チャリで四国九州リベンジ2018 4日目 2018/4/2 長崎〜天草〜阿久根編
天草に向かうために8:10のフェリーに乗るはずが...
目を覚ましたら7:30
間に合うかも?いや無理だろ?
とりあえず急いでテントをしまって、長崎市街をぶっ飛ばす。
目的地は12km先にある茂木港だ。
まず、信号が多い。市街地だもん、当たり前だ。
意外に信号で止まり距離が稼げない。
左腕のGショックの秒針を睨みながら、ペダルを回し続けた。
国道324号で茂木港を目指す。
だんだんと坂がきつくなりだし怪しい雰囲気に...
田上峠(148m)
さすがは坂の町 長崎。
隣町に行くにもいちいち山を超えていかないといけない。
ぶっ飛ばせば早く着くもんだと思ったら
そんなんじゃなかった。
下りに差し掛かったら、ペダルを全力で回して
一気に下りきるが、、、
遅かった。
「もう行っちゃいましたよね??」と
チケット売り場のおばさんに聞くと
「さっき出たのよ。呼び戻そうか???」
呼び戻せるの?
いやいやそこまでしなくていいですw
ということで次の二時間後の便までダラダラする。
昨日充電ができなかったので
コンセントを使っていいか尋ねたら
快諾していただいた。
足には寝床にしていた長崎水辺の森公園
の芝生がびっしりついていて、
「あんたこれで落として来なよ」
とホウキを貸してくれた。
なんだか色々すいません...
フェリー乗り場には猫が五匹ほど住み着いていた。
頑張ってコミュニケーションを試みるも逃げられた...
あれ、、、??
あれってチワワだよな???
猫に紛れてる。。。
飼い主は、どこ?
ノラチワワ?んなわけ。
茂木地区は、長崎市とは思えないほどの田舎で
街自体から聞こえてくる音もあまりなく、
波が港に当たる音しか聞こえない。
近くにコンビニとかもなかった。
フェリー乗り場でうどんを食べる。
朝食にふさわしい、優しい味。
ふぐちゃ〜ん
そんなこんなで、二時間が経ち10時の便に乗る。
この時乗っていたのは5人。
そのうち二人は子供の兄妹。
天草のおばあちゃんの家に子供二人だけで遊びに行くようだった。
ジェット船は超小型で、自転車を入れるような甲板もない。
車とバイクは乗船できないため、不安になって問い合わせたところ自転車はOKだった。
当初、自分の旅計画は南島原の口之津港から下天草の鬼池港に渡る予定だった。
この長崎市の茂木港から天草に渡る計画が立ったのは、まだ昨日の話なのである。
ナビで調べても茂木港から抜けるルートは表示されず、やはり島原の口之津港を指定される。
さようなら長崎
自転車旅にフェリーを混ぜると
一味違ったワクワクが体験できて最高ですよ。
と言いつつ、”疲れからか”寝落ちしてしまう。
この航路、マイナーなものかと思いきや、
天草西部に住んでいる人が長崎大学病院に通院するのに重宝されているらしい。
一時間ほどだっただろうか。
目を覚ましていたらもう天草・富岡港についていた。
港には子供二人のおじいちゃんおばあちゃんが迎えにきてて
二人が船を飛び出して近づいて行く姿がエモかった。
港で少し荷物の整理を。
船に乗っていたもう二人の夫婦。
旦那さんは車椅子だったのだが、
なにやらホテルからの送迎バスと揉めていた。
「電話で車椅子でも大丈夫って言ってたじゃんよ!」
「そう言われましても天草にはそういうバスはないんですよ。」
電話では車椅子でもバスに乗れると言われたのに、
いざバスに乗るときは「車椅子をバスに入れる」ことができないことに怒っていたのだ。
東京ではあちこちで車椅子用の乗降スロープを見るのだが。
田舎のバリアフリー問題。
結局旦那が座ったままの重い車椅子を奥さんと運転手で
担いで上げていた。
双方とも同情できる、今この場ではどうしようもない、なんだか複雑な気分になった。
荷物を入れなおしたり、食料を食べたりでなんだかんだ正午に。
天草に渡る計画も急遽立てたために、あまり予習をしていなかった。
加えて17時には鹿児島に渡るフェリーに乗らねばならないため、
自転車で走る以外に時間を割けない。どこを走ったらいいのだろう。
近くにあったスーパー、フレッシュマート・フクモトで「自転車で走りながら食べる食料」を買い込み、ノロノロ進む。
とりあえず天草で面白いスポットがあるそうなので、目的地とは逆の方向に進む。
真っ青な海とヤシ、鮮やかなチューリップ。南国。
この国道324号、長崎市から茂木港に走っていた道と同じ国道だ。
つまりは、茂木港から天草の富岡港までのフェリーは海上国道扱いになり、
フェリーでしか通れない、しかも歩行者や自転車しか通れない海の道だった。
海がとにかく真っ青なんだ。
顔に当たるほど良い海風が、幸福感を増幅させる。
天草四郎乗船の地。
富岡城陥落まで追い詰めるも諦めて、天草四郎はここから乗船して
島原へ渡ったそうだ。
この十字架、インパクトが強すぎる。
なんか、たまごっち?を殺してしまったとき、気がついたら画面がこんなになってるみたいな。あるよね。
にしても、窓からくまモン。
ここからさらに2km進む。
気になったものとは?
おっぱい岩でした。
ちょうど立ち寄った時間が運が良くて、
干潮の時間と重なった。
海の中にあるために、潮の満ち引きによって
見られるか否かが左右される。
おっぱいは何処へ
あああああ!おっぱいだああああ!!
おっぱい
おっぱい
お、っぱい
おっぱい
横からおっぱい
下を向くおっぱい
親子に撮られるおっぱい。
息子の感情はいかに。
おっぱい岩にたどり着くまでに
岩のうえを渡っていくのだが、
コケとの相性が非常に悪くて不安定。
おっぱい岩以外にも変な色をした岩も。
カニさん
のどかな景色に「おっぱい岩」
おっぱいは福を呼ぶ。
で、おっぱい岩以外に用事がなかった私は
来た道を10km戻る。
最近は人気バンド、WANIMAの聖地巡礼に天草を訪れる人も多いそうだが
WANIMAは上天草出身である。
上天草は熊本から橋を渡り陸路でもいける。
私が今いるのはその隣の天草下島になる。
先ほど降りた富岡港を通り過ぎ、
国道389号サンセットラインを南下する。
「ようこそ天草町へ」
とあるがここからは天草市になる。
透明度が非常に高い天草の海。
実はサンゴや熱帯魚も多く生息している。
しばらくすれば、何もない地域に。
コンビニはもちろん、携帯の電波もしばしば入らなくなる。
このサンセットライン、海岸沿いは特徴的な岩が多い。
海は透き通るほど綺麗なのだが、意外にもこの地点までビーチは見られなかった。
やがて内陸部に入りアップダウン基調の道へ。
ここから崖と海の間をアップダウンを繰り返す、、、
なんて予想を裏切られ内陸へどんどん入ってしまう。
ここで初めて桜がピークを終え、葉桜になってしまっていることに気づく。
そういえば今年は3月の下旬からずっと咲き続けていたもんなあ。
そしてなんてったって、日差しが強い。
今日が一番焼ける日な気がする。
腕がヒリヒリする。
向こうに見えるのが2018年の6月に世界遺産登録された
崎津集落だ。
このとき全く知識がなく、とりあえず写真をとっただけだったのが非常に悔しい。
禁教時代にキリシタンが潜伏していた集落だ。
真ん中に見える建物が崎津天主堂。
一見小さな漁村にキリスト教文化が色濃く根付いている。
それにしても、のどかだ。。。
平日だからなのか、とにかく人がいない。
畑に目を凝らせば、農家がいるか、そのレベルである。
歩いている人もいなければ、車も少ない。
河浦地区でようやくホームセンター コメリ(田舎の象徴)やファミマが現れる。
で、この植え込み?何に見えます??
トトロなんだって。
だんだんと坂が本気を出してくる。
時計を見れば、あっという間に次のフェリーまで40分で焦りが募る。
山を下り切ると、牛深(うしぶか)地区へ。
この辺は民家やコンビニ、家電量販店もあって、天草の中ではそこそこ大きい街だ。
フェリー乗り場で飯を食べようと思ってたら、なんと併設のレストランがこの日定休日だった。
お腹すいたよおお₍₍ (̨̡ ‾᷄⌂‾᷅)̧̢ ₎₎
牛深ハイヤセイヤソイヤ。
牛深ハイヤ...決してタクシー会社の名前とかではない。
牛深ハイヤ節とはハイヤ節の元祖である。
もともとこのハイヤ節はこの天草・牛深から全国に広まったそうだ。
「まさか、ここまで広まるなんて」と公式サイトにも書かれている。
牛深には海に浮かぶ立派な大橋があるのだが、
この名前も牛深ハイヤ大橋という。
このフェリー乗り場には道の駅が併設されている。
道の駅 うしぶか海彩館
一階にはいけすがあって、鯛などの回遊魚がひたすら回り続けている。
これはテンション上がるぜ!
天草には5億のタバコ税が納められているぜ!
みんなありがとな!
これからも地元でタバコを買いましょう
と、このご時世では珍しい言葉。
結局、何も食べれずにトイレ休憩だけで乗船時間に。
天草の牛深から、鹿児島の長島町・蔵之元をつなぐ三和フェリー。
ここは車も乗船することができる。
乗務員さんも自転車を固定するのに、こなれた手つき。
すぐに自転車を任せ、客室に安心して向かう。
短い時間でしたが、、、さらば天草。
崎津集落を観光すればよかったなあ。。。
間違いなく、天草で唯一観光したのは
おっぱい岩
だった、、、
意外にも牛深港からのフェリーは人がそこそこ乗っていた。
朝に乗ったジェット船とは違って車を載せられることが関わってくるのだろうか。
小一時間また船内でウトウトしつつ、
目を覚ませば鹿児島県に。
長島・蔵之元港。
その名の通りここも島になっている。
よく見れば、天草との距離はそんなに遠くなく、
むしろ鹿児島の本土までの方が遠かった。
なおここからも国道389号は続く。
この国道、福岡県大牟田市から航路を通り長崎県雲仙市へ、島原市からまた航路を通り天草へ、また天草の牛深から鹿児島まで航路、
と陸路ではたどり着けない飛んだ”酷道”だ。
国道の端から端まで行くのに
3回もフェリーに乗らないといけないって、w
フェリー乗り場から、いきなりきつくて長い上り坂がそびえる。
この島も地形がアップダウンばかり続く。
蔵之元港フェリー乗り場にはなぜか巨大なマンモスが。
別にマンモスの骨が発掘されたとかではないらしい。
なぜに?
島には意外と新しい造りの民家も少なくなかった。
猫が何匹も住み着いていて、なんだかのんびり生きているようだった。
今度はハニワ???
謎のモニュメントが所々置かれている。
不思議な島だ。。。
また上り坂。
この島に入ってから、なんか土臭いような気がする。
土に堆肥が使われているのか、牧場のような匂いがする。
日没を拝めるではないか。
分刻みで太陽が落ちて行く様子が良くわかる。
今度はデッカク「交通安全」と巨大な岩に彫られていた。謎にモニュメント大好きなのか、ここの島は。
まただ...
小浜の番犬ツン・ツン
名前がクソシュールだ。。。
と思ったら、隣は西郷どんではないか!
そう、この犬は西郷隆盛が買っていた愛犬、ツンをモチーフにしたらしい。
にしてもでけえよ、カイリューかよ。
ちなみにこの海は東シナ海。
目の前に浮かぶ島は先ほどまでいた天草だ。
日没。
あばれ馬。ポルシェか、フェラーリか、
赤土で成り立つ長島の土壌を利用したジャガイモ(ばれいしょ)の栽培が盛んだ。
日が当たるように丘陵地帯をだんだん畑にしている。
風が一年中強いのか、山の上には風車がいくつも並んでいた。
風車を見ると、なんだかテンション上がるの、わかるかな?
長島はジャガイモの生産量で九州の大部分を占めているそうだ。
ちなみにフェリーを降りてからコンビニはまだ1つもない模様。
だんだん暗くなってきた。
意外にも芝生が広がる公園は多く整備されていて、
オーシャンフロントなテント生活が無料でできそうだ。
もちろん、街灯などない。
そろそろ長島から脱出して、鹿児島県本土に入る。
リラックマ??
結局この島にやたら謎のモニュメントが多いのには理由があった。
2年に一度、この島ではながしま造形美術展という博覧会が行われており、
地域や団体が身近な材料や廃材を利用して作り、競うらしい。
つまり、この島においてあるモニュメントは、その大会で入賞したモニュメントを島全体に飾られているようだ。
黒之瀬戸大橋(くろのせとおおはし)
長島と阿久根市を結ぶ橋だ。
これが架けられるまで、島民はフェリーで行き来していたそうだ。
もうあたりは真っ暗なので、海を渡っている感覚は一ミリもないけども。
阿久根市に入ると、何もまともに見えなくなった。
ライトを全部点灯させてもこの通り。
ここで福岡ぶりの国道3号へ。
福岡は車がバンバン走っているような国道3号も、いつしか物寂しい田舎道に変わっていた。近くにもう1つバイパスが通っているのもあるが。
時折大型のトラックが通る程度で、いつ横から動物が飛び出してくるかが怖い。
天草の牛深で言っていた通り、夕方から腹をすかせたまま何も食べていないのを忘れていた。
この腹の減り方だと、コンビニよりもラーメン屋に行くべきだ、そう案じていた時にちょうど国道3号に現れたのが 麺屋しげぞう
鹿児島とんこつラーメン 650円。
見た目に反して意外にもサラサラしたスープが特徴。
どうしても横浜の家系ラーメンに舌が慣れている自分は、
あれこれお酢を入れたり、醤油を入れたり、ニンニクを入れたりでちょい足しどころではなかった。
それにしても、ラーメン屋にしてはカウンターでラーメンをすする人は自分だけ。
店内は半個室のテーブル席で飲みにきている客が多かった。
ラーメン屋に見えて、本当は居酒屋要素の方が強いんだと思う。
車で来ている人が多かった。
駐車場を観察するとひっきりなしに運転代行の車が往来していた。
レジを打ってくれた”いかにも鹿児島のお姉さん”って感じの店員さんは
笑顔で自転車旅について話しかけてくれた。
少し気が強そうな感じが若干ポイント↑。笑
あたりは真っ暗で、ラーメン屋とショッピングセンターの光だけが煌々と目立つ。
鹿児島にしかないスーパー、A-Zスーパーセンター阿久根店。
びっくりするくらい広い。
端から端まで200mくらいあるんじゃねーかなってくらい。
とにかくなんでも揃ってる。
コストコに来た時のあのワクワク感と似ている。
実はここ24時間営業していて、日本で二番目にできた24時間の大型スーパーなんだって。
実は隣にもう一個店舗があって、コインランドリーや車の整備工場もある。
驚くことに、車も売っているのだ。
阿久根市は人口も少ない町ではあるが、このA-Zの売り上げは常に好調。
専門家もこの地域で成功したことに首をかしげるそうだ。
どうせなら、と食料品と飲む酒を買い込み
全く洗濯せずに臭くなっていた衣類を全てコインランドリーにぶち込む。
ちなみにAーZの由来は、AからZまでなんでも揃う、だって。
阿久根駅。鉄道の駅を見るのも長崎ぶりだ。
見るからに人口が少ないのがわかる。
この写真夜の0時だが、全く人の気配はなかった。
寝床を探しにさらに南に進む。
意外にも寝床を探すのが今回の旅、難しい。
阿久根市内にも道の駅はあるのだが、
阿久根駅からさらに10km進む。
周りは真っ暗だが、月明かりが結構強い。
海がすぐそこにあるので、暗闇の中で波の音だけが響いていた。
やっと見つけた〜〜。
道の駅阿久根。
なかなかテントを張るスペースがなくて、さまよっていると
台湾人が何やら私を手招き。
「私、日本人、じゃない」
「テント張れる場所、あるよ」
案内された場所は、道の駅の裏のオープンデッキだった。
すぐ下が海になっていて、物が飛んだら全て波にさらわれるんだろうな
とか余計なことを考えていた。
さっさと就寝準備を済ませて、AーZで買った酒を二缶飲み干した。
長崎→茂木港
天草富岡港→阿久根