秋の南東北自転車旅 2018/11/1 那須塩原〜福島〜仙台
栃木県
那須塩原市 道の駅 那須野が原美術館
那須塩原市の住宅街にあった道の駅。
東屋に張っていたテントを渋々と片付ける。
この季節は朝になるとかなり冷え込んで、
夜明け前に目が覚めても撤収に1時間近くかかってしまい、
朝の5時半とかに走り出す。
ファミマで明太パスタを、駐車場の車輪止めに座りながらかき入れて、
2時間後に重い腰をあげる。
空気が美味しい。
そういえば
地方に行けば行くほど、
主要駅ごとに必ず存在する
ルートインホテルの多さに驚く。
「ゆっくり走っておいでナス」
気温5℃の寒さに拍車をかける。
国道4号線、ゆるゆると上り坂が始まる。
ここまで200km、ずっと関東平野を走り続けてようやく
景色が変わってきた。
一方で肉体は全然いうことを聞かず、
自販機で2本ほど、500mlの缶コーラを
注入させた。糖分が足りていないのかもしれない。
福島県
白河エリア
福島県 西郷(にしごう)村 突入。
自転車で東北を走ったことがなかったから、
福島から先全て、未開の地だ。
この西郷村は全国の村の中で3番目に人口が多い。
今時市町村の合併が進む中、おとなりの白河市からの
合併要請を断っているらしい。
白河市。
ゆるい山間部が終わり、北関東の延長戦、ロードサイド景色が戻る。
追い風に煽られて時速35キロで走る。
気温10度。
まだウルトラライトダウンジャケットが
脱げない。
人気グループ、GReeeeNが確かここの
歯学部だった気がする。
また、国道4号線のロードサイドは終わり、
車線は狭まり農村部に入る。
車が増えて、もうすぐ須賀川(すかがわ)市!
というところで、
自転車は走れな〜い。
自転車は肩身が狭いです、ほんと。
須賀川市の中心街にくると、でっかい虹!!
見た感じ、晴れてるはずなのに、上から
パラパラと雨が降っていた。
雨雲はどこだ?
朝10時を過ぎて、ペースが落ちてくる。
須賀川付近では交通量が増え、大型なトラックも多い。
今まで信頼しきっていたゆとりのある路肩も
裏切り始め、トラックとの追い越しせめぎ合いが始まる。
おまけに向かい風。季節柄、ススキの向きでご紹介。
路肩がほぼなく、スピードが出ないので歩道へ。
諦めが肝心。
ただひた走るだけでは旅もつまらないので、中核都市をサイクリングするように
最近はルールを決めている。
もうすぐ郡山市、というところで車がかっ飛ばすようになったので
ここで県道17号に離脱。
自転車は車道を走るのが原則だが、斜め右に行きたい場合の正解がイマイチわからん。
郡山市
地方都市はイオンモール勢力に占拠されていくなかで
負けずに頑張っている。
イトーヨーカドーと色違いのハトマーク。
紅丸商店がイトーヨーカドーと業務提携をして現在に至る。
こんな色ってある?と思わず撮ってしまったBMW 3シリーズ。
郡山市街まで来た。
この近くにはライブハウスがあり、
郡山のライブキッズたちの誰もが知っているという
このオブジェ。鳥?じゃがいも?
「郡山 謎のオブジェ」と調べると
TwitterでもGoogleでも画像はたくさん出てくるのだが、
地元の人にも謎なままだった。
駅前アーケードが始まる。
そして、ここが、郡山駅!!
...
あれれ。
横浜から250キロほど走ったはずなんだけど、全然旅している感がない。
駅前付近はビルが立ち並び、ここが横浜市とかさいたま市とか言われても全然気がつかないレベル。
しまいには、新宿駅行きの高速バスが1時間に一本出ているほどで、まだまだ関東勢力の延長線といった感じだった。
しかし、駅前アーケードは平日の昼間ということもあってか、人がほとんど歩いておらず、ビルもよく見ればテナント募集がずらり。
かつては東北のシカゴと呼ばれるほど、反社会勢力が拠点にしていたそうだが、今やそれらも仙台に移り...活気がなくなってきているそうだ。
https://www.kanko-koriyama.gr.jp/tourism/detail3-10-377.html
↑
なおこちら郡山の駅ビル、エスパル郡山。
ショッピング施設からなんと高校まで入居するビル。
皮肉にもこの駅ビルが福島県内で一番高いビルだ。
絶品支那そば!正月屋
お腹も空いてきたし、郡山でラーメンをいただこう。
支那そば 正月屋
地元でも有名なラーメン屋らしく、食べログでは2位に上がってくる。
支那そば。
さらっとしたスープに、シンプルな具材。
麺とスープはしっかりと絡み合っており、
毎日食べられる味だった。
駅から遠いからなのか、お昼の割には席が空いていたなあ。
再び国道4号線へ。
福島は海沿いから、浜通り、中通り、会津と3つの地域によく分かられて、この国道4号は中通りにあたる。
この郡山は福島原発から山を挟んで約70キロ西に位置するため、
被災者の生活拠点としても機能していた。
「コインランドリー あ」
どうしたらその名前になるのか。
いるよね、ゲームのハンドルネームとか。
渋々とコインランドリーを開業する羽目になったのだろうか。
ググってみても誰もこのことに突っ込んでいない。
「仙台」の文字が登場。まだまだあるなぁ。
ぜってぇ俺らの方が都会!みたいなのをやりあってるんだろうなぁ。
しかし、
どうやら郡山市の方が福島市よりも人口が多いし、経済規模でも東北の中では仙台市に次ぐらしい。
福島県内ではいわき市と郡山市で首位を争っており、いや福島市どうした状態。
東北に入ってから全国チェーン「ラーメンショップ」の数が増える。
そんなこんな言ってるうちに、二本松市へ。
びっくりしたのは、浜通りにある浪江町役場がこの二本松市にあるということ。
一瞬何を言ってるんだ、この方面は内陸方面だろと思ったが、
福島原発付近の市町村は行政も住宅も中通りにまるごと移転していた。(なお、2017年に浪江町本庁舎が再開し、今は郡山、二本松などに多拠点状態)
8年経つが、なかなか放射性物質が減るには時間が必要で、数十年レベルになるんだろう。
それにしても国道4号線は延々とバイパスのような作りで、
大型トレーラーがひっきりなしに80km/hで迫り、路肩なし、歩道の整備は不十分で精神的に良くない。
しまいには景色が全く変わらないから諦めて旧道に降りてしまった。(県道114号)
福島市
さすがは地方国立、大学の校門からは学生が乗った軽自動車がひっきりなしに出入りしていた。ここは車文化。
福島盆地が見えてきた!
郡山から二本松にかけてゆるゆると実は登っていたらしい。
国道4号は相変わらず路肩がないため、歩道が車道か悩むところ。
下り坂に差し掛かって車道に出たいのに、今度は柵があってまたげない!
車の流れと一緒にぶっ飛ばして、盆地に降り立ったぞ〜。
福島駅着弾!
ん〜なにもないなあ
県庁所在地なのに、印象的なのはイトーヨーカドーが近くにあったぐらい。
地方に出れば、駐車場は安くなるはずなのだが、
駅前の駐車場は最大料金6200円と、目を疑うレベル。
六本木ヒルズの駐車場が最大3000円だから、東京都港区よりも地価が高いことになる(違う)
駅の裏側に回り込んでみても、印象的な建物はない。
街の景観自体は綺麗に整っているのに、これといったランドマーク的存在がないのが残念。
郡山と県庁の取り合いになるのも頷ける。
さて、ふたたび国道4号へ。
ここ福島市は国道13号線の起点でもあり、山形県米沢市、山形市を経由して秋田市まで繋がる。
主要国道が2つ交差する都市にしてはもう少し頑張って欲しいな、
だんだん寒くなってきた。
景色に変化がなくて、関東がずっと続いている感じなんだが、寒さは東北なだけあって一段と厳しい。
伊達って言われると仙台のイメージがなんだか強いんだけど、福島県なんだね。
季節柄、17時を過ぎればすぐに真っ暗。
この旅で初めての峠がこの先の福島宮城県境で待っている。
どの程度の峠なのかは読めないが、真っ暗の峠を越えることに少し不安を覚える。
体力がきれてコンビニで1時間以上休憩。カップスープで体を温めるぐらい、外は寒い。
車線減少、急に交通量が減る。
あれだけ幹線道路だったはずの国道4号線も静かに。
標高185mの小さな峠を息を切らしながら登る。
宮城県
白石蔵王
この地域はいわゆる”蔵王”エリア。
時間があれば少し山を登ったところにある
蔵王キツネ村に行こうと意気込んでいたが
実際そんな時間はなかった。
県境で峠は頂上に差し掛かる。
そこそこのキツさはあったが、
低いギアでユルユル登っていれば難なく
こなせる。
逆に、宮城県側は割と急な下り坂で、
気温7度の寒さに拍車がかかる。
身体を強張らせながら峠を下る。
幹線道路に。(白石バイパス)
国道4号はどこもかしこも路肩が狭いし、大型トラックが多すぎる。
重機運搬トレーラーのような、車幅ギチギチなタイプも少なくない。
かといって歩道はガタガタだしかなりストレスがたまる。
2日連続、200kmライドで、脚も思うように動かず、
諦めて国道4号から離脱した。
白石川や東北本線に沿った県道50号線へ。
こっちにきたら街灯も何もなくなり視界から道路以外のものが消える。
しばらく1時間くらい、こんな景色。
一応、線路に沿った道路なので
しばらく走ると等間隔に無人駅が現れるようになる。
学校帰りの高校生がどっと出てきたり、仙台から通える範囲ではあるので、電車から降りてから人は意外に多い。
駅の裏の自販機近くで高校生カップルが壁ドンをしながら90秒くらいの長いキスをしていたんだが、
俺は遠慮なくその自販機のレッドブルを買って飲み干した。
彼らもやめるのが気まずいと思ったのか"逆に"キスを続けていた。
大河原町。この辺から街に活気がでてくる。
ここでまた国道4号へ。
脚が全く動かなくなってきて、徐々に痛みも覚えてくる。
仙台が近くなるにつれて、走り屋みたいな車が増えてきて恐ろしいスピードで電光石火のごとく突っ込んでくる、恐ろしい。
仙台市
仙台市太白(たいはく)区
またまた4号線からそれて県道278号線へ。
なんだかんだ福島市から60キロ近く走っており、体力限界、猛烈な睡魔。
おまけに脚が全く動かなくなってきて、途中の歩道橋の階段を押し歩きしているときに、これマジでヤバいやつだと思った。。。
しかしせっかく仙台市まで入っているし這ってでも
仙台駅まで脚を酷使しよう、最悪明日にでも仙台から新幹線で帰ってしまおう、と考えていた。
だんだんと高層ビル群が見えてくる。この感覚、愛知の蟹江町みたいな田舎から名古屋市が近づいてくる感覚に似ている(伝われ)。
長町駅。
急に現れるニュータウン。
IKEAだライブハウスだ立ち並び、区画的にはお台場のようなベイサイドエリアにありがちな都市開発方法だった。ここから近くに海ないけど。
仙台の区は中央区や南区のような方角の名前に頼らず、独特な名前が各区につけられていて
面白い。
仙台市内には大きなタワーが3つあり、
そのうちの2つがこのスカイキャンドル、ミヤテレタワー。
遠巻きにみると3つ連なって見えることから、トリプルタワーと愛称で呼ばれる。
仙台市に入って1時間近く。
大都会な街並みになる。
あれ、この交差点どうやってまっすぐ行けばいいんだ!
仙台駅に行きたいのに三車線またぎ?
23時30分
横浜から400キロ地点 仙台駅
脚をひきずりながら、途中で3本くらい置いていきながら、
ようやくネオン街SENDAIに到着。
東北の中心都市の割には駅舎は古め。
この造りは埼玉の大宮駅にかなり似ている。
そして、仙台駅についた瞬間にこの旅で初めて声をかけられた。
リュックに「南東北自転車旅中」と書いていたのに400キロもの間、誰にも声をかけられなかった。
声をかけてきたおじさんは、横浜〜仙台を丸2日でたどり着いたことに驚いていた。
繁華街はどこか?と聞けば国分町が栄えているとのことで、
仙台駅を後にする。
深夜0時をまわり、人はまばらだが、
繁華街が近づくと街の明かりも煌々としてくる。
ああ久しぶりの歓楽街、国分町。
言ってみれば仙台の歌舞伎町といったところか。
黒服の男がたくさん店の前に立っていてキャッチをしている。
光から闇まで全てが揃っている街、さすがは大都会...!!!
しかしこのド派手な反射ベストを着た男が夜の仙台で、
キャバクラや風俗に入るわけもなく、
かといってこの時間にカジュアルに入れそうな牛タン屋さんもなく、
寝床を探すことにした。
飲み帰りのサラリーマン(とは言っても話を聞けば自分の一個上の歳だった)が話しかけてきた。
名古屋の大学を出て仙台の会社に配属されたという。
都市の規模感は名古屋人から見ても「あんま変わらない、新鮮味がない」とのことだった。
そんな彼も、学生時代に自転車で北海道を一周したことがあるらしく、仙台で北海道の話題で盛り上がり、そのまま別れてしまった。
国分町や一番町といった繁華街に寝床は見当たらず、
ビルに入居するネットカフェに行けば、確実に自転車が盗まれそうだった為、仙台市郊外まで出ることにした。
宮城野区まで出てみる。
ほんと色々考えるよな、区の名前。
楽天スタジアム発見。周りには特に何もなく、住宅街にドデーンと現れる。
仙台市の中でも、有名どころは半径3キロ以内に集結していて、まるで福岡のようなコンパクトシティだなとも感じる。
誰もいない真っ暗なスタジアム🏟
むしろワクワクする。
ちなみにさっきから楽天スタジアムと呼んでいるが、
ここの正式名称は「楽天生命パーク宮城」であり、楽天スタジアムという名前になったことは一度もなかったw
(フルキャストスタジアム宮城→日本製紙クリネックススタジアム→楽天Koboスタジアム→Koboパーク宮城→楽天生命パーク宮城)
近くのスーパーで半額弁当を買い、ネカフェに持ち込めないので駐輪場にしゃがんで早食い。
買い終えた勢いで快活クラブ南小泉店(若林区)へ。
仙台の繁華街から自転車で15分ほど走ると、あっという間に閑静な住宅街になっており、気持ちの良い夜風が吹いていた。
仙台に着いたはいいが、明日からどこに向かおうか。