秋の南東北自転車旅 2018/11/3 仙台〜山形〜小国
仙台の銭湯から〜激痛〜
....
....
....!!
ファ!!
蛍の光のBGMに起こされる。
ああ。。。
寝ぼけながら、雑に荷物をリュックに詰め込む。
畳の大広間。時刻は2:56。
の休憩所で寝ていたのだ。
午前3時まで営業しているので、宿泊代を浮かすために
閉店ギリギリまで寝よう、という作戦。
結果は大失敗だ。
とりあえず、店員さんに急かされながら、
店を後にする。
確か、すぐに寝れるようにお酒を飲んで寝たんだった。
そのせいなのか、頭に激痛が走る。
この痛さは久しぶりの強烈なやつだわ。
真っ暗の駐輪場で、なんとか自転車の鍵を開け、
意識を朦朧とさせながら国道4号線方面に向かう。
とにかく頭痛いし、めちゃくちゃ寒い。こんなことするんじゃなかった。
途中にローソンがあって、店内のイートインにでも避難したかったが
願いかなわず、、、
気温4度、外のベンチで凍えながら
頭痛止めにホットコーヒーを3杯ほど飲んだ。
結局1時間半くらい外のベンチで頭痛と格闘していた。
3時に起きた意味ねえじゃん。
仙台市内
二日酔い状態だったんだと思う。
朝の4時半、県道22号線で再度仙台市街方面に向かう。
途中自転車が入れないトンネルもあったりして、
仙台の住宅街を彷徨った。
知らない土地の深夜の住宅街に入り込んでしまうと
罪悪感や、わずかな恐怖、絶望みたいのを
感じてしまうのは私だけだろうか。
前日から再び、仙台駅がある青葉区に入る。
「青葉区」の看板が仙台にあること、
そして青葉区が仙台の中心になっていることに
少しウズウズしてしまう。
僕がいる県道22号線は勾当台(こうとうだい)通りというらしい。
昔はここが国道4号線だったんだとか。
夜がだんだん明けてくる。
土曜日になるんだけど、
いかにも高所得者っぽい人たちが
早朝ランをしていた。
仙台の町並みはどこを見ても、
名古屋に似ているな、と感じた。
県道31号線
仙台〜山形間を結ぶ
国道48号と沿うように通る。
国道48号はしばらく自転車が進入禁止なため、
この県道でチンタラ進む。
東北大学医学部、星稜キャンパス。
仙台市中心部から約5km。
都会的な風景から、だんだんと建物が低層のものになり、
少し古びた景色に変わる。
ついには段々と建物が消え始める。
空気も澄んでくる。
隣から川が流れる音もする。
仙台駅から約10キロ内陸に行っただけで
こんな景色になってしまう。
仙台の街は小さかった。
半径3kmほどのエリアに、凝縮していることが分かった。
この怪しげなインターチェンジみたいなものを登っていくと....
バイパスです!!! いらっしゃいませー!!!
国道48号線に合流。
仙台〜山形間はどうしても峠越えが必須になる。
この関山峠ルート、南の笹谷峠ルート、さらに南にある当時未舗装の二口林道とあり、
この国道48号関山峠が最も標高が低く主要国道になる。(山形自動車道もあるけど)
と、いうことは、車がビュンビュン。
路肩が狭い上に車が80km/h以上で迫ってくる。生きた心地しねえ!
耐えられず、途中でJR仙山線(仙台と山形を繋ぐからね)
沿いの国道457号沿いに迂回し、
このバイパスの熱が冷めるのを待つ。
作並温泉...???
仙台で有名な温泉らしい。
美女づくりの湯〜〜〜〜!!
国道48号に復帰。
ここまでくれば、片側一車線になり、
車の流れも落ち着いてくる。
すっかり田舎になってしまった。
空気が美味しいのはわかる。
しかし、標高が徐々に高くなってるため、
とにかく寒い。
気がつけばコンビニも全然出て来ねえよ〜
空気が乾燥していて、かなり呼吸をしているから、
喉が恐ろしく渇く。
飲み物が欲しい。
ここに来て、まだ宮城県なのに、
的な看板も出てきた。
山形が仙台を侵略している構図である。
周囲の木々が段々色づいてきているのがわかる。
この時期、まだ東京では紅葉は見られなかったから、
今シーズン初めての秋っぽい景色を目にする。
段々勾配がきつくなってくる。
携帯の電波も怪しくなってきた。
ニッカウイスキー 仙台工場入口
なんと!
余市についでこんなところに仙台工場があった!
前に北海道を一周した時はじっくり余市工場を見学したが、
今回は時間がなく、スルーすることに。
な〜んと
立派なコケシがお出迎え!
なんてシュールな温泉街なんでしょう。
そこそこ立派な温泉リゾート地だった。
東北の人たちの間では有名なところなんだろうか。
温泉街もあっという間に終わる。
段々車も少なくなり...
約1時間ほど、本気の山登り。
たま〜に迫ってくる大型トラックにヒヤヒヤしながら。
気温が寒いから、上りでもあまり体温が上昇しないのと、
景色が良いのが、
救われポイントではある。
何回も足をついてしまう。
やっぱりテントを積んだ自転車は重い。
関山峠 関山トンネル 制覇!
標高531m。
気がつけば、終わっているといった感じで
そこまできつくはなかった。
やっほう!
さようなら宮城、さようなら仙台
関山トンネル(890m)
舗装ガタガタ〜。
路肩が少なくてよける場所もない...。
山形へ
この東根(ひがしね)市は、さくらんぼの生産量が全国一。
山形県の中でも、ここが最も栽培が盛ん。
ここで山形県を説明しよう!!!
今回来たのは内陸側。
海側には米どころの庄内平野(酒田、鶴岡)
内陸側には山形盆地(新庄、尾花沢、東根、天童、山形、上山、南陽、米沢)
と続く。
なぜ説明をしているかというと、一番土地勘がなかった地域だからだ。
県庁所在地は海側にあると思っていたが、内陸側でした。
関山峠を下り切って、東根市の平野部...
いや、盆地部に入ると、沢山の果樹園が連なっていた。
東北の山梨...
もちろんこっちの方が雪国だし、それなりの違いはあるものの、
盆地という地形、さくらんぼをはじめとした、
栽培している果物の種類も実は共通している部分がある。
まだまだ果樹園地帯は続く。
盆地の特性上、天気が変わりやすい。
さっきまで晴れていたのに、向こうの方からパラパラ雨がやってきたり、
突風が吹き荒れていた。
国道48号もそろそろ
国道13号(福島〜山形〜秋田)にぶつかり、しばらく重複区間が始まる。
仙台から山形までを繋ぐ国道48号は、
山形県天童市で国道13号と重複区間になるので、実際の単独距離は60キロとかそんなもんしかない。
簡単に全制覇できてしまう国道だ。
国道13号(国道48重複) 天童温泉
そろそろお腹が空いたのと、全然休憩していなかったことに気がつき、たまたま見つけた
道の駅 天童温泉 へ。
ででん!!
今日は土曜日。
色んな農家さんが、直売していた。
で、そこのおばさんが私をみて手招きしてきたのだ。
一通り旅の話をすると、「わざわざ山形によってくれてありがとう」と、
試食のお米にごま塩を振って差し出した。
「おなか空いてるでしょ?」と
4杯も5杯も振舞ってくれたのだ。
もちろん自転車なので、お米をお土産に買えない、
積めないのに、そんなことは気にせずにどんどん振舞ってくれる。
少し申し訳なかったが、
心がポカポカした。
「今日は土曜日で色んなお店も出ているからゆっくりしていきなさいね〜」
さくらんぼ、洋ナシ、玉こんにゃく...
なるほど、JAサンピュアも併設されているから、
野菜や果物がとにかく多い。
たくさん買いたいのにし、自転車なので、何も積めない〜!
そんなあなた!
このミックスフライ定食
なんと600円とかで食べれる。
それでもお得なんだけど...
ブッフェ付きwww
なんと、ご飯も味噌汁も地元の野菜も、たくあんも、洋ナシもりんごもwww
価格破壊が起こっていた。
とりあえずご飯を6杯食べた。
久しぶりに、たらふく食べた。
この道の駅には温泉こそない(天童温泉って名前のくせにな)
が、
地元のリーズナブルな食材や
無料で入れる足湯もある!
どんどん休憩の沼へ引き込まれていく〜〜。
足湯から出ると、さっきのおばさんがまた、
おにぎりを作ってくれるから、
「さっきバイキングで食べたのでもうお腹いっぱいですw」
と断りつつ、
それでも1個だけいただいて、
別れを告げた。
お礼に今度はお米を買いに
訪れたいな。
さて、こちらは国道13号線。
カーブが少ない直線の道路がしばし続く。
この日は強い追い風で、
35km/hほどの高速巡航ができた。
典型的な地方国道の
ロードサイド街が連なっていた。
天童から約10kmですぐに
山形市に入る。
山形駅。
結構都会...!!
そんなに高い建物はないものの、
綺麗に区画は整理されているため、
居心地が良い。
まあ、新幹線も止まる駅だしな。
山形...
東京の大学生が免許合宿で
連れていかれる都市第1位(俺調べ)。
マツキドライビングスクールっていうんだっけな。
山形駅周辺の中心地はかなり狭い範囲で、
駅から2kmほど離れると、すぐに住宅街へと姿を変える。
駅前は飲み屋などが連なっているが、
あまり遊ぶところは正直少なさそうで、
地元の人はどこで遊んでいるのだろう、と疑問に思った。
やっぱイオンモールか。
山形大学医学部
のんびりと、大学生が勉強するには適した環境かも。
山形市の隣、上山(かみのやま)市へ
向こうに見える観覧車はテーマパーク、リナワールド。
山形唯一の遊園地、冬は営業休止しているらしい。
東北最大級の遊園地と謳っているが...
こんなレビュー、逆に行ってみたくなる。
老朽化が激しくてある意味スリルがある、とか。
バックトゥザ国道13号。
だだっ広い直線道路を
ひた走る。
片側二車線の高速道路並みの国道で、
車は80〜100km/hで流れている。
路肩が広いからいいものの、景色の変化は少なく、若干上り坂気味で、これを2時間くらい走るのは少し苦痛だった。
ようやく1車線に。
南陽(なんよう)市
そういえば全然コンビニも見てねえ。
ご覧の通り、山か畑しかないのである。
何にもねえ〜〜。。
途中で現れたファミマのイートインのありがたみを
感じ、1時間以上休憩していた。
近くには赤湯温泉という小さな温泉街も存在する。
ムムム!!
米沢に出ようと思っていたが、ここで国道13号とはおさらば。
この先、米沢、喜多方、会津若松、日光と続くのだが、
今回の旅ではパス。
ということで
右に行って新潟方面に...
と、、思いきやまっすぐも右も自動車専用道路。
くそわかりづれえ。
とにかく山形県
は自転車に優しくないことが
わかった...。
しぶしぶ、新潟に出る道を探すために
逆方向に後戻りするのであった。
えーい くそう。
国道13号に本当の別れを告げ
新潟に向かう。
道幅の割に全く車が走っていない。
向かい風ぇ〜〜〜
気温が下がっていく。
雲一つ無いので、
今夜は放射冷却でかなり冷えそう。
ひとまず看板に「新潟」の文字があり、そう遠くはないという
安心感はあった。
今日中に辿り着けるかな。。。
田舎の象徴、サギ。
本当に田んぼを見ればどこにでもいるレベルだ。
家、店、畑、山。
そこには人間が生活するための
最低限のものだけが揃っていた。
流れている時間はものすごくゆったりしていた。
夜の山越え、新潟方面へ
平野部に低い建物が、
広い間隔で立ち並ぶ。
この後、山間部に入っていくのだが、
日は沈む一方で
残念ながら
暗闇の山の中に入ることが確定してしまった、、、。
土曜日だからまだ人はいるかなあ。
さようなら南陽市
飯豊(いいで)町
本当に山の中に入ってしまった。
夕方に山越えチャレンジをするとひどく後悔する。
と、思ったら
道の駅いいで めざみの里観光物産館
幸か不幸か、山の麓に煌煌と光る大きな建物を見つけてしまう。
土曜の夜、道の駅は家族づれで賑わっていて、キャンピングカーも
停まっていた。
家族旅行を楽しむ人の声を聞いて、少し寂しくなるなあ。
そのあとに睡魔が襲ってくる。
今日、そういえば、まともに寝ていなかった...
銭湯で仮眠したぐらいで、段々意識が遠のいていった。
こんな感じの休憩所があって
横になったり、持っていたお菓子を食べたりしていた。
ガラス張りになっていて、家族づれで賑わう中、
小汚い旅人が寝転がっているのは恥ずかしい。
かなり視線が気になるが、
結局睡魔には勝てず、寝てしまった。
・・・
2時間くらい休んでいたのだろうか。
いい加減、山を越えようと
覚悟を決めて、後にする。
山形と新潟の間の峠
宇津峠を越えにゆく。
標高は384mと大したことないため、
この夜の間に越えられるだろう、と考えていた。
最初は意外にも走りやすい。
そんなに勾配はきつくなく、路肩もしっかり取られている。
オレンジ色の街灯は、寂しさを紛らわしてくれる!!!
ありがとう街灯!!このまま光り続けてね!!
約束だぞ!!
って、あれ。
もう真っ暗や。
路肩も無くなったし。
一応、山形から新潟に抜ける主要な国道なため、
何台かの車がアクセルをふかしながら猛スピードで登っていく。
が、やはり台数はまばらだ。
さ、さ、寒い。
5度にまで冷え込んできた。
まだ明るい所もある。希望。
この旅1番の冷え込みなので、ダウンジャケットを羽織り、
その上からレインウェアも羽織る。
何回旅をしても、夜の山は暗いし、冷え込むし、怖い。普通に慣れない。
しかし、この時は強力な中国製ライトを追加したため、
そのライトの明るさに少しワクワクしているような、
使用テストも兼ねていたこともあって、
今日中に山を越えそうな予感がしていた。
しかし....
だんだん視界が白くなっていくぞ....
やべえ何にも見えない....
霧の真っ白な世界に怯えている中、ポツンと現れた
小国町のファミマに安堵を覚え、
夕飯ついでに、イートインに”また”長居してしまった。
1時間くらいいたかな、
ドンドン時間は過ぎていくのだ...。
除雪車がコンビニに置かれている。
どうもこの辺は豪雪地帯らしい。
あと数週間したら、もうこの辺は銀世界なんだとか。
ということで、宇津峠を登っていった先には、
小国町という、山の上にしては、
比較的街が形成されているエリアに来る。
あとは、山を下るだけ...なんだが、
霧のせいで何にも見えない。
後ろから猛スピードでやって来る車に
抜かれるのがとにかく怖くて、
これ以上進んでいいのだろうか、と
若干萎縮し始めていた。
いやん、マジで真っ白やん。
そんな中現れるのがこの道の駅。
名前は、
道の駅 白い森 おぐに
らしい。
周辺に自生するブナの幹や雪をイメージして名付けられたそうだが、
この霧だらけの世界はある意味白い森である。
もう5kmくらい進めば、すぐに新潟県がやって来るらしい。
が、霧はドンドン濃くなって行くばかりで、
風も強くなり、夜の自然の怖さに、
これ以上進める自信が、
小心者の自分にはなかった。
さらには
トイレや自販機、明かりが揃っているオアシスを
一度見つけてしまうと、
なかなか離れることはできずに、
諦めて結局ここでテントを立てることにした。
何回も旅をしているのに、このビビリ症は治らない。
この道の駅には車が1台しか停まっておらず、
本当に人がいるのかも分からなかったため、
とにかく孤独だった。
テントの中に入れば、凝り固まった筋肉が一気にほぐれた。
同じ場所にナイロンの布を張るだけで、
こんなに安心感が変わるのかと改めて
テントの効果を実感したのであった。
残念でした!今日中に新潟には行けません!
ちなみに、午前0時に、アメリカにいる
彼女が20歳の誕生日を迎えたが、
テントの中で睡眠時間をかなり気にしながら
電話を入れるという、
レビュー星2つ半くらいつけられそうな
おめでとう電話になってしまった。
ごめんなさい。