チャリで四国九州リベンジ2018 9日目 2018/4/7 佐伯〜宿毛〜足摺岬〜四万十市
フェリーの中で結局寝られたのは2時間くらいだったかな〜。
酔ってしまいそうな揺れに耐えながら
質の低ーい眠りについていた。
そろそろまともに寝たい。
四 国 上 陸
昨晩、大分の佐伯港は立派な建物が建っていたのに対し、こちらはこれといった建物はどこにもなかった。
ニューあしずり。
降り立つと昨日の風は強いまま、
これまでとは一転、急に冬がやってきた。なぜだ。
寒い。
「俺、二時間しか寝てねぇ。」
って、睡眠不足を自慢する人もいない。
さびちい。
とにかくお風呂に入りたい。
近くにそれらしき銭湯の看板はあるけれど、この朝の時間だけは入れなかったり。
港に降り立ってみたはいいけれど、
いまいち地図も地形も分からなくて内陸に向かおうとしてもまた、海が見えてくる。
脱出できねえぞ。
とにかく風が強い。向かい風で、ペダルを漕ぐのをやめると見事に後退するレベルで。
船を降りてすぐに、九州より四国の方が難易度が高いのかもな...と感じた。
とりあえずローソンでチャーハンとおにぎりの朝食。
宿毛駅。
土曜日の朝、お出かけをする家族や高齢者が朝でも多かった。
土佐くろしお鉄道株式会社 TOSA KUROSHIO TETSUDO (railway) Co.,Ltd.
四国でのサイクリング推進事業はここ数年確実に進んでいて、
宿毛駅ではレンタサイクル(ちゃんとロードバイクを貸してくれる!)、さらには輪行袋も貸してくれる。
これは!と思い、受付の人に
「これから足摺岬に向かって、四国カルストに行ってしまなみ海道に行きたいんだけど、どの国道を使えばいいか」
と聞くも、距離が壮大すぎたのか、ぽかーんとしていた。
宿毛の人は四万十市くらいまでしかあまり行かない、という事実もあるみたい。
足摺(あしずり)サニーロード。
ここは正式には国道321号で、321(サニイ)のゴロから
この愛称になったそうだ。
ちなみにこの写真は2018年4月に撮ったものだが、今年の7月の西日本豪雨でこの宿毛市は甚大な被害を受けたエリアでもある。
寒い眠い腹減ったの三拍子で、宿毛駅で道草を食ってしまい
朝の9時くらいにようやく出発。
妙に風もカラッと乾いていて唇の皮がポロポロと向けて痛い。
にしてもものすごい向かい風なのじゃ!!!
15km/hでしか進まねえよ!!
今日はまともに走れる気がしねえ。
道の駅すくも。
宿毛市街からわずか5kmで休憩するというスーパーやる気のなさである。
年季の入った子ども用の遊具がなぜか道の駅にたくさんある。
道の駅というよりかは地域の公園、
遊び場としての役割も果たしているのだろうか。
ただし、風が強すぎて三輪車がひとりでに暴走していた。
余談だけど、自分がボトルに入れている飲み水は全て水道水だ。
いわゆる便所水。
だから道の駅を見つけるたびに、トイレで水を汲んでいるんだけど
大腸菌みたいなやつが蛇口から入っているのでは?という感じがしてならない。
駐車禁止の標識をよくみて欲しい。
四国ではもはや定番化している、この標識。
ほとんどの駐禁マークに(2輪を除く)
と書いてあるのだ。
オートバイを停めたい時は駐輪場に停めずに
そのまま路駐してOKだ。
大月町。
このエリアは7月の西日本豪雨でかなり甚大の被害、死者も出た地区だ。
ご覧の通り、海か山しかない地形なので、災害には強くないだろう。
こういうニュースが全国で流れても
大月町と書いてあっても
他の地方の人からすれば、”高知”としてしか見られない訳で、
それがどの辺なのか分からずに報じているテレビ番組も多くあるなと思う。
日本人はもうちょっと色々な地方のことを深く勉強するべきなんかな、と2018年災害がたくさん起こった中で感じる。
東京の人がいくら地方創生を叫んだとしても、知識が浅いから何と無くで止まってしまうんだろうなあ。
道の駅 ふれあいパーク・大月。
多分一時間もしないうちに休憩を挟んでいる気がする。
売店にはたくさんの地元の野菜が並び、お客さんで賑わっていた。
なんとなーく自分のチャリンコを写真で撮っていたら、
別のチャリダーが話しかけてきた。
40歳にして、最近ロードバイクを買い、テントを積んで二週間で四国を一周して...
お金がないから食費を節約しながら、って。
この人は普段何をしているのか....どうしてもそう思ってしまう。
近海で取れる魚もたくさん。
この道の駅を過ぎたあたりから辺りに人工物がなくなる。
アップダウンを続けながらどんどんと里山の中へ入っていく。
辺りは水田ばかり。
しばらく走り続けると、ついに荒々しい海が現れる。
今まで透き通るようなクリアブルーだったのが、
ここの海が乳白色をしたエメラルドグリーンだ。
海沿いに出ると、風向きが追い風になって、30km/h台を維持しながら爽快なサイクリングになる。
思うように速度が出なかったり、逆に調子がいいようにスピードを出せるときとあるんだけど、
全然体調とか関係なくて風向きの影響であることが多い。
ここから土佐清水市に。
踏ん張れば速度を維持できるレベルのアップダウン。
超気持ちいい〜〜〜〜
ただひとつ気になるのは、四国に入ってから異常に電波の入りが悪い。
こんなにも開けたところにいるのに、iPhoneは圏外を示したまま。
こんなところに、というのは失礼だが、ここが四国最大の水族館。
道の駅 めじかの里 土佐清水
土曜日の空気感はほとんどなくて、地元のおじちゃんおばちゃんが
ここで団欒していた。
寒いけど。
連日睡眠不足が続いている自分は、道の駅に座っては机に突っ伏したり、
靴を脱いで少しでも眠ってみたり....ねれない。
先週よりも10度ほど低い。
多分この日がたまたま寒いだけ...
ユニクロのウルトラダウンが脱げずにいた。
海と山を行ったり来たりしながら、
軽トラしか通らない一本道をひたすら走るこの体験、
去年やった能登半島ほぼ一周に似ている。
この青紫の巨大ミミズ。
四国では意外にたくさん見る。
シーボルトミミズといって、
西日本にしか生息していないらしい。
寿命も3年生きるそうだ。
再び、海へ。
坂を下りながら、上から海が迫ってくる景色は
自転車で見る絶景第7位くらいに入る。
車通りがほとんどないから、かなり快適。
ジョン万次郎資料館。
江戸末期〜明治にかけて活躍した
日米の架け橋となったジョン万次郎は
ここ土佐清水に生まれる。
土佐清水市街。
ここでようやく生活感溢れる街に。
足摺黒潮市場。
ここも一種の道の駅的なところで、
カツオやサバなど、高知の魚がレストランで食べれる。
カツオのたたき丼
レストランは11時〜14時までと短時間の営業。
ちょうど正午を回ったくらいだったが
すでにサバ料理は品切れ状態だった。
う〜ん!
スーパーで売っているようなカツオのタタキよりも
全然大きくて、臭みが少ないのがポイント。
国道321号サニーロードから抜けて、県道27号へ。
さっきの黒潮市場からすぐのところに、先ほどの
ジョン万次郎(中浜万次郎)の生家なんかもある。
人工物も何もない、急勾配な道を必死に登っていく。
土佐清水市街から約一時間ほど、
だーれもいないトンネルを何個かくぐりつつ、
秘境チックな森の中を進む。
万次郎足湯。
足摺岬まであと少し、激坂を登る途中に
現れるのがこの足湯。
なんと無料だ。
足湯の目の前にはでっかいパノラマの海が
広がっていた。
お遍路さんや外国人観光客が浸かっていた。
もう少し登っていき、鳥居が見えてくればゴール。
ほほう、ここにもイノシシがいるのか...野生のイノシシは
鹿児島の佐多岬で見たのが初めてだったが
意外にどこでもいるんだな。
四国最南端 足摺岬。
一年前、テントなしで四国を回ったときは圧倒的な準備不足で
殺されかけ、足摺岬にたどり着けなかった。
この銅像もジョン万次郎。
なんと、足摺岬にタンデム旅行者発見!
このおしゃれな自転車、ヨーロピアンな外国人の
5人家族。
なんと家族で自転車旅行中。憧れるなあ。
テントも積んであるし、ゆったりいろんなところで野宿しているんだろう。
子供達がめちゃくちゃ笑顔で、自分に手を降ってくる。かわいい。
かーなり不気味。
日当たりが悪く、薄暗い遊歩道を一人で歩くのは、
昼間でも少し緊張する。
”足摺七不思議”という名の九つの不思議が
紹介されていた。
7つ不思議なことが起こる、というのは間違いで多くの不思議が起こることを七不思議というそうだ。
特にこの”地獄の穴”は有名なもので、
穴に小銭を落とすと深いところまで落ちていくと言われている。
が!
どこを見渡しても穴はなく、どうやらここ数年で
穴が埋まってしまったらしい。
本当にここ数年の話だそうだ。
七不思議は主に石にまつわるものが多く、、、
誰がやっているのかこの巨大な石に小さい石が積まれていたり
もはやなんの不思議なのかも分からなかったり
え、ベンチが埋もれてるやんとか。
確かにどこも不気味で、
これが夜だったら見えてはいけないものが出てきそうではある。
この足摺岬、日本でも有数の自殺スポットだそうで、
身投げ自殺をする人も多いそう。
成仏できずに、この辺をさまよっている霊の目撃情報も...
足摺岬から見る太平洋は
海の向こうに何も島はないから、
水平線が緩やかな曲線を描き
地球が丸いことを教えてくれる。
↑これが、さっきまでいた灯台。
遊歩道を全て歩くと小一時間かかる。
天狗の鼻。
足摺岬から遊歩道でつながっているが、あまり知られておらず、
隠れた名所となっている。
岩肌にクッキリと断層が!!
ここはやばい!
いくつもの崖が入り組んで、渓谷のようになっている。
四国最南端の碑。
これは今の天皇陛下が皇太子時代にこの地で詠まれた
歌碑が建てられている。
高知名物アイスクリン。
簡単に言えばシャーベット状のバニラアイス。
足摺岬の遊歩道に謎の掘っ建て小屋?みたいなのがあって、
そこで雑貨土産みたいなのが買えるようになっていた。
アイスクリンを注文すると
ヨボヨボの少し大丈夫か?ってかんじの
おじいさんが終始無言で、コーンにアイスを乗せるまでに5分ほど
かかりながら、手を震わせながらなんとか渡してきた。
なんだろう、こんなに申し訳ない気持ちでアイスを食べるのは初めてだ。
ちなみにこの11度という寒空でアイスクリンを食べるのはただ高知感を
味わいたかっただけで、凍えながら食ってた。
アイスクリン、高知以外で意外に出回ってないし。
ジョン万次郎ってジョン万って略すのか...。
ちなみにこの案内所のベンチにはでっかく
「野宿禁止!」と貼られていた。
お遍路文化があるこの場所で、野宿を禁止する理由は、
マナー的なものなのか、それとも心霊的な....?
足摺岬を来た道とは反対の方から去る。
途中、例のタンデム外国人とまた挨拶を交わした。
結局土佐清水市街に戻ってきてしまう。
そういえば高知県に来てから、コンビニがローソンしかないことに気づく。
高知県のコンビニはローソンが独占状態にあるらしい。
地方でもよく見るあのセブンイレブンは
2015年まで高知県には進出していなかったというから驚きだ。
しかもこの高知県のローソン、店内にTSUTAYAの返却ボックスがある。
これがまたすごくて、高知県のTSUTAYA14店舗でレンタルしたものなら全て
このローソンの返却BOXに入れてOKなのだ。
高知県といえば東西に約250kmにも伸びる県なのだが、
これがどうやって返却されるシステムなのか...。不思議だ。
再び国道321号サニーロードに戻る。
景色はめちゃくちゃいい。
けれど、向かい風が強いのと寒いのと、
携帯の電波が繋がらない...
み、密入国!?
この条件なら間違いなく自分も
怪しい人の格好をしている...。
ただ皮肉なことに110番をしたくても、ここ電波通じないですよ。
土曜日の夕方なのに、恐ろしいほど車が通らない。
さすがは四国クオリティ。
向かい風がめちゃくちゃ冷たく、いきなり冬が戻って来たよう。
コンビニの少なさも明らかで、12kmに1店舗、出てくるかのペースになって来た。
”コンビニがいつまでもあると思うな”
これが四国を回る際の教訓である。
身の危険を感じた自分はローソンをみるや、ペヤングの超大盛りを補給し、スニッカーズミニを箱買いした。
あ、そういえばゆうちょにお金が入っていたかも!とおもい
郵便局に向かってみるも
14:00閉店。
なんでや...
海沿いを走っているはずなのに、気がつけば山の中にいる、ってのも四国。
見たかんじこれといった峠もないし、楽勝だろと思ってしまうだろう...
それで死にそうになったのが一年前の旅である。
四万十市。
長いトンネルを抜けて、景色が開けるといつの間にか右側には四万十川。
最後の清流と言われた高知を代表するこの川も、下流で夕暮れ時には何も分からない。
明日じっくり見てみるとしよう。
これから向かう先は今見えている山の向こう側だ。
暗くなってから攻められるような場所ではなさそう。
四国で文明が栄えているところを
暗くなる前に見つけたら、
大人しくそこで夜を過ごしたほうが賢明だ。
四万十川ぞいを走る。
快走路に見えるかもしれないが、向かい風が強すぎて、
時速10km。
まともに進めない。
四万十市中村。
ここら辺で一番栄えているのがこの中村という地区。
この国道56号線のロードサイドにたくさん店があるような感じ。
そう、スーパー銭湯だってある。
たまーに現れる”石鹸持ち込み”型の温泉だったが
もちろん畳の休憩室だってあるし、23時まで空いている。
熊本を出てから一回も風呂に入っていなかったので
溜まりに溜まった髪の毛のアブラを一気に落とせた時の達成感がハンパない。
そんでもって畳に寝転がりいざ就寝...と思いきや、浴槽でおばあさんが倒れたらしく、
館内騒然。
救急車が担架で運ぶレベルで、あまりの騒然とした空気に寝るどころではなかった...。
それでも、なんだかんだ閉館時間まで仮眠をとって、夕飯と寝床探し。
国道56号沿いにあるこのサンリバー四万十はでっかい物産館みたいになっていて、道の駅みたいに
広大な敷地と駐車場を有する。
隣にはホテルサンリバー四万十が併設されているのだが、
ぼくには敷地内全てホテルに見える(?)ようだ。
軒下の暗がりにたくさんベンチがあったので、そこで寝た。
↑物産館なのに、謎のものも多く売られていて、巨大な水車も売っていた。
ここ最近まともに寝れていないし、今日もフェリーでの2時間しか寝れていないため
あっという間に眠りについた。