは頭がおかしい。
この天狗荘は館内を県境が貫通している。
長野と群馬の県境、渋峠ホテルと似た感じである。
さようなら、四国カルスト。
チーズケーキ以外は堪能したのであとにする。
もうちょっと暖かなれば牛を放牧するそうなので、また来よう。
10%の下り坂!飛ばしたいけどガッツリ落石が多くて一歩間違えれば一発でふもとに飛ばされる。
国道439号方面に下る。
さすがは標高1400m、いくら下っても道が続く。
今まで山が下にあったのが段々と囲まれてくる。
冷たい風を浴びながら、ようやく下の世界、津野町に降りてきた。
写真の通り国道439号...そう、例の”ヨサク”というやつである。
日本屈指の酷道と言われるこの国道、
果たしてどんな牙を向けてくるのだろう...。
異様なくらいに回り続けるかざぐるま。
意外にも、国道439号は快走路から始まる。こんなに車も少ないのにもはや豪華すぎるくらいに。
標高1400mから降りてきた直後、皮肉なことにしばらく上り坂が続く。
そしておまけに向かい風...。気がつけば夕方の4時になっているし、
地図上では今日一日半径10km圏内をぐるぐる回っていただけに等しいし、
今日これからどうしたらいいのか分からない。
写真にポツンと映るは、チャリダーである。
驚くことに白人パツキン外国人たちが
クロスバイクに乗って男女15台ほど、次々と反対車線を通過していくのである。
陽気にハ〜〜イ!とか言いながら。
海外では四国サイクリングがブームなんだろうか。
気を取り直して、ヨサクを東に進める。
なんだよ、この立派な犬小屋は...
めっちゃ吠えられた。
hahahahaha!!
残念ながら走り出して20分でこの有様である。
さっきの綺麗な二車線はどこに消えたんだ。
単なる林道...なおお察しの通り、再び電波が繋がらなくなる。
北海道の頃もそうだったけれど、牧場の近くをチャリで走ると必ず牛に睨まれる。
ご覧の通り、夜中には鹿や猪にどつかれそうな所である。
先ほどから続いていた地味な登りは、実は矢筈峠という山までの上り坂だった。
このトンネルを抜ければ仁淀川町。
_人人人人人人人人_
> 情報量の暴力 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
この不入山(いらずやま)の8合目あたりに四万十川の源流が存在する。
ただし、30分登山道を歩かなければならないらしく、断念...。
九州では散ってしまった桜もこちらでは意外にまだ花が残っていた。
ああ...何もない...
時折禿げているところも。
一面のクソみどりの中にポツンと現れる集落。
古びた屋根でさえカラフルに見えてしまう。
仁淀川町になると突然車線が広がり、思いっきし下り坂を駆け抜けられる。
だんだんと街が見えてきた...!!
というのも見事に裏切られ、また狭くなる。
意外に子供が多い街で、小学生くらいの坊主の男の子たちに
「あ!!ロードレーサーだ!!」
と飛び上がりながら手を振られる。w
少し恥ずかしかったが、この街のヒーローになった気分だった。
この情緒あふれる街並み。
小さな車がゆっくりよ走り、
そこらで子供とおばあちゃんが遊んでいる。
そんな昭和感あふれる街。
あたりを見回してもコンビニは見つからず、ようやく田舎の小さなスーパーを発見。
家族で経営しているようなお店で、カップ麺とスニッカーズミニを箱ごと購入。
「食べてく?」と聞かれればお湯を入れるところまで、
店員さんが作ってくれた。優しいな〜〜。
このお店の隣にはトイレ兼休憩所。
カップ麺はここで食べれるよ!と店員さんに言われて来てみればなんだここは。
もうここで野宿してしまいたい、雨も風もしのげるし、座布団もある。
「高知と松山の中間地点」の仁淀川町は
酒場放浪記でおなじみ、吉田類さんの出身地だ。
あ、そうだった!四万十川ってウナギもいるのか!
仁淀の街も小さく、また周りにも何もなくなる。
この川が仁淀川。
仁淀ブルーと言われる澄んだ青色したこの川は、
実は四万十川を凌ぎ、水質が全国1位だそうだが、
日が暮れて何も分からない。
国道33号・439号重複区間
この先街が何もなさそうだ...!!
今回自分は四国にいじめられにきているので、
わざわざ高知市内の方面に行かずに、
四国山地の山あいにわざわざ潜り込もうとしているのである。
だから、期待できる街はどこにもない。
天界集落とか言ったっけな。
仁淀には急斜面に無理やり作ったかのような
集落が点在している。
こんなところに住んだら家から出る気も起きなさそうだが、
この地形を利用して茶の生産が盛んに行われている。
国道33号を海に行けば、高知に出るし、山に向かえばもう一度四国カルスト近くの久万高原を通り、松山に出る。
だがしかし自分はまたまた33号と分かれて国道439号方面へ。
日も完全に暮れて、暗闇を照らしてくれるのは自転車についている5つのライトか、
時折通る車のヘッドライトだけ。
動物っぽい何かがガサガサと動く姿がかなりわかる。
それにしても今日は全くコンビニを見ない。地図を見返せば、先ほどの仁淀川町を国道33号高知方面に分かれてすぐのところにローソンがあったみたいだが、
ニアミスでポンタカードの出番はなくなってしまった。
ここでやってくる最後の峠。
今日は四国カルストから始まり、3つの峠を登らされている。
こうなるのをきっと自分は望んでいました。
ありがとうございました。
ライト映る道路の白線と、ガードレールに設置された反射板が流れるだけの情報量。
新大峠トンネル。
3kmも長さがあるんだってよ。
トンネルの中も半分登りで、路肩のスペースもそんなにないから、結局歩道に避難。
トンネルの真ん中を境に、仁淀川町からいの町へ。
大峠を下ってからもここから街が何もないため、
道の駅 633美の里(これでムササビと読むらしい)
で本日終了。
道の駅には屋根とベンチがたくさんあるんだけど、こんなに閑散とした
ところに1人自分のところに駆け寄ってくる。
「ひょっとして...テント張ろうとしてます?」
どうやら道の駅の管理人らしい。
終わった...ここでテント張れないぞ...
「ダメですか...??」
しばらくすると、仕方ないなぁ、という顔をして
「ならば、この区画だけにテントを張るようにしてください。ここから先セキュリティアラームかけちゃうんで。」
助かった〜〜〜〜〜。
この山奥でさらに寝床探しをする体力はもうなかった。
んで、結局今日の夕飯。
そう、朝に梼原のスーパーでかった白米とインスタントカレー。
気温はもう2度とかになっているし、カッチカッチに固まった
カレーライスを炭酸水で流し込んだ。