【死にそう】四国自転車旅 3日目 2017/3/24 【高知→津野→奥伊予】
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高知市。
結局朝の6時くらいにネットカフェについて、
起きた頃には11時とかになっていた。
高知駅前...かなり平和だ。
人もいるし、路面電車も走っているほどだが、
どこかゆったりとした時間が流れている。
駅前のアーケード。
平日の昼間は少し寂しさもあるが。
本当なら、坂本龍馬の桂浜とか、
四万十とか行くのが普通でしょうが、
昨日の疲れがかなり来ていて、
当時の自分にそんな余裕でさえなかった。(何しに四国来たんだ)
松山までおよそ300キロ近くある。気が遠い。
高知市の原チャリのナンバープレートには、坂本龍馬があしらわれている。
とりあえず、四国に入ってから一度も風呂に浸かっていないので、温泉へ。
もう正午も過ぎていて、これからお風呂入って...今日は期待できない。
なんとなくネギトロ丼を食べる。
高知、しかも土佐に来たならカツオ食べろよってな。
どこでも食べれる気がする。
まあでも疲れている身体には、
かなり美味いんだけどな。
温泉が気持ちよくて、
漕ぐ気さえなくなってしまった...
寝たい。
こっちは
はりまや橋やソーランの鳴子があしらわれている。
昼過ぎに走行再開。
高知県道37号や国道56号を走る。
県道に入れば辺り一面畑、
国道に入ればトラックだらけで路肩狭い、
いい事がない。
ちなみにアップダウンが激しい(海沿いなのに小さな峠がいくつも現れる)
のと、向かい風が強いのとで苦痛でしかない。
やがて須崎市へ。
高知駅から40キロも離れていないのだが4時間以上。
漕いでも漕いでも進まずで、平均時速は10km/hほどだと思う。
コンビニはなかなか現れなかったり、
景色も変わらなかったりで精神的にやられる(今思い返しても、北海道より苦痛だった)
四国一周を謳うならば、しっかりと海岸線沿いに行かないと行けないだろうし、
四万十川や足摺岬など四国の観光地をまわらないといけないだろう。
しかしテントも寝袋も持っていない。
おまけには高知市以外にネットカフェがない...
詰んでいる。
四国 ネットカフェで検索すると
なんだかもうどうでもよくなってきたので
ネットカフェを目指すことにした。
みなさん、自転車で四国に来るときは必ず
テントと寝袋を!(30万回くらい繰り返したい)
なので、須崎で国道56号を抜けて、国道197号で津野町から愛媛県を目指す。
ちなみに諦めたもう一つの理由として、日数もなかった。
一週間で四国から横浜まで自走したくて、
四国にいれる時間はわずか3日間だった。
いや、本当に何しにきたんだ...w
この辺はちょいちょい住宅街が散見される。
広島の呉から東広島に向かう国道375号に景色が似ている。
この津野町は「カワウソの街」とも知られる。
かわうそ自然公園という公園も存在するほどで、
日本で最後にニホンカワウソが目撃された場所らしい。
※ニホンカワウソは2012年に絶滅種に指定
しかし人家があるのもつかの間、
だんだん景色が怪しくなる。
山の上には大量の風車。
この山の上には「四国カルスト」という標高1400メートルの台地が広がる。
もちろんネカフェ頼りの自分にはもう辿り着けないが。
予想通り❤️
急にめちゃくちゃな山道に差し掛かる。
頑張って漕いでも進まない。ナニコレ...
かろうじて時々家が現れる。
が、なぜだか集落は階段の下に存在する。
やばい...景色がバグってきた。。。
うわあああああ。
山の上に無理やり橋を通した高架式の道路になる。
トラック通るたびにグワングワン揺れるし
落ちたら死ぬし
そして道路以外に何もないから
休むところもないし...
死にたいンゴ...
道の駅 布施が坂。
鯛を釣る恵比寿像がそびえる。
精神的にやられている自分には少し悪魔にも見えなくない。
テントさえあれば...テントさえあれば...
ちょっと何言っているか分からない。
何も見えない。
トンネルだけがやけに明るい模様。
さびしくてスマホをつけると
電波圏外。
ひたすら登らされるのに、休む場所がない。
そして、食料が追いつかない、、
梼原町に入るが、何も見えない。
ここの総合庁舎は現代アートというか、美しい建物らしいが、
見えるわけがない。
気がつけば、気温も下がっていき4度までに。
薄いダウンジャケットを着るが寒い。
そして体が震えている。
歩道を見つければフラフラの体を無理やり持っていき
歩いては止まり歩いては止まり。
バス停を見つければ座り。
獣が鳴いている声が、山に響き渡っている。
人家もないし明かりもない。
途中に雲の上の温泉という宿はあったが、
泊まるお金もなかったので通過。
この通過が非常に痛かった。
結局夕方の4時間で50キロもない山道を6時間近くかけて
さまよっていた。
ブログでは伝わらないだろうから適当に字数でも埋めて
時間の長さを伝えたいくらいだ。
絶望しながらもなんとか漕ぎ続け、愛媛県に入る。
鬼北町。まさに鬼が住んでそうな山奥だ。
どうやら、近くには道の駅 日吉夢産地というのがあって、鬼のモニュメントが有名らしい。
いやそんなもの見る余裕も、体力も、気力もない。
バス停を見つけたので寒さに耐えながら休む。
するとお巡りさんがやってきて...
「兄さん、こんなとこで何しよるけん???」
話しかけてきた。
明らかに衰弱している自分をみるや否や、
すぐそばにある交番...いや駐在所に連れていかれた。
暖かい...
駐在所の中には久し振りに人間のための文明が充実していて、
天国かってほどだった。
色々と取り調べを受ける。
「明らかにこの辺じゃ見ん人じゃったけん、どおりで...」
伊予弁でゆったり喋るお巡りさん。
このくらいの小さな街になると、誰がどこに住んでるだとか把握できるのだろう。
ネカフェのある大洲に向かっていることを伝えると、
まだ遠いよね〜真っ暗でイノシシとかに突っ込まれるよ、と。
結局ありがたいことに、近くの安いホテルを探してもらい、
空室があるかなども聞いてくださった。
非常にご迷惑おかけしました、そしてありがとうございました。
結局、駐在所から5キロほどの西予市の宝泉坊ロッジというところに案内された。
温泉と、温泉でできたプールが併設するホテル兼健康施設だ。
小綺麗な館内。
優しそうなフロントの女性が、気さくに話かけてくれる。
おそらく今日、お巡りさんにしか会話をしていなかったから、
声を出すだけで涙が溢れてきそう。
しかも宿泊と温泉、プールもついて4200円と低価格。
こんな天国があったとは。。。
食事処や温泉「クアテルメ宝泉坊」には遅い時間にも関わらず、
たくさんの人で賑わっていた。
地元の人から愛されているのだろう。
中の温泉も広くて、閉館時間の関係で短時間しか入れなかったが、一気に幸福度が増した。
一人旅には広すぎる、ツインベッド。
こんだけ孤独にやられていると、
たまには彼女とかとゆったりする旅行をしたいな、とか少しセンチメンタルな気持ちにさえなってしまう。
お腹が限界なので、売店で買った二つのカップ麺とビールを楽しむ。
過酷な旅をしていると、
こんなものだけで、幸せになれたりする。
コンビニが当たり前でない生活。
予報を見れば、明日は雪らしい。
3月の下旬だからと完全になめていた。
高知から100キロほど。
しかし、獲得標高は約1500mと、かなり苦しめられた。
前日には夜通し300キロ走っていたこともあり、
体が言うことを聞かないという体験を味わった。