チャリで四国九州リベンジ2018 12日目 2018/4/10 いの町〜祖谷渓〜四国中央
高知県の山奥
土佐町
道の駅 633美の里。
今朝も氷点下を切っていた寒さだった。
寝袋から出られないまま気温が上昇するのを待って、気がつけば朝の8時。
開店の準備が始まっていたので、「しまったな...超迷惑なことしてるじゃん、俺」
と気まずさを覚えながらも恐る恐るテントから出ると、
「あら、おはよう。こんな寒いとこで寝て風邪引いてない?」
と気遣われる。いやいや、恐れ多いです。
地方の働くおばさん、おばあさんと喋るとなんだか
穏やかな気分になるのはなぜだろう。
「若いうちにしかできない」と良く言われるが、
まだ若いから、道の駅でテントを1人で張っていても挨拶とたわいもない話で朝を迎えられるが、
歳をとってからこんなことをしていたら明らかに不審者扱いだろう。
道の駅やサービスエリアは全国的にツバメの巣を守る傾向にある。
むしろトイレに行く前後の、一種の愛護コンテンツとさえ成り立っている。
きゃわたん
旧・上八川(かみやかわ)村
予想通り、ここから先はひたすらに里山の風景が続く。
あたりを見渡しても山山山。
斜面に段々と畑や民家が建てられ、道路は緩やかなカーブ続き。
信号など滅多に見かけない。
ただあたりに印となるものも、もちろんコンビニも(あれ、一昨日の四万十から一度も見ていない。仁淀川に唯一あったローソンもニアミスで見れず。)道の駅も何も出てこない。
なんだか落ち着かなくなって、地図を何度もみかえすが位置は全然変わらない。
いつまで経っても進まない...
少し登りではあるものの、こんなに進まないのはなぜだろう。
集中力が切れて、スマホを意味なくいじり始める。
地味に体の疲れもピークなんだよな...すでに1500kmくらい走ってるし。
実はこの一本道、景色では分からないが、
郷ノ峰峠という山を登っていた。
やはり強気な峠で、「郷ノ峰ヒルクライム」という
自転車レースイベントも毎年行われているほどキツイ。
んで、レビューには予想通り「飽きる」という
ワードがたくさん見られた。
トンネルを抜けて土佐町へ。
ここから一気に下り坂。
自販機を見つけた(自販機でさえなかなか見つからない)ので一休み。
工事現場監督のおじさんが、後から車で来てしばし雑談。
四国はドコモが一番繋がりやすいことを教えてくれた。
彼は東京への移住を考えているらしく、色々聞かれる。
「東京の人って、立ち食いうどんを食べるでしょ、讃岐うどんはなかなか食べれないでしょ?」
「東京って物価が高いでしょ?」
「いやいや都心から離れれば安いところたくさんありますよ」
やっぱり、東京に対しての敷居は高いらしい。
よく地方は物価が安いというが、コンビニやチェーン店で売られているようなものは基本変わらないし、むしろガソリン代は高知の方がリッター20円くらい高い。そんで最低賃金は時給200円ほどの差がある。
物価が安いのは土地代と人件費ぐらいなのかもしれない。
んで結局、都内で家賃が安いところはどこかと問われたので、町田、多摩、赤羽?と答えておいた。
なんだかんだで一時間話してしまい、彼はアクエリアスと缶コーヒーをその場で買ってくれた。
せっかくだから、”四国のいのち”の早明浦ダムと、混浴温泉のホテルかずら橋に行っておいでよ、と勧められた。
こここ混浴!?
代わり映えのない景色、独り言が段々増えてくる。
チャリなのに、助手席にいる架空の人間に話しかけている。w
土佐町
土佐町の市街へ。気温が上がって、穏やかな風がふく。
スーパーで豚めしを食べてると、「ここ、ええか?」とベンチにおじいさんが座ってくる。
ランニングシャツ姿で、タバコをくわえながら、なぜだか「キビ」を背負っている。
こんな感じで長いキビを背負っているのだ。
「あんた、これ持ってくか?そのままかじるとうまいぞ。」
と渡そうとしてくるが、チャリに載せるスペースがないし、とにかくそのまま食える自信がなく、丁重にお断りした。
ロードバイクを触らしてくれ!と興味を示していた。
この爺さんには失礼だが”変態ジジイ”という名前が合っているだろう。
「あそこの道の駅にはアンタみたいな自転車のりがテントを張りにくるんだが、時折若い女がいるんじゃよ〜
着替えとかしてる時もあるんじゃ...はっはっは。」
「あんた、夏に高知に来てみ〜。ヨサコイ祭りでソーラン踊る若い女がのう、汗で濡らして下着が助けて見えるんじゃよ〜」
自分は性欲のせの字もない人間だが、「やばいっすね〜!」「また行きたくなってきた!!」と無理やり反応していた。
話を聞けばもうすぐ80歳だというのに、元気なもんだ。アンタ、若いのに感じいいのう、好青年じゃ!!とか言いながら、キビを背負ってママチャリで去っていった。w
早明浦ダム
土佐町から県道265号の山道を登って行く。
どうやら早明浦ダムはこの近くだそうだ。
またもや、上り坂がしんどい、、、
見えて来たぞ、早明浦ダム。
早明浦ダムってどこかで名前を聞いたことがあると思えば、
2005年に一度貯水率が0パーセントと完全枯渇し有名になった場所。
この湖の中には大川村という昔の村が沈んでいるらしい。
なんだよ!この雑な案内は!!
しかも
アウトドアの生地って意味わからんくない?
基地?
生地のところだけ字がうまいだけに、きっとドヤ顔して書いていたんだろう。
土佐町を見下ろす。
これが、さっきおじさんが言っていた「四国のいのち」
四国で最大級のダムになるわけだが、皮肉なことに、
高知県にあるのに高知県には4%程度にしか水の分配を行っていない。
ダムの水の半分は徳島県に流れているそうだ。
高知4%...
四国のいのちを拝んだところで、再び土佐町へ下りる。
あああああ!ひさしぶりにコンビニをみたあああ!!
高知には相変わらずローソンしかないのである。
おかげで財布の中にはポンタカードが一番上にある。
本山町。
そう、前の記事でも少し引用をしたが、まだ東京で消耗してるの?でお馴染みプロブロガー....今はインフルエンサー、イケダハヤトが住んでいるのが、
この本山町である。
↑これをクリックするとイケダハヤト氏の懐にまたお金が入ります♡
イケハヤランドがある本山町。
東京を捨てて高知の限界集落に移住しました。と記述しているが、
この本山町自体は限界集落とは言い難い。
むしろコンビニもあれば、ホームセンターコメリもあるし
ひさしぶりに見る大きな街である。(だんだん視点が田舎住民になってくる)
ファミマなんて四国に来てから初めて見るかもしれない。
でもこんな整備された街に、限界集落にあると言われる
イケハヤランドはどこにあるのだろうか。
Google mapに「イケハヤランド」って打つと普通に出てくる。
ってあれ、、、、
めっちゃ山奥....?????
イケハヤランドはこののんびりとした
国道沿いにデデーンとあるのではなく、
今見えているあの山の上にあるのだろう...
市街地は3kmほどで終わる。
この吉野川もなかなかの鮮やかさで、ちゃんと川底まで見える。
そんでもって、おそらくこの橋がイケハヤランドへの入り口だ。
ちょっと不法侵入して高知県警にお世話になってやろう....
って、え????
ここから標高700m登らされるだと....???
ちょっと裏山を登る程度かと思いきや、そこそこの登山じゃないか。
泣く泣く本山を後にした...
ここから追い風になり、景色を楽しみながらチャリを飛ばす。
どこを見渡しても山...。
ここで国道439号(忘れがちだが、昨日からずっとヨサクを走っている)と国道32号が重複する。
国道32号は高松と高知を結ぶ主要道なため、突然交通量が増える。
ダンプカーとのせめぎ合いを制しながらこのクソ狭い道を35km/hでぶっ飛ばす。
吉野川とJR土讃(どさん)線と高知自動車道が並走する。限られた土地に交通と民家を密集させてる感じがする。
この交差点で国道439号ヨサクとはお別れ。
残念ながらお目にかかれず。
ここから国道32号単独区間だ。
気のせいか吉野川がだんだん緑になってきている。
いつから設置されているんだろうか。
昭和臭漂う自販機。
こんな歩道もない幹線国道で誰が買っていたのであろうか。
徳島県突入
今考えてみれば、四日間も高知県から抜け出せずにいたのである。
カーブ、ダンプ続くこの道で、県境の看板を撮るためにチャリンコを立てかけるのはなかなかの指南の技であった。
そして目的地”かずら橋”の文字が出てくる。
この国道32号線に入ってから再びお遍路さんの姿をちらほら見るようになった。
三好市に入ってまもなく、祖谷(いや)へ向かう交差点へ。
大歩危と書いてオオボケ。
大歩危峡。
この地形を見ればあの国道の道幅がかなり狭い理由も頷ける。
地名の由来は「大股で歩くと危険」が一般とされているが、もともと「ほけ」というのは古語で断崖を意味する。なので、要するに定かではない。
しかし歩くと危険みたいなどんな僻地だよと思いきや、
いい旅夢気分的なまったりとした風景で駅には意外にも旅行客で埋まっていた。
秘境 祖谷
しかし景色に見とれている時間はない。
この徳島県道46号線、大歩危から祖谷までものすごい上り坂が待っていた。
上り坂をゼイゼイ言いながら、カーブの先に見えるは
「パットライス」「パットライス」「パットライス」「パットライス」「パットライス」「パットライス」
パットライスとはなんぞや。
駄菓子屋にありがちな甘いコメのお菓子のことらしい。関東の人はあの人参の形した駄菓子を見たことがあるだろう。
パットライスはわかったけど、それよりもこの入りづらそうな入り口の雰囲気を、大量のパットライスがさらに助長しているように思える。
というか、見た感じ車のタイヤしかなくね?
それにしてもこの地獄のような上り坂、いつまで続くのだろうか。
果てしない。
それでは問題です!
この写真には何があるでしょうか???
.........
ヒントは右下。
またまた!サルでした。
キーキー甲高い声で、挑発されてました。
いつになったら着くんや。と、坂の斜面を撮ってみる。
山の中腹にある高齢者福祉施設のグラウンドでご年配の方が体操をしていたが、
この坂を自転車で登っている自分をみんな見ていた。
勾配が10%もある。
どおりできついわけである。
視線を先に向けてもまだまだ登りが続いていて、段々来たことを後悔し始める。
突然の平家屋敷。
平家の遺品が展示されている。
ここでやっとこさ自販機を見つけて、アクエリアスを二本買う。
そのうち一本をすぐに飲み干す。そのぐらい、上り坂は水分を消費する。
祖谷トンネル。大歩危から約600mほど標高をあげたことになる。
ちなみにこのトンネル、心霊現象も報告されているらしい....
おっしゃここから全部下り坂やん!!!
と思いきや急すぎるしカーブも急!!
モナコグランプリかよ!1人でつぶやきツッコミをいれながら、
ブレーキの擦れる音は激しいし、
センターラインすれすれになる。
あれが祖谷の街か...。
道の駅 にしいや
あ、ちなみに大歩危あたりからお腹が痛くて、どっかトイレあるだろと軽い気持ちで登っていたら1時間以上経過して、速攻個室に駆け込んだ。
ついでに売店で祖谷そばを注文する。
....普通のそばである。
強いて言えばそばが太くて、味薄め。
普通のそばである。
道の駅を過ぎて、峠を降りきると祖谷の温泉街が始まる。
最初に例の小便小僧に行こうとして、それでは後で戻ってくるのが大変になることに気づき、逆方向に引き返した。
最初はかずら橋の方に行こう。
あのピンクの建物が、新祖谷温泉 ホテルかずら橋。
...って何かって?いやいや、
朝缶コーヒーを奢ってくれたおじさんが、早明浦ダムと一緒に紹介してくれた
「ケーブルカーで行く混浴温泉」
である。
正直、鼻の下を伸ばしながら立ち寄ろうと思ったらなんと
16時で終了。
この時15時40分だった。
温泉にエロを持ち込んではダメだという神からのお達しだ。
ちなみにこのクソレトロなボンネットバスは
鉄道空白地帯であるこの祖谷と大歩危をつなぐ
かずら橋タクシー。
って、タクシーなのかい!
かずら橋までは下り坂が続く。
ということはお察しの通り、帰りは上り坂です。
でっかく「かずら橋到着」
ここ通らないと入れないとか思うやん?
チャリンコもバイクもここに停めないといけない思うやん?
え?ここで駐輪代金???
210円、自己申告しろ、正直なあなたが大好きですとか書いてあるやん?
路上駐車禁止(2輪を除く)
土日祝日に限る
かずら橋
しかもかずら橋まで、この駐車場を通るかどうかは関係なかった。
てか、むしろ駐車場からだと遠い。
そんなことは良しとして、ついたぞ〜〜〜かずら橋。
だがしかしこの橋を渡るのは有料である...。
しかも!
通行料550円...。
首都高なら三軒茶屋から銀座くらいまで行ける料金...。
かずら橋は平家が作った、シラクチカズラというマタタビ科の木から作っている...大体そんなことが書かれていた。
近づいてみるとかなりの怖さを感じる。
手すりの部分が木、というよりかはツタになっているため
なんだか頼りない。掴むところがない。
前方にも人はいるもののどれもカップルでキャーキャー言いながら渡っているが、
私は1人で、、、独り言をブツブツ言いながら渡っている、やばい奴だ。
隙間をのぞいてみるとかなり高い。そして
足がハマるうwww
流石に両足が一緒の穴から貫通することはなさそうだが、
うまくハマれば各々の穴にすっぽりハマって、
股間強打しそうだ。
どう歩くのが正解なのかもわからない。
このように脚をかけても、全く安定しないし掴むところはない。
こう普通に写真を撮っているが、スマホをそのまま川に落とす可能性はかなりある。
靴は自転車専用のビンディングシューズを履いているから余計に
足元がふらつく。
完。
この50mもしない橋を10分くらいかけて渡っていたんだと思う。
ちなみにこのかずら橋ここからもっと東へ、国道439号の方にもう1つ奥祖谷二重かずら橋というのがあり
そこには野猿とよばれるど鬼畜なロープウェイが存在する。
そしてもう1つ、奥祖谷の方にはただただ森の中を70分走るだけのモノレールも存在する。
この祖谷は”徳島の秘境”と称しているが
本当の秘境は奥祖谷の方なんだろう。
ただ70分も無の時間を自転車旅に使っている暇はなかったのだ。
琵琶の滝という名の喫煙所...。ではなく
まあまあの迫力である。
”こんなところ”に登ってきてしまうチャリダーも意外に少なくない。
というか、また外国人チャリダー。
そう言えば今回の自転車旅で会う旅チャリダーはみんな外国人だ。
春休み期間なのに日本人の学生チャリダーは誰1人見なかった。
さようなら、かずら橋。
ここからひたすら上り坂。
きたみちを戻る。
君の名は。みたいな飛行機雲してるな。
県道32号線。
この道をひたすら行けば、小便小僧を通り、そのまま国道32号に復帰できる。
そしてこの道沿いから見られるのがいわゆる祖谷渓であり、谷底までかなりの落差があることが分かる。
あちらこちらに滝が湧いていた。
祖谷川は山を削り取るように、S字にカーブを続けながら這っていく。
小便小僧
日は山の向こう側に落ちてしまい、気温もまた落ちてくる。
ついにきたぜ〜〜〜〜!!今日一番のお目当て。
なぜこんなところに小便小僧を作ろうとしたか、、
かつて子供や作業員、旅人達がこの200mの高さでおしっこをして度胸試しをしたという逸話から作られた。
しかし、この小便小僧、柵があって撮影が難しい。
こんな感じで身を乗り出して....え???お賽銭...???
ここはお賽銭を投げるところなの?
この角度ではどうか。
これが一番落差がわかりやすいかな。
特にこれ以上でも以下でもなく、小便小僧がこの高さに設置されているだけだ。
しかしこうしている間にも数台の車が停車しては、挨拶を交わす。
みんな自分と同じようにスマホを乗り出して撮影しているんだが、
もしこの谷底に落としたら....
下には道もないので諦めるしかないのだろう。
なんとも哀愁漂う景色だ。
本当に何もない。
何もないこの景色に見とれている。
さ。帰るよ。
狭い林道をゆっくり下っていく。
意外に交通量も多く、落石もそこそこあるのでスピードを出せない。
山を下りきったところでようやく民家の集落が現れる。
昼過ぎまでいた国道32号線に復帰。
地図上では全然進んでいなく、たった5kmほどの距離を5時間かけて
移動したことになる。
ナニコレ珍百景で「利用者1人しかいない駅」と紹介されたことがある。
どのくらい秘境なのかというと、道路が駅まで整備されておらず、獣道を30分歩いてたどり着くようなところである....
と知った途端にこんな真っ暗じゃ無理、と断念。
完全に日が暮れて、澄んだ空気に灯るわずかな街灯と山々が美しい。
しかしこの時トイレに行きたかったり腹が空いていたりで、体力も尽きかけていた。
これから愛媛方面に向かうわけだが20km以上コンビニもなく、
それどころかトイレも見つからないため、真っ暗な公衆便所に怯えながら
用を足し、
目的地とは逆方面に国道32号線を3km走らせて、やっと見つけた酒屋とコンビニで2時間以上時間を潰していた。
酒屋、パワーズ池田でお菓子を安値で買い込むと、店員の女性は
「どこからいらしたの?横浜?こんな田舎までわざわざ自転車で来て...」
と声をかけてくれた。
またその酒屋さんで現場工事をしていたおじさんは
「だいぶ疲れてるじゃないか?どこいくの?四国中央か。俺もそっち帰るんだけど、山超えたらまあまあ大きい街あるから安心しなさい。。」と肩を叩いてくれた。
前回の旅で四国の人は冷たいのでは、と感じてしまったのだが、今回は人の優しさに少し甘えさせてもらったな。
その後またコンビニのイートインでパスタを食い、暖房の暖かさに甘えながら、
ようやく重い腰を上げた。
来た道を少し戻って国道192号線へ。
あれだけ山を登って下りてを繰り返したのに、
また山を越えないといけないのだ。
徳島自動車道に並走するこの国道も相変わらず車の通りは少ない。
最初の方は街灯も明るくそこそこ民家もあるが、
やはりどこにもコンビニはない。
ちなみにこの国道はギリギリ香川県に触れず、徳島から愛媛に向かうため、今回の旅では残念ながら香川県はパスとなる。
このまま今治に行きしまなみ海道に向かうのだが、帰る方向は東京方面なため、本当は
徳島方面に行ってフェリーで大阪に出ればいいのだが、クソ遠回りをしている。
標高300mほど、ひたすら直線の上り坂を自分を騙しながらペダルを回す。
おっしゃ!!来たぞ!!境目トンネル。
もちろん、愛媛と徳島の県境のトンネルで、どこにもありそうな名前だが、恐らくここしかない。
再び愛媛
何回愛媛県に足を突っ込むんだよ。
あとは下るだけだ。
この情報量が多めな黄色い反射看板と減速を促すラインマーカーがフェチズムをくすぐる。
下りきってようやくコンビニ発見。
不思議なことに、山を下りて、愛媛県に入った瞬間に生暖かい風が吹いていた。
あの山々に囲まれた風景たちもどこかへ消え、あたりはコンクリートジャングルになっていた。
海もここから近いわけだが、海沿いにはたくさんの工場から煙が出ているのが見受けられる。
国道11号線へ。
街は寝静まっている。
住宅街の天然記念物
下柏の大柏(しもかしわのたいはく)
しもかしわとはここの地名になる。
休憩をしていたファミリーマートの後ろにさらっと天然記念物が建っている。
国道から路地に入ってすぐのところにあるんだが、さらっと、住宅街にポツンと建っていて正直あまり貴重さを感じない。
確かに太い。樹齢1200年以上になる大木で天然記念物に指定されたのは大正13年。
当時は田畑しかなかったこの地域も、今では国道が通り、コンビニがたち、住宅街になってしまった。
夜でも工場は起きていた。
国道11号線を西に走らせて、ようやく本日のお風呂 湯あそびひろば 三島乃湯に到着。
この辺の銭湯はどこも22時までのところが多く、ここが唯一25時まで過ごせるところだった。
少し古風なスーパー銭湯だ。
休憩室で仮眠して閉店時間に出た。
が...困ったことに今日の寝床が見つからない。
まず目の前に空いていたカラオケまねきねこ
は深夜3時閉店、隣の居酒屋も深夜3時閉店。
なんでそんなに室内にこだわるかと言えば、この四国中央にはこの日突風が吹き荒れていた。
呼吸をするのもしんどいくらいで、テントなど張ったら簡単に飛ばされてしまう。
一瞬すぐ近くの公園の東屋で、とも考えたが交番も近く、、、
この辺にあったネットカフェも最近全て潰れたそうだ。(←あると思っていたのに銭湯から出て気づいた。)
結局寝床は見つからず、時刻は深夜3時。
まともに風を凌げる場所はJR予讃(よさん)線の伊予三島駅だった。
駅の構内は深夜でも空いていて、仕方なくそこのベンチで朝まで寝ることにした。
やはりここは紙の町だったか。
中でも大王製紙はこの四国中央に”四国本社”を置いている。(東京本社と四国本社、あとは各地域に支店。)
落ち着かないけれど、仕方ない。
風がビュービュー吹き荒れる音を聞きながら、このベンチで寝ることに。
トイレは空いているし、一応治安は悪くないし、風を凌ぐなら仕方ない。
ついに明日は四国脱出できる!!!
チャリで四国九州リベンジ2018 11日目 2018/4/9 梼原〜四国カルスト〜いの町
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ついに四国カルストに向かう日。
連日カルストは季節外れにも雪が降っていて、
この日にようやく凍結がおさまった。
四国カルストにはどうやら絶景だけでなく、わざわざ登ってでも食べたい
絶品のチーズケーキが存在するらしい。
四国カルストに行く目的の60パーセントがそいつを食べることだ。
「チーズケーキの概念を超えている」とも話題にされるその絶品のためなら、
標高1400mであろうが大したことではない。
雲の上の温泉 の駐車場。
アラームを4時にセットしていたけど結局起きたの8時でした...
目は覚めたけどあまりの寒さに寝袋から出れなかった。
やっぱこの勾配きついよな〜とか呟きながらなんとなく写真を撮っていた。
このトトロの看板がクソ不気味や。
近くの売店で美味しそうなおこわを。
レンジがなくてめちゃくちゃ冷たい...以外は問題なく
美味しかった。
こちらは高知名物、真夜中のミレービスケット。
真夜中に食べる”精力菓子”を早朝の一人旅で食べる気分はどうだい?
おうこれから四国カルストまで息をあげて、腰を降りながら立ち漕ぎして登ってやるからな。
※お許しください
昨日登ってきた道を下り、梼原の町役場で右に入る。
売店のおばさんが道の駅マップを持ってきてくれた。
梼原町にただ1つのスーパー丸味で補給食を買い込む。(ちなみにコンビニも山崎ショップ1店のみしかない)
驚くことにここにもTSUTAYA回収BOX。
毎日回収しにきているのか、はたまたスーパーの人が確認してるのか?
おそらく今日はコンビニがない「気がする」ので今日の夕飯まで一応買っておいた(白米とレトルトカレー)。
もちろん冷えたレトルトカレーなんて食べたくないのだが
力尽きて死ぬわけにはいかない。
果たして夕食はどうなる。コンビニで温かい弁当が果たして食べられるのだろうか。
国道440号線。
bの街も2km走れば、途端に文明が消えてくる。
おまけにドンドン上り坂が始まる。そして今日も寒い。
国道がドンドン地面から離れ、高架道路になっていくのがわかる。
人口密度...
だんだん山の頂上と距離が近づいてくるのが分かる。
少ししんどさはあるけれど、このペースなら割とすぐに
登り終わる...そんな風に思っていた。
意外にひょいひょいと登れてしまうもんである。
梼原の町からやく一時間足らずで上り坂が終わった。
地芳(じよし)トンネル
トンネルは長く、2990mある。
ここでひとまず登りは終了...???
このトンネルで一度県境越え。
トンネルを越えると
今まで姿を現さなかった四国カルストの文字が。
愛媛県道36号。
残念ながらトンネルを抜けても四国カルストのような
景色は広がっていなかった。
いや、むしろ
これからなのかも...
普通に動物がウヨウヨしているところなんだろう...
いつの間にか道幅も寂しくなり
林道になってしまう。
ちなみにこの看板での西予市野村は2018年西日本豪雨で、全国のニュースになるほど甚大な被害を受けた地区だ。
いきなり急勾配。
荷物フル積載のチャリンコは5km/hで登るのが精一杯。
とにかく誰もいない。これが果たして四国カルストに向かう道なんだろうか。
これで行き止まりとかだったら横浜までここからタクシーで帰ってやる。
この県道、それはそれはひどい有様。
あちこちで落石どころか崩落している。
こんなでかい岩まで。
こんな刑事ドラマに出てくるような黄色いテープって...
この下に人の何かがあったりするのかな...ないな
言うまでもなくずっとiPhoneは圏外だったのだが
ここは「ケイタイ使用可」。
だがしかしauの自分、圏外から動くことはなかった...俺ここで事故っても助けてもらえないんかな
GPSは動いている。
坂がきつすぎて5分に一回くらいナビを見てしまう。
ついに!路肩に雪が現れた。
踏んでみるとガッチガッチのシャーベット。
これ夜になると路面も凍結するなぁ...
ドンドン雪は増えていく。
車の通りは20分に一台通るかどうか、高齢夫婦がほとんど。
言うまでもなく「やべえとこ走ってんな〜」っていう視線を向けられている。。
いつになったらこの山の端にたどり着けるのだろうか...
ちなみに地芳トンネルから1時間45分も経過していた...
ついに来たぜ...四国カルスト...
ってひとりでドヤ顔していたら勢いよくタヌキが飛び出して来た。
また写真撮れなかったよ〜もう。
朝までいた麓の世界とは全くの別世界だ。
さっきまで見ていたあの山々はどこへ行ってしまったのか(いや、そこを登って来たのは確かなんだが)
不思議なことにこの大野が原からは麓の景色を全くみることはできないのだ。
どうなっているんだ...
確かに高原らしい景色ではあるが、
この下に別の世界が存在することが信じられない。
異次元空間から飛び出してきた気分だった。
人も普通に暮らしている。まるでさっきまでの林道の景色がなかったかのように。
大野ヶ原ミルク園。
ここでチーズケーキにありつけるはず...!!!
そう全てはこのチーズケーキのために!!
.................
.................
.................
.................
!?!?!?
んなわけ!んなわけ!
えええ.....
しばらくここで途方に暮れていた...
twitterを何度も確認するも、特に書いていなかったので...
直接「もしかして、今日休業ですか???」とリプライを送ってみる。(もしかしてもクソもないんだが)
そして返信。
「インフルエンザでした😂」
oh.....DAIJINI....
足がすくむという経験を久しぶりにした。
※ちなみにこの近くにもう1つ、ペンションもみの木という所があって、そちらでもチーズケーキを食べることを、なぜだかこの時忘れていた。
というか、あとで調べたらツイッターのRTで回ってきたのは、むしろもみの木のチーズケーキだったことが判明。さらに悔やまれる。
ちなみにミルク園がフワフワ系、もみの木がトローリ系のチーズケーキだそう。
ってことでまたこの四国カルストに来るんですね...もう自転車で来るかなあ...車かもなあさすがに...
チーズケーキの代わりにバッグの中のスニッカーズを開けて、
めっちゃ美味しいとか言いながら噛み締めていた...
もうこの際だから、四国カルストでダラダラしよう。
大野ヶ原を抜けて、県道383号を進むと、ようやく下界が見えてくるように。
四国カルストは高知県と愛媛県の県境にちょうど沿っていて、あちこちで県境の看板が立てられている。
この点線を挟んで上が愛媛、下が高知。
左のピンが大野ケ原、右のピンが姫鶴平(めづるだいら)、天狗高原。
県境と黄色い道が交差している所に地芳トンネル/地芳峠。
つまり左から右に走っている。
またもや上り坂が始まる。
雪が残っていて、かなり寒い。
頂上からたくさんの山を見下ろしている状態。
標高1400mの景色だ!
しばし下っていく。
これこれ!カルスト台地特有の岩たち。
下りながら、景色をシャッターに収めるのがかなり大変。
右がすぐ崖になっていてガードレールもないため
転んだらマッハで下山ができる。地味に車が通るから超怖い。
...言葉が出ない。
少しでもこの景色を写真にするために必死だった。
※後ろを向いて撮っています
大野ヶ原と姫鶴平の中間地点、地芳峠。
つまりこの下に朝通った地芳トンネル
が通っている。
おそらく斜め右の道がオフィシャルな四国カルストへの道だったのだろう...
アップダウンを繰り返し、
来たぜ!姫鶴平!
雪はだいぶ溶けつつも日陰はまで積もったまま。
周りにあるのはホテルだけで、枯れたままの草原と
勢いよく回る2機の風車。
風もかなり強く、冷たくて痛い。
コテージ姫鶴荘。
寒いから暖かい蕎麦でも!
って思い営業中と書かれた扉を開k....
え?開かない。
鍵かかってるんですけどぉwwwwとことんツイテナイwww
ならばとりあえず水分を、ん?
全部光るは売切中
どういうクオリティなんや...チーズケーキどころかコーヒーも飲むことを許されないのか...
お腹を鳴らしながらもカルスト台地を楽しむ。
ここに本来なら牛が放牧されているようだが、まだシーズンが早かったようだ。
しかしまだ草が生えきっていないのでカルストの地形が見やすい。
岩が乱立しているのをみると、少しゾワッとしてしまう。
集合体恐怖症なのかなあ
絶景なんだけど、自転車で流すのが間違いなく一番楽しいです。
自分の足で20km/hくらいで走ると、景色の流れ的にRPGゲームの主人公になった気分になります。
なんとなく言いたいこと分かってくれ、
この風車だけ佇んでるショット好き。
やっぱゾワゾワするww
自転車をこんなところまで運んでしまったっていう写真。
時折高山植物が芽を息吹いている。
観光客は若い人が多くて、前にいるトヨタアクアは多分自分と同じ大学生だと思う。
「わ」ナンバーのレンタカーばっか。
画面越しにみるとどうしてもイラストのようになってしまう。
一度ナマで目に焼き付けてほしい。
さっきまでいた風車がだんだん遠くなっていく。
地形の特性上、災害には弱い。
下界とをつなぐ道が1つでも分断されると、物資などが行き届かなくなり陸の孤島状態になる可能性もありうる。
四国カルストの最東端、天狗高原へ。
天狗荘の展望台から。
4人で旅行を楽しんでいたホンダ・フィットのおじさんに撮ってもらった。
こんなところまで自転車できちゃうの!?って驚かれてたけど、
自転車界では珍しいことでもない。
っていうくらい自転車乗りは頭がおかしい。
この天狗荘は館内を県境が貫通している。
長野と群馬の県境、渋峠ホテルと似た感じである。
さようなら、四国カルスト。
チーズケーキ以外は堪能したのであとにする。
もうちょっと暖かなれば牛を放牧するそうなので、また来よう。
10%の下り坂!飛ばしたいけどガッツリ落石が多くて一歩間違えれば一発でふもとに飛ばされる。
国道439号方面に下る。
さすがは標高1400m、いくら下っても道が続く。
今まで山が下にあったのが段々と囲まれてくる。
冷たい風を浴びながら、ようやく下の世界、津野町に降りてきた。
写真の通り国道439号...そう、例の”ヨサク”というやつである。
日本屈指の酷道と言われるこの国道、
果たしてどんな牙を向けてくるのだろう...。
異様なくらいに回り続けるかざぐるま。
意外にも、国道439号は快走路から始まる。こんなに車も少ないのにもはや豪華すぎるくらいに。
標高1400mから降りてきた直後、皮肉なことにしばらく上り坂が続く。
そしておまけに向かい風...。気がつけば夕方の4時になっているし、
地図上では今日一日半径10km圏内をぐるぐる回っていただけに等しいし、
今日これからどうしたらいいのか分からない。
写真にポツンと映るは、チャリダーである。
驚くことに白人パツキン外国人たちが
クロスバイクに乗って男女15台ほど、次々と反対車線を通過していくのである。
陽気にハ〜〜イ!とか言いながら。
海外では四国サイクリングがブームなんだろうか。
気を取り直して、ヨサクを東に進める。
なんだよ、この立派な犬小屋は...
めっちゃ吠えられた。
hahahahaha!!
残念ながら走り出して20分でこの有様である。
さっきの綺麗な二車線はどこに消えたんだ。
単なる林道...なおお察しの通り、再び電波が繋がらなくなる。
北海道の頃もそうだったけれど、牧場の近くをチャリで走ると必ず牛に睨まれる。
ご覧の通り、夜中には鹿や猪にどつかれそうな所である。
先ほどから続いていた地味な登りは、実は矢筈峠という山までの上り坂だった。
このトンネルを抜ければ仁淀川町。
_人人人人人人人人_
> 情報量の暴力 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
この不入山(いらずやま)の8合目あたりに四万十川の源流が存在する。
ただし、30分登山道を歩かなければならないらしく、断念...。
九州では散ってしまった桜もこちらでは意外にまだ花が残っていた。
ああ...何もない...
時折禿げているところも。
一面のクソみどりの中にポツンと現れる集落。
古びた屋根でさえカラフルに見えてしまう。
仁淀川町になると突然車線が広がり、思いっきし下り坂を駆け抜けられる。
だんだんと街が見えてきた...!!
というのも見事に裏切られ、また狭くなる。
意外に子供が多い街で、小学生くらいの坊主の男の子たちに
「あ!!ロードレーサーだ!!」
と飛び上がりながら手を振られる。w
少し恥ずかしかったが、この街のヒーローになった気分だった。
この情緒あふれる街並み。
小さな車がゆっくりよ走り、
そこらで子供とおばあちゃんが遊んでいる。
そんな昭和感あふれる街。
あたりを見回してもコンビニは見つからず、ようやく田舎の小さなスーパーを発見。
家族で経営しているようなお店で、カップ麺とスニッカーズミニを箱ごと購入。
「食べてく?」と聞かれればお湯を入れるところまで、
店員さんが作ってくれた。優しいな〜〜。
このお店の隣にはトイレ兼休憩所。
カップ麺はここで食べれるよ!と店員さんに言われて来てみればなんだここは。
もうここで野宿してしまいたい、雨も風もしのげるし、座布団もある。
「高知と松山の中間地点」の仁淀川町は
酒場放浪記でおなじみ、吉田類さんの出身地だ。
あ、そうだった!四万十川ってウナギもいるのか!
仁淀の街も小さく、また周りにも何もなくなる。
この川が仁淀川。
仁淀ブルーと言われる澄んだ青色したこの川は、
実は四万十川を凌ぎ、水質が全国1位だそうだが、
日が暮れて何も分からない。
国道33号・439号重複区間
この先街が何もなさそうだ...!!
今回自分は四国にいじめられにきているので、
わざわざ高知市内の方面に行かずに、
四国山地の山あいにわざわざ潜り込もうとしているのである。
だから、期待できる街はどこにもない。
天界集落とか言ったっけな。
仁淀には急斜面に無理やり作ったかのような
集落が点在している。
こんなところに住んだら家から出る気も起きなさそうだが、
この地形を利用して茶の生産が盛んに行われている。
国道33号を海に行けば、高知に出るし、山に向かえばもう一度四国カルスト近くの久万高原を通り、松山に出る。
だがしかし自分はまたまた33号と分かれて国道439号方面へ。
日も完全に暮れて、暗闇を照らしてくれるのは自転車についている5つのライトか、
時折通る車のヘッドライトだけ。
動物っぽい何かがガサガサと動く姿がかなりわかる。
それにしても今日は全くコンビニを見ない。地図を見返せば、先ほどの仁淀川町を国道33号高知方面に分かれてすぐのところにローソンがあったみたいだが、
ニアミスでポンタカードの出番はなくなってしまった。
ここでやってくる最後の峠。
今日は四国カルストから始まり、3つの峠を登らされている。
こうなるのをきっと自分は望んでいました。
ありがとうございました。
ライト映る道路の白線と、ガードレールに設置された反射板が流れるだけの情報量。
新大峠トンネル。
3kmも長さがあるんだってよ。
トンネルの中も半分登りで、路肩のスペースもそんなにないから、結局歩道に避難。
トンネルの真ん中を境に、仁淀川町からいの町へ。
大峠を下ってからもここから街が何もないため、
道の駅 633美の里(これでムササビと読むらしい)
で本日終了。
道の駅には屋根とベンチがたくさんあるんだけど、こんなに閑散とした
ところに1人自分のところに駆け寄ってくる。
「ひょっとして...テント張ろうとしてます?」
どうやら道の駅の管理人らしい。
終わった...ここでテント張れないぞ...
「ダメですか...??」
しばらくすると、仕方ないなぁ、という顔をして
「ならば、この区画だけにテントを張るようにしてください。ここから先セキュリティアラームかけちゃうんで。」
助かった〜〜〜〜〜。
この山奥でさらに寝床探しをする体力はもうなかった。
んで、結局今日の夕飯。
そう、朝に梼原のスーパーでかった白米とインスタントカレー。
気温はもう2度とかになっているし、カッチカッチに固まった
カレーライスを炭酸水で流し込んだ。
チャリで四国九州リベンジ2018 10日目 2018/4/8 四万十~鬼北〜梼原
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物産館サンリバー四万十で、ぐうたら起床。
今日も相変わらず寒くて、さらには最近全然寝れていないから普通に
明るくなってから起きた。
でも開店する前には、野宿していることがバレたくないので、こそこそと
片付ける。
チャリ旅中はふと朝ごはんに、コンビニの明太バタースパゲッティを
食べたくなる時があって、
イートインでカロリーを爆発的に摂取していた。
ちなみに、今日は4/8。休みは4/14の夕方がタイムリミットだ。
意外に日程に余裕がない。
・青春18きっぷが使えるのは4/10まで
これ、かなりの痛手で
元々4/10には四国を脱出し広島の尾道からゆったり青春18きっぷで
帰ろうかな、って思っていた。
が、
・祖谷渓
これを回るのに約500kmほどの距離があって、
ずっと山奥を攻めていく感じで、、、
絶対に4/10に尾道は間に合いません♡
いや、でもとりあえずは四国カルストには今日中に入って、
なんならそこでテントを張ってしまおう、そんな感じだ。
県道340号を上る。
今回はしばらく四万十川に沿って山の方へ登っていく。
今日の目的地は四国カルストなのだが、
まずは高知県の梼原(ゆすはら)町という内陸まで入る。
梼原に向かうまでは
・国道441号(青いルート)
・国道439号(黄色い、ピンのところまで最短でいけるルート)
とあるのだが、
国道439号は通称【ヨサク】と呼ばれる四国でも有名な”酷道”。
イケダハヤト氏が記事にしているので、ぜひ読んでみてほしい👇
日本屈指の「酷道」439号線(西側)を走破してみる……やめときゃよかった。 : まだ東京で消耗してるの?
なので結局国道441号線へ。
国道に出るまではしばらくこの県道へ。
ここに来たのには理由があるんです。
ほら!!
佐田の沈下橋。
小学校の頃、地理の教科書で出てくるでしょう。
高知にはたくさんの沈下橋と呼ばれる川にかかる橋があって
その名の通り、川の増水時に沈んでしまいます。
こんな写真を撮ってみるのだが、
写真の通り欄干が無いため
少しでも風が吹くと見事にチャリンコが四万十川にドロップイン
する。
(実際に何回かあわててチャリンコを押さえに行った)
意外に橋も長い。
この欄干が無いのがこの沈下橋の最大の特徴で、
増水時に橋が流れてしまうのを防げるらしい。
動画にもしてみました。
幅は車一台、ギリ二台が通れるくらいかな〜。
こんなところ、落ちてしまいそうで車で通りたくないが、
この辺に住んでいる人はそもそもこの沈下橋を通らないと生活ができない。
ちなみに四万十の自動車学校ではこの沈下橋は必須のコースになっていて
車二台をすれすれで離合させるという鬼畜な試練がくだされるらしい。
意外に川からの高さはある。
しかし逆を言えば
川が増水すると、この高さでも沈んでしまう時があるってことだ。
最後の清流と言われるだけあって、水はかなり綺麗。
小魚がたくさん群れをなしていた。
ちなみに、写真では自分一人だけがポツンと佇んでいるみたいな感じになっているが、
四万十川沿いでトレイルランイベントみたいなのが行われていて、そこそこ人で賑わっていた。
この辺の人はみんな、自分に挨拶をしてくる。いい感じ。
ねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこねこ
近くに【川】という喫茶店があって、ネコたちに占拠されていた...!!
猫カフェかよ。
ねえねえ
えぇ...
警戒心ゼロ。
気づけば足にスリスリしている。
おう、よしよしよし
えぇ...増えた...
おまえもか...??
おう...そうか
てな感じで、警戒心を失ってしまったネコ様たちが
大量発生していた...
なんか、どうでもよくなってくるな、いろいろ。
気がついたら下のジャージが毛だらけでモジャモジャになっていた...
持っていたガムテープでペリペリと処理をする...嗚呼、猫の代償。
ちなみにこの猫様たちは人間よりも立場が上になっていて、
駐車場に車が止めに来ても猫はただ車を呆然とみるだけ。
わざわざ運転手がねこを抱えて退かしていた。w
気がつけば一時間近く時間を潰していた...
まだまだ県道340号を登る。
突然現れる採石場。
三里の沈下橋。
「この周辺地域は屋外広告物禁止区域です」なのに
左端に見えるものisなに
川登地区。わずかながら小さな町になっている。
が、電波が通じないwww
高瀬沈下橋。
何が言いたいかって、
民家の集落まで行くのには、わざわざ橋を渡って行かねばならないのだ。
少し上流に上って来て、気のせいか青々してきた気がする。
こちらは国道441号線。道なりにひたすら上っていきます。
沈下橋だらけやん...
うん??こんなところに荷物満載のチャリダー??
とりあえず挨拶をして抜かす。
念のため言っておくが、ここも国道だ。
決して住宅街の路地ではない。
見通しの悪い1車線。
カーブ越しにすれ違うこともある。
この辺の車の運転は穏やかで、自転車でも譲ってくれる。
恐ろしいことに、一時間以上人工物が見えてこない。
こんなところも中々珍しいよね。
ただお遍路さん用にちょいちょい、トイレと東屋は現れたりする。
マジで山と川しかない。
中半(なかば)休憩所。
四万十市と江川崎の中間にあるから、ナカバらしい。
あんまわからん。
とそこに、またもや自転車を発見!
あれ、この国旗なんだっけ..と思えば陽気なおばさん登場。
ほえあーあーゆーふろーむ?
と聞けばマレーシア人だそう。
さっき自分が抜かした自転車は旦那さんで、先に走るは奥さん。
自転車で八十八ケ所お遍路をしているそうだ。
拙い英語で会話した結果、坂がきついっていうのは分かった。
1日150~200km走っていると話すと、リアリー?って驚いてた。
相変わらず、携帯の電波は入らない。というか基地局がないんじゃね?
※ちなみに気温は10℃とクソ寒いですが、真夏には41℃を記録する地域です。
向こうにかかるは岩間沈下橋。
撮影のロケ地になるほど有名な沈下橋だが...
崩落しています。通れません。リアルに沈下。
何もねえけど無駄に舗装はきれい。
トンネルを越えればようやく西土佐の街があらわれる。
近くには予土線という電車も現れて、ようやく文明が復活....いや、しすぎだろ。
道の駅 よって!西土佐 で休憩しようと決めていたのだが、なんかめっちゃ混んでるぞ。
駐車場の誘導の警備員がいるって...
と、左に現れたのはめちゃくちゃ綺麗な道の駅...いや見た目は美術館だ。
新築の木材の匂いが残っている。
今日はたまたま道の駅が開業して2周年で、盛大にイベントをやっていた。(てことは準備やらで昨日の夜とか野宿できなかったやん)
↑当日の様子が公式サイトに記事化されている。
というか公式サイトも、チラシも、"最先端の田舎"のイメージが強い。
四万十牛カレー¥650
意外にも、牛肉がたくさんゴロゴロ転がっていた。
素材に全て地元のものを使っており、まさに地産地消のメニューが揃うレストラン。
ご飯を食べていたらさっきのマレーシア人も到着。
自転車も多くて、バイクラックにはたくさん高級なロードバイクが止まっていた。
館内で自転車乗りに話しかける。
兄さん「私たちは中村の方に戻りますよ。あなたはどちらまで向かうんですか?」
俺「僕は四国カルストまで上っちゃおうかな、と!」
兄さん「え。今日大雪ですよ?」
俺「え?」
兄さん「すごい積もってますよ?」
...は?
4月だし、寒いとはいえめっちゃ晴れてるやん。
☝︎四国カルストの様子。スキー場かな?
ああまた予定変更...どうせ今日はどんなに急いでもたどり着けないんだ...とほほ。
道の駅の屋台で図々しく試食をしまくって、ようやく出発。
国道381号へ。一度愛媛方面へ。
愛媛県松野町。
面白いのがこの県境から突然自転車レーンが現れる。
こんなに山奥なのに。
さすが自転車誘致国、伊予国。
バイクラックと、雑魚寝ができる小屋。
さっきまで山と四万十川という感じではあったが、
この辺は小規模の街、民家、電車と
文明がそこそこ栄えていた。
道の駅 虹の森公園まつの。
売店はもちろん、広い公園、ガラス工房、淡水魚水族館。
そしてなぜだかペンギンも。いる。
「あざみ野」
ガラス工房。日曜日なのでそこまで稼働はしていなかった。
淡水魚水族館。
果たして白いナマコは淡水魚なのか。
このエリアは道の駅が頻繁に現れて
下手したら5km走れば
次の道の駅にぶつかる。
鬼北町。道の駅 森の三角ぼうし。
本当にすぐ近くに
次の道の駅が出てくる。
実はこの鬼のモニュメントを見たくて鬼北町に寄ったのである。
彼の名は鬼王丸。
肩にキジが乘っているの面白いでしょ?
でも、このキジは”この地域の特産品”という立ち位置らしい。
食べるんかい。
実はこの鬼北町、訪れるのは2回目で
この1年前に
真っ暗な山奥で力尽きていた場所がこの鬼北町だ。
後で調べたら町内の2つの道の駅にでかいモニュメントがあったというのを知り、当時悔しい想いをしたのだ。
まあ、これをただ見るだけなんだけど。
リアルで不気味なカカシも並ぶ。
国道320号へ。ここから少しずつ標高をあげていく。
日曜日ともあって何台ものロードバイクとすれ違う。
キジ肉直売所!!!
道の駅 日吉夢産地。
彼女の名は柚鬼媛(ゆきひめ)。
先ほど現れた鬼王丸とシリーズモノになっているそう。
柚という漢字が入っているのも、鬼北町の特産品だからだ。
下心ありきな角度。
エロいな。
遠巻きにもこんなに巨大なのが分かる。
この先どれだけ進んでも四国カルストには登れないのでこの辺で
ゆったり休憩することにした。
道の駅のお弁当って、コンビニとどこか違う、手作りで体に優しい味がするんだよな。
ベンチでお昼寝をして、自転車を出すときにロードバイクのお兄さん発見。
大洲市からやってきたお兄さんも、四国カルストまで登りに行こうとしたんだけど、
雪だと聞いてここで引き返すんだって。
これ、持っていてください!と言われて、反射用のタスキを渡された。
ありがてぇ〜。
一年ぶりに訪れた鬼北町日吉地区。
日吉の駐在所のおまわりさんに助けられ、
この近くのホテル、宝泉坊ロッジまで行きなさい!
って紹介されたのも懐かしい。
にしてもやけにカカシのクオリティ高すぎだろ。
立派なクリエイターがこの鬼北町にいるに違いない...
一年前、夜真っ暗で、獣の鳴き声しか聞こえなかったのも
明るければ、穏やかな景色が広がっていた。
まさに一年前に走った道を逆方向から走っている。
ちらほら現れる民家ではおじさんが庭仕事をしていて、
ニコッとこちらを見ては会釈を返してくれる。
にしても坂がきつすぎ!
一年前、なんであんなに死にかけていたんだろう、と思っていたが
これは確かに体力持たないwww
ただでさえ休むところもコンビニもないし、当時は明らかにライトの明るさが不足していたし、
テント持っていなかったし。
この長い長い〜のぼり坂を〜〜
テントをサドルの後ろに載せて〜〜
一度愛媛県を脱出します。
ちなみに昔は日吉”村”だったそうで。
村の方がしっくりくる。
ああああああ
山の中でこんなの見たらトラウマになるわwwwwやめいwww
ひたすら急勾配の坂を登っていく。日がくれて風がかなり冷たくなってきた。
またリアルなカカシ...
このトンネルを抜けた先の交差点を、左に曲がれば地芳(じよし)峠、
つまりは四国カルストへの入り口になる。
つまりこれ以上進んでも雪に凍えて四国の山奥で
魂だけ抜けてしまいそうなので、、、
暗くなる前に今日を終える。
梼原(ゆすはら)の街を散策する。
いうまでもなく山奥の小さな街だが、歩いてみると結構面白い。
こんな古民家がたくさん並ぶようなところだが、
なんだ!?急にこんなモダンな建物が!!
実はこれ町役場なんです。
かなり意外でしょ?
有名建築家 隈研吾 氏が手がけ、2006年に建てられた。
ホームページもかなりスタイリッシュ。
町内のほとんどが山林(というか街がこの役場周辺くらいしかない)で
もともとは林業の町だったんだけど、
最近では風力、太陽光、水力などの発電方法を街全体で取り入れ、環境モデル都市に指定されている。
ゆすはら千百年物語り資料館。
残念ながら役場も資料館もしまっていた...
梼原町のキャッチコピーは”雲の上のまち”(標高1400mの四国カルスト)
そして
”坂本龍馬 脱藩の地”
だ。
「脱藩」を誇らしげに謳っているのもどこかシュールなものは残るが
それに付け加え、龍馬脱藩マラソンなんてのも毎年やっているらしい...
ちなみに脱藩とは藩を脱して浪人することだが、
この町に東進も駿台も河合もなかった。
さざれ石。
ちゃんと苔も生えてる。
あのモダンな役場とは対照に、町には小江戸感溢れる建物の方が多い。
しかし日曜日の18時に、空いていたのは総合庁舎のみで
地元の住民がたくさん集っていた。
総合庁舎ではレンタサイクルもやっていた。
さらっと散策を終えて温泉へ向かう。
この先にもずっと上り坂が続いていて、だんだん気が滅入ってくる。
果てしねえ、、、
本日のゴール 雲の上の温泉。
一年前、真っ暗な山奥で、唯一明かりが灯っていた場所だった。
温泉もあれば、ホテルもありどうやら町が運営しているらしい。
近くには坂本龍馬脱藩の道。
ここにも隈研吾!
ホテルやレストランの方は隈研吾氏が手がけたそうだ。
はい終了!
自分しかいない温泉の食堂。
店員のお姉さんに四国カルストへの行き方を聞きつつ
明日からの予定を立てる。
ちなみに温泉は500円と良心的な価格。
四国カルストは氷点下だってよ...
22時ギリギリでお風呂を出て、隈研吾氏が手がけたと言われる野ざらしのテントで就寝。
駐車場の隅っこで今日もホームレス。
1度って...
夜は街灯ひとつないんだけど、星は空いっぱいに広がっていた。
iPhoneでもこれだけ映る。
チャリで四国九州リベンジ2018 9日目 2018/4/7 佐伯〜宿毛〜足摺岬〜四万十市
フェリーの中で結局寝られたのは2時間くらいだったかな〜。
酔ってしまいそうな揺れに耐えながら
質の低ーい眠りについていた。
そろそろまともに寝たい。
四 国 上 陸
昨晩、大分の佐伯港は立派な建物が建っていたのに対し、こちらはこれといった建物はどこにもなかった。
ニューあしずり。
降り立つと昨日の風は強いまま、
これまでとは一転、急に冬がやってきた。なぜだ。
寒い。
「俺、二時間しか寝てねぇ。」
って、睡眠不足を自慢する人もいない。
さびちい。
とにかくお風呂に入りたい。
近くにそれらしき銭湯の看板はあるけれど、この朝の時間だけは入れなかったり。
港に降り立ってみたはいいけれど、
いまいち地図も地形も分からなくて内陸に向かおうとしてもまた、海が見えてくる。
脱出できねえぞ。
とにかく風が強い。向かい風で、ペダルを漕ぐのをやめると見事に後退するレベルで。
船を降りてすぐに、九州より四国の方が難易度が高いのかもな...と感じた。
とりあえずローソンでチャーハンとおにぎりの朝食。
宿毛駅。
土曜日の朝、お出かけをする家族や高齢者が朝でも多かった。
土佐くろしお鉄道株式会社 TOSA KUROSHIO TETSUDO (railway) Co.,Ltd.
四国でのサイクリング推進事業はここ数年確実に進んでいて、
宿毛駅ではレンタサイクル(ちゃんとロードバイクを貸してくれる!)、さらには輪行袋も貸してくれる。
これは!と思い、受付の人に
「これから足摺岬に向かって、四国カルストに行ってしまなみ海道に行きたいんだけど、どの国道を使えばいいか」
と聞くも、距離が壮大すぎたのか、ぽかーんとしていた。
宿毛の人は四万十市くらいまでしかあまり行かない、という事実もあるみたい。
足摺(あしずり)サニーロード。
ここは正式には国道321号で、321(サニイ)のゴロから
この愛称になったそうだ。
ちなみにこの写真は2018年4月に撮ったものだが、今年の7月の西日本豪雨でこの宿毛市は甚大な被害を受けたエリアでもある。
寒い眠い腹減ったの三拍子で、宿毛駅で道草を食ってしまい
朝の9時くらいにようやく出発。
妙に風もカラッと乾いていて唇の皮がポロポロと向けて痛い。
にしてもものすごい向かい風なのじゃ!!!
15km/hでしか進まねえよ!!
今日はまともに走れる気がしねえ。
道の駅すくも。
宿毛市街からわずか5kmで休憩するというスーパーやる気のなさである。
年季の入った子ども用の遊具がなぜか道の駅にたくさんある。
道の駅というよりかは地域の公園、
遊び場としての役割も果たしているのだろうか。
ただし、風が強すぎて三輪車がひとりでに暴走していた。
余談だけど、自分がボトルに入れている飲み水は全て水道水だ。
いわゆる便所水。
だから道の駅を見つけるたびに、トイレで水を汲んでいるんだけど
大腸菌みたいなやつが蛇口から入っているのでは?という感じがしてならない。
駐車禁止の標識をよくみて欲しい。
四国ではもはや定番化している、この標識。
ほとんどの駐禁マークに(2輪を除く)
と書いてあるのだ。
オートバイを停めたい時は駐輪場に停めずに
そのまま路駐してOKだ。
大月町。
このエリアは7月の西日本豪雨でかなり甚大の被害、死者も出た地区だ。
ご覧の通り、海か山しかない地形なので、災害には強くないだろう。
こういうニュースが全国で流れても
大月町と書いてあっても
他の地方の人からすれば、”高知”としてしか見られない訳で、
それがどの辺なのか分からずに報じているテレビ番組も多くあるなと思う。
日本人はもうちょっと色々な地方のことを深く勉強するべきなんかな、と2018年災害がたくさん起こった中で感じる。
東京の人がいくら地方創生を叫んだとしても、知識が浅いから何と無くで止まってしまうんだろうなあ。
道の駅 ふれあいパーク・大月。
多分一時間もしないうちに休憩を挟んでいる気がする。
売店にはたくさんの地元の野菜が並び、お客さんで賑わっていた。
なんとなーく自分のチャリンコを写真で撮っていたら、
別のチャリダーが話しかけてきた。
40歳にして、最近ロードバイクを買い、テントを積んで二週間で四国を一周して...
お金がないから食費を節約しながら、って。
この人は普段何をしているのか....どうしてもそう思ってしまう。
近海で取れる魚もたくさん。
この道の駅を過ぎたあたりから辺りに人工物がなくなる。
アップダウンを続けながらどんどんと里山の中へ入っていく。
辺りは水田ばかり。
しばらく走り続けると、ついに荒々しい海が現れる。
今まで透き通るようなクリアブルーだったのが、
ここの海が乳白色をしたエメラルドグリーンだ。
海沿いに出ると、風向きが追い風になって、30km/h台を維持しながら爽快なサイクリングになる。
思うように速度が出なかったり、逆に調子がいいようにスピードを出せるときとあるんだけど、
全然体調とか関係なくて風向きの影響であることが多い。
ここから土佐清水市に。
踏ん張れば速度を維持できるレベルのアップダウン。
超気持ちいい〜〜〜〜
ただひとつ気になるのは、四国に入ってから異常に電波の入りが悪い。
こんなにも開けたところにいるのに、iPhoneは圏外を示したまま。
こんなところに、というのは失礼だが、ここが四国最大の水族館。
道の駅 めじかの里 土佐清水
土曜日の空気感はほとんどなくて、地元のおじちゃんおばちゃんが
ここで団欒していた。
寒いけど。
連日睡眠不足が続いている自分は、道の駅に座っては机に突っ伏したり、
靴を脱いで少しでも眠ってみたり....ねれない。
先週よりも10度ほど低い。
多分この日がたまたま寒いだけ...
ユニクロのウルトラダウンが脱げずにいた。
海と山を行ったり来たりしながら、
軽トラしか通らない一本道をひたすら走るこの体験、
去年やった能登半島ほぼ一周に似ている。
この青紫の巨大ミミズ。
四国では意外にたくさん見る。
シーボルトミミズといって、
西日本にしか生息していないらしい。
寿命も3年生きるそうだ。
再び、海へ。
坂を下りながら、上から海が迫ってくる景色は
自転車で見る絶景第7位くらいに入る。
車通りがほとんどないから、かなり快適。
ジョン万次郎資料館。
江戸末期〜明治にかけて活躍した
日米の架け橋となったジョン万次郎は
ここ土佐清水に生まれる。
土佐清水市街。
ここでようやく生活感溢れる街に。
足摺黒潮市場。
ここも一種の道の駅的なところで、
カツオやサバなど、高知の魚がレストランで食べれる。
カツオのたたき丼
レストランは11時〜14時までと短時間の営業。
ちょうど正午を回ったくらいだったが
すでにサバ料理は品切れ状態だった。
う〜ん!
スーパーで売っているようなカツオのタタキよりも
全然大きくて、臭みが少ないのがポイント。
国道321号サニーロードから抜けて、県道27号へ。
さっきの黒潮市場からすぐのところに、先ほどの
ジョン万次郎(中浜万次郎)の生家なんかもある。
人工物も何もない、急勾配な道を必死に登っていく。
土佐清水市街から約一時間ほど、
だーれもいないトンネルを何個かくぐりつつ、
秘境チックな森の中を進む。
万次郎足湯。
足摺岬まであと少し、激坂を登る途中に
現れるのがこの足湯。
なんと無料だ。
足湯の目の前にはでっかいパノラマの海が
広がっていた。
お遍路さんや外国人観光客が浸かっていた。
もう少し登っていき、鳥居が見えてくればゴール。
ほほう、ここにもイノシシがいるのか...野生のイノシシは
鹿児島の佐多岬で見たのが初めてだったが
意外にどこでもいるんだな。
四国最南端 足摺岬。
一年前、テントなしで四国を回ったときは圧倒的な準備不足で
殺されかけ、足摺岬にたどり着けなかった。
この銅像もジョン万次郎。
なんと、足摺岬にタンデム旅行者発見!
このおしゃれな自転車、ヨーロピアンな外国人の
5人家族。
なんと家族で自転車旅行中。憧れるなあ。
テントも積んであるし、ゆったりいろんなところで野宿しているんだろう。
子供達がめちゃくちゃ笑顔で、自分に手を降ってくる。かわいい。
かーなり不気味。
日当たりが悪く、薄暗い遊歩道を一人で歩くのは、
昼間でも少し緊張する。
”足摺七不思議”という名の九つの不思議が
紹介されていた。
7つ不思議なことが起こる、というのは間違いで多くの不思議が起こることを七不思議というそうだ。
特にこの”地獄の穴”は有名なもので、
穴に小銭を落とすと深いところまで落ちていくと言われている。
が!
どこを見渡しても穴はなく、どうやらここ数年で
穴が埋まってしまったらしい。
本当にここ数年の話だそうだ。
七不思議は主に石にまつわるものが多く、、、
誰がやっているのかこの巨大な石に小さい石が積まれていたり
もはやなんの不思議なのかも分からなかったり
え、ベンチが埋もれてるやんとか。
確かにどこも不気味で、
これが夜だったら見えてはいけないものが出てきそうではある。
この足摺岬、日本でも有数の自殺スポットだそうで、
身投げ自殺をする人も多いそう。
成仏できずに、この辺をさまよっている霊の目撃情報も...
足摺岬から見る太平洋は
海の向こうに何も島はないから、
水平線が緩やかな曲線を描き
地球が丸いことを教えてくれる。
↑これが、さっきまでいた灯台。
遊歩道を全て歩くと小一時間かかる。
天狗の鼻。
足摺岬から遊歩道でつながっているが、あまり知られておらず、
隠れた名所となっている。
岩肌にクッキリと断層が!!
ここはやばい!
いくつもの崖が入り組んで、渓谷のようになっている。
四国最南端の碑。
これは今の天皇陛下が皇太子時代にこの地で詠まれた
歌碑が建てられている。
高知名物アイスクリン。
簡単に言えばシャーベット状のバニラアイス。
足摺岬の遊歩道に謎の掘っ建て小屋?みたいなのがあって、
そこで雑貨土産みたいなのが買えるようになっていた。
アイスクリンを注文すると
ヨボヨボの少し大丈夫か?ってかんじの
おじいさんが終始無言で、コーンにアイスを乗せるまでに5分ほど
かかりながら、手を震わせながらなんとか渡してきた。
なんだろう、こんなに申し訳ない気持ちでアイスを食べるのは初めてだ。
ちなみにこの11度という寒空でアイスクリンを食べるのはただ高知感を
味わいたかっただけで、凍えながら食ってた。
アイスクリン、高知以外で意外に出回ってないし。
ジョン万次郎ってジョン万って略すのか...。
ちなみにこの案内所のベンチにはでっかく
「野宿禁止!」と貼られていた。
お遍路文化があるこの場所で、野宿を禁止する理由は、
マナー的なものなのか、それとも心霊的な....?
足摺岬を来た道とは反対の方から去る。
途中、例のタンデム外国人とまた挨拶を交わした。
結局土佐清水市街に戻ってきてしまう。
そういえば高知県に来てから、コンビニがローソンしかないことに気づく。
高知県のコンビニはローソンが独占状態にあるらしい。
地方でもよく見るあのセブンイレブンは
2015年まで高知県には進出していなかったというから驚きだ。
しかもこの高知県のローソン、店内にTSUTAYAの返却ボックスがある。
これがまたすごくて、高知県のTSUTAYA14店舗でレンタルしたものなら全て
このローソンの返却BOXに入れてOKなのだ。
高知県といえば東西に約250kmにも伸びる県なのだが、
これがどうやって返却されるシステムなのか...。不思議だ。
再び国道321号サニーロードに戻る。
景色はめちゃくちゃいい。
けれど、向かい風が強いのと寒いのと、
携帯の電波が繋がらない...
み、密入国!?
この条件なら間違いなく自分も
怪しい人の格好をしている...。
ただ皮肉なことに110番をしたくても、ここ電波通じないですよ。
土曜日の夕方なのに、恐ろしいほど車が通らない。
さすがは四国クオリティ。
向かい風がめちゃくちゃ冷たく、いきなり冬が戻って来たよう。
コンビニの少なさも明らかで、12kmに1店舗、出てくるかのペースになって来た。
”コンビニがいつまでもあると思うな”
これが四国を回る際の教訓である。
身の危険を感じた自分はローソンをみるや、ペヤングの超大盛りを補給し、スニッカーズミニを箱買いした。
あ、そういえばゆうちょにお金が入っていたかも!とおもい
郵便局に向かってみるも
14:00閉店。
なんでや...
海沿いを走っているはずなのに、気がつけば山の中にいる、ってのも四国。
見たかんじこれといった峠もないし、楽勝だろと思ってしまうだろう...
それで死にそうになったのが一年前の旅である。
四万十市。
長いトンネルを抜けて、景色が開けるといつの間にか右側には四万十川。
最後の清流と言われた高知を代表するこの川も、下流で夕暮れ時には何も分からない。
明日じっくり見てみるとしよう。
これから向かう先は今見えている山の向こう側だ。
暗くなってから攻められるような場所ではなさそう。
四国で文明が栄えているところを
暗くなる前に見つけたら、
大人しくそこで夜を過ごしたほうが賢明だ。
四万十川ぞいを走る。
快走路に見えるかもしれないが、向かい風が強すぎて、
時速10km。
まともに進めない。
四万十市中村。
ここら辺で一番栄えているのがこの中村という地区。
この国道56号線のロードサイドにたくさん店があるような感じ。
そう、スーパー銭湯だってある。
たまーに現れる”石鹸持ち込み”型の温泉だったが
もちろん畳の休憩室だってあるし、23時まで空いている。
熊本を出てから一回も風呂に入っていなかったので
溜まりに溜まった髪の毛のアブラを一気に落とせた時の達成感がハンパない。
そんでもって畳に寝転がりいざ就寝...と思いきや、浴槽でおばあさんが倒れたらしく、
館内騒然。
救急車が担架で運ぶレベルで、あまりの騒然とした空気に寝るどころではなかった...。
それでも、なんだかんだ閉館時間まで仮眠をとって、夕飯と寝床探し。
国道56号沿いにあるこのサンリバー四万十はでっかい物産館みたいになっていて、道の駅みたいに
広大な敷地と駐車場を有する。
隣にはホテルサンリバー四万十が併設されているのだが、
ぼくには敷地内全てホテルに見える(?)ようだ。
軒下の暗がりにたくさんベンチがあったので、そこで寝た。
↑物産館なのに、謎のものも多く売られていて、巨大な水車も売っていた。
ここ最近まともに寝れていないし、今日もフェリーでの2時間しか寝れていないため
あっという間に眠りについた。
チャリで四国九州リベンジ2018 8日目 2018/4/6 熊本〜阿蘇〜佐伯
朝の熊本は雨。この旅で初めて悪天候に見舞われていた。
鹿児島の阿久根以降洗濯をしていないので
流石に衣服が酸っぱい。
自分でも分かる。おえええ
雨だし、洗濯したいし、
いやそもそも福岡の例の人と
今度は熊本で会うし、
もういっそダラダラしてしまえ、そんな感じ。
ひとまず、コインランドリーで洗濯アンド乾燥待ち。
今履いているパンツも洗いたい問題、旅人あるあるだと思います。そういうときは、
安心しないでください。履いてまs...
ダラダラ。
熊本も来るのは2回目なんだけど、どうもこのちょうど良く活気がある感じは大好きだ。
熊本のアーケード、上通(かみとおり)。
一瞬鹿児島の景色に見えなくもない。
熊本の強みはくまモンがいることだ。
どんなに頑張っても他のゆるキャラにはない、もはや謎の貫禄さえ今ではある。
「よく回る玉」
「よく回す不審者」
二人で、せっかく熊本に来たのだから、それっぽいのを食べようなんて話をしていたのだが、
最近の地方都市の悪いところ、アーケード街にはチェーン店がひしめき合っているのだ。
「ビッグエコー」「サンマルクカフェ」「吉野家」「パチンコ」など、まさに小江戸...小新宿状態でどうも観光しにくい。
別に観光客よりも熊本の人が遊ぶ場所の方が大事なんだろうけど。
最近は同じような景色が特にアーケードにありがちだ。
んで、熊本といえば馬刺しじゃね...???
結局安くウマを食べたいって話になって寄ったのが
ここ。海老バルの方じゃなくて、馬タン牛タンの方ね。
「ばたんぎゅうたん」って読むんだけど、個人的には「ウマたんウシたん」の方が可愛くて好き。
うるせえ勝手に言ってろってな。
なんてったってこの馬丼、ご飯も大盛りで980円で食べられる。
これはマージでおすすめ。
ランチ限定だとは思うんだけど、高級な馬刺しを食べるお金はないし...手軽に食べられる馬丼、普通に美味しい。
ドリンクもついて980円♡
熊本交通センターは今再開発真っ最中で、どこもかしこも工事!工事!って感じでガチャガチャ言っていた。
じゃあ、もう行くわ!
ちょっとそっけない感じで別れて、
いざチャリ走スタート。
まだ雨はパラパラ...
熊本城の石垣はまだ地震の影響で崩れている部分もあった。
熊本県民テレビ。なんだこの名前は.....
決して小さいテレビ局でもなく、一応日テレ系列だ。
県道337号線。左に走るはJR豊肥本線、国道58号線にも沿っている。
熊本から九州を横断するようなルート。
そして、明け方のフェリーに間に合わせるという条件付き。
緩やかな上り坂が続く。
いやーな標識が見える。
熊本地震の影響まだ終わらず、国道57号は地震の影響で通行止め。
これで嫌というほど阿蘇山を堪能できる。
阿蘇ミルクロードを経由してわざわざ標高791mに登らせられる。。。
いきなりのキツめのヒルクライム。
何がきついって、熊本から大分に向かうにはこの道しかないので、
交通量がとにかく多い。
それでこの上り坂。
南阿蘇村。
おじいちゃんが倒れてる...
この辺、気になる看板が多くて...
ばあちゃん飛び出し注意とか...
ルンバみたいな?芝刈りロボット
つかまえたら けたくっけんな
サーキットに行け
など標高が上がるほどに煽り文句が強くなる方式。
雨は上がったものの、寒くてこの前までの南国熱帯気候はどこに、といった寒さだ。
しまいには段々と景色が真っ白になっていく....ひええ
阿蘇市。
気温は7度にまで下がる。
私は阿蘇山を見に来たんだが、それらしきものは辺りに何も見えない。
このザマである。
何が何だか分からず、ただ寒いだけ。
えええええ。
風も強い。
大観峰まで登ろうか思っていたが、登っていっても何も見えないのはお察し。
車もみんなフォグランプを焚いていた。
ああああああああ阿蘇山
上の方なんも見えねええええ
こうやって色々な角度から撮ってみるも、、キリが流れているだけの写真にしか写らない。
少し期待して晴れるのを待ってみるも、全く見込みなし。
諦めて、下界へ下る。
この辺には「ラピュタの道」と言われる映画の世界そのままの峠道も存在するのだが、こちらも地震の影響で復旧の目処が立っていないらしい。
ここから国道57号に復帰し、ひたすら大分方面へ向かう。
時刻はすでに夕方6時、日が暮れだしている。
さっきのミルクロードとは一転、国道沿いはリゾート開発されていた。
道の駅 阿蘇。
最近の道の駅にはどこにでもロードバイクのサドルラックが常設されている。
意外に、人家やコンビニも多い。
滝室坂。
大分との県境手前でもう一つ、
3km/200m upの峠道を越えなければならない。
これが意外と体に応えて、
街灯などはあるものの疲労しきった脚に
追い討ちをかけられる。
オレンジ色の街灯が多数つけられているだけメンタルが
保たれている。。。
と、その安心感を裏切るかのように頂上についた途端に街灯なくなる。
あと、寒い。
そこでたまたま見つけた道の駅 波野でしばらく暖をとる。
自転車に積んでいたお菓子を食べ、ライトの電池を交換し、仮眠をとる。
どうもこの休憩所、24時間空いているらしく、
もうこのまま朝まで寝てしまいたかった。
けれど、朝の3時のフェリーに乗らないといけないし、なかなか甘えられない。
しんどいいいい。
しぶしぶ自転車に乗り込む....
ここから大分県突入!
竹田市。
だがしかし、この先何も街がないんだよな...
6度。おとといまで22度だったのにな。
街灯が全くねえんじゃこのやろ!!
おまけに突然、車通りがなくなる。
まだ夜の8時とかなんだけど、
田舎の8時ってめっちゃ遅い時間に感じるのよね。
いや、むしろ8時も夜の3時も変わらんくらいなんだがな。
道の駅すごう。
道の駅を見つけるたびに休憩を挟む弱小チャリダーになりつつある。
ここのローソン、イートインはちゃんと電源付き。
3つもデバイスを充電させてくれる、ローソンをみんな見習ってくれ。
竹田市街。
かなり小さな街であるため、コンビニくらいしか夜はやっていない。
道の駅あさじでまた休憩。
早く寝たいの一心である。
この日は金曜日の夜で、遠征に向かうサッカー部のバスが止まっていた。
ここは最近になっていくつもの市町村が合併してできた市だが、
昔の町の看板が今だに残されていた。
大野”町”の部分だけ消せていればいいだろうっていう荒技だ。
ここまで来ると、この街で動いているのは自分くらいしかいなかった。
やけに目と鼻がムズムズする。
この辺、スギがたくさん生えているもんだから、どう頑張っても花粉症になる。
時期的にも。
しまいには雨上がりの花粉が一番飛散するっていうから、鼻水を垂らしながら山を下っていた。
県道57号線。山内・田口って言われてもどこだか分からない。
豊後大野犬飼地区。
ここから国道10号線へ。
昨日と今日と国道3号と国道10号を行ったり来たりしている、謎のルートだ。
九州の西へ行ったり東へ行ったり。
時刻は夜の0時半。
大分の山間部を突き抜ける国道10号は、
大型のトレーラーが轟音を立てて、どんどん自分を抜いて行った。
臼杵(うすき)市。
またまた、小さな峠越え。中ノ谷峠。
お昼からスタートなのに、そこそこの距離と、まあまあの獲得標高。
たくさんの山があっても、自転車旅に慣れてしまえば、ライトさえしっかり明るければ、マイペースに登ればいい。(←2年前四国の山奥で死にかけていた人)
ここで今回の目的地、佐伯市。
中ノ谷峠を登り始めたあたりから、風がかなり強い。
追い風がかなり功を奏して、上り坂でもスイスイ登っていく。
頂上付近はかなり明るい。
国道217号線。
大分で気になるのは、合併の影響で消滅した前の市町村の標識が今だに
たくさん残っていたことだ。
海沿いの市街地に来ると、さらに風の勢いが増した。
深夜1時過ぎの佐伯市街。
当然どこも静かだ。
最近はどこに行っても出てくる、ホテルルートイン。
佐伯駅。ちなみにさえきじゃなくて、さ!い!き!
到着!
駅から2km海に向かったところに、佐伯港...四国に向かう宿毛フェリーに乗れる。
九州から四国というと、大分から八幡浜に向かうフェリーがメジャーであろうが、
足摺岬や四国カルストを目指したい自分にとっては高知県宿毛(すくも)市に到着するこのフェリーが適当な手段であった。(存在をこの旅中に知った)
朝の4:10発という中途半端な出発時間、四国までは三時間かかる。
そのためフェリー乗り場は深夜でも開いていた。
2等客室と自転車積み込み、学割合わせて3500円ほど!割高!
けれど乗っていれば四国に三時間でつけるし、それまで寝られるし。
乗り場は、昭和レトロな雰囲気が漂っていて、
古本を50円で売っていた。
確かに、3時間乗るには文庫本1冊持っていた方が
ちょうどいいだろう。
風が強すぎて自転車が倒れるので、中に入れておく。
乗る時間までの二時間、やまだひさしのラジアンリミテッドFを聴きながらウトウトと眠りに付いていた。
眠りに落ちるためにフェリーの自販機でビールを買ったんだがこれがまた割高な上に超ヌルい。
常温もいいところ。
目がさめるといつの間にか乗船時間になっていて、あたふたしながら船に乗る。
本当はこういう時、自転車からマッドや寝袋を持ちこんでおくべきだったんだろうけど、そんな余裕はなかった。
マットがないのを惜しみながら、ここで雑魚寝。
枕とブランケットが放置されているところがあったのでそこに座り込んだら、
「いや、そこ自分のなんですけど」
と怒られる。
ああ、ブランケットは有料の貸し出しだったんね。ごめんごめん。
さようなら九州。
またくることはあっても、もう自転車で走ることはあるのだろうか。
もう走るとしたら車だろう。
妙な切なさを噛み締めながら船室に戻り、ゆらゆらと揺れる床の上で酔いかけながら眠りについたのであった。
株式会社 宿毛フェリーhttp://www.sukumoferry.com
チャリで四国九州リベンジ2018 7日目 2018/4/5 志布志〜都城〜熊本
朝の5時。
ここは志布志駅の待合室。
5時50分には始発が出ること、駅員さんたちが準備をし始めることから深く眠ることはできず、起きては寝ての繰り返しだった。
そろそろ動き出そうと、寝袋とマットを片付け始めると、
目を疑うような光景が2つ。
・その1 全身がかゆい
びっくりするぐらい虫刺されで色々な箇所が腫れていた。どうも待合室に蚊が多かったらしく特に手の指一本一本が丁寧に腫れていた。かゆい、いやむしろ痛い。
・その2 噴火してた
何を言ってるのか、自分も分からない。
ツイッターのニュース速報のトップに速報が出ていた。
鹿児島県にある霧島新燃岳が見事に噴火したのだ。寝ている間に。
この志布志市からは少し距離はあるとはいえ、
残念ながら今日は霧島連山の真裏を走るというスーパークリティカルなタイミングだった。面白いね。
ファミマでパスタをすすり、ひとまず宮崎県都城市に進路をとる。
ちなみに、今日の目的地は熊本駅。ここから200キロほどある。
ちなみにここの始発、通学や通勤に使える電車がこの一本しかないので、多くの会社員や学生がホームに流れていた。
宮崎県道65号線を進む。
住宅街が民家がしばらく続き、中型犬を散歩させている高齢の方が多かったが、自分を見るなり挨拶を交わす。みなさん清々しい笑顔をされていた。
”きよきよしいですねぇ” -----by ケイスケ・ホンダ
が、しばらくすれば山奥に。
こちらの県道は恐ろしいほど車通りがない。
ついには電波も入らない。安楽川に沿って北上して行く。
あ、あ、ついに舗装も、悪い
電気だけは通ってるようだ、
まだこの時点で火山灰の影響はない。
ここで曽於(そお)市へ。
この花房峡 憩いの森にはキャンプ場以外にも遊具、ゴーカート、ローラースケート場なんかもあるんだとか。
山菜や薬草も採れる。
標高370mほどまで登る。
ここで宮崎県都城(みやこのじょう)市へ。
残念ながら宮崎県の看板はどこにもなかった。
針葉樹林がメインになってくる。
特に景色に面白みもなく、人気も唯一工事現場の作業員ぐらいしかおらず、
強いていうならば、携帯の電波が入らないくらいだ。
ここから国道222号を下る。
下り坂で気づいたが今日は手が冷える。
峠を下りて、都城の住宅街へ。
さっきの山奥とはガラリと変わって
生活感溢れる景色だ。
都城駅前に向かう。朝なのでまだまだ物静かだ。
都城市総合文化ホール。
都城駅。
あ〜ひと昔前の地方駅みたいな雰囲気か。
今日はこのまま熊本に抜けるため、この都城市が唯一の宮崎県で通過するエリアだ。
都城は山に囲まれた盆地になるため
南国なイメージの宮崎市とは異なる。
生活に必要なお店は一通り揃っていて、この通りサイクルベースあさひも存在する。
国道10号線へ抜ける。
九州の大動脈となるのはこの国道10号と国道3号線。
北九州から東に縦断するのが10号で、西に縦断するのが3号。
久しぶりに大きな幹線道路に出た。
トラック多め。
ヨーグルッペ。
東京でも時折見かける乳酸飲料だが、
都城にある南日本酪農協同が販売している。
霧島酒造本社。
「黒霧島」などで知られる焼酎酒造だが、
国道221号線で霧島連山方面へ。
視界の奥でモヤかかっているのら噴火の影響だろうか。
今日は残念ながら噴火したての霧島連山の裏に回らねばならない。
気のせいか少し空気が埃っぽい。
九州でよくあるのが、大量の丸太を積んだトラック。
原木市場が数々見られる。
原野が続く。
しばらく渋滞が続くな、と思いきや反対車線で事故。
乗用車が歩道の上に止まっているのが気になる。
いやあ...今まで車と事故ったことはないけれど、
巻き込まれたら一溜まりもないんだろうなあ。
高原町に。
みなさんおわかりですか?
だんだんと路面が白くなっていく、、、
景色もガスってきたな。
車が通るたびに土煙が上がる。
よく見れば、ライトにも白い粉がつき始める、、、ゲホゲホ、、、
晴れているはずなのに、街全体が暗い。
タイヤにも火山灰を巻き込むようになり
車にはビッシリと。この数時間だけでこんなに積もっていた。
大気の埃っぽさに、なぜだか牛乳が飲みたくなった。
周りの人はゲホゲホ咳をしているし、自分も目や鼻に火山灰が入って苦しい。
トイレの水道で洗い流す。ゲホゲホ。
駐車場にも火山灰が積もっていて、店員さんが水を流し続けていた。
時給750円!東京でコンビニ店員をすると990円なのに!
小林市。
火山灰の雨もピークを過ぎ、不思議なことに小林市に火山灰の影響はなさそうであった。
風向きの影響なんだろうか。
にしても、路肩が全てグレーチング(排水溝)で埋められているのが自転車にとって
好ましくない。
車にとっても路肩にいけないから邪魔になるし、
グレーチングによって転倒するケースはかなりある。
そしてまた、何もなくなる。
こんな狭い道路でも速度制限が50km/hというのが、
いかにここが車社会かを物語っている。
えびの市へ。
宮崎はここで最後の市となる。
何もなくなったり、街が現れたりの繰り返し。
ちなみにこの激安ビジホ、九州でチェーン展開をしているらしい。
AZはあの鹿児島の大型スーパーA-Zとは無関係だそう。
これから、熊本に向かって峠越え。
挑む前に、麓のローソンで腹ごしらえ。
ローソンの店員のおばちゃんがすっごい気さくで、イートインでレジと話しながらご飯を食べていた。
「なんだったらウチに泊めてあげるよ!」
「この辺コインランドリーとかで寝ている人もいるわよ!」
コンビニでも人の温もりを感じられる、素晴らしいところだった。
ペヤングの超大盛りを食べて、あの山をこえる。
ここから山越えスタート。
それほど苦ではない。13km/hほどでクルクルペダルを回す。
さっきまでいたえびの市街を臨む。
この国道221号、峠を越えるのに、ループ式の高架式道路を採用していて、
右にカーブをし続けながら、標高をあげていく。
この山、見下ろすと森林が伐採されているのが分かる。
あの丸太もここから切られているんだろうか。
ループ式を採用していることによって、
斜度を一定に保つことができ、自転車でも無理なく
登ることができる。
景色めちゃくちゃいい。
霧島の山々が薄く見えるのだが、
左側は噴火の影響なのか、全く見えない。
このえびのループ橋、ほかの峠と異なる形状をとったのは
この土地が火山の噴火爆発によってできたカルデラ地形だからだ。
ほかの山に比べて、地形の凹凸が激しいために、ループが有効な手段なのだ。
やけにハゲ山なのが気になる。
道路はループ形状を取るのに対し、
近くを走るJR薩肥線は、この山をスイッチバックで登るという、
観光列車となっている。
標高200mのえびの市街から、標高564mまで登る。
このトンネルを境目に、県が変わる。
ちなみに長さも1.8kmほど。
トンネルの中央に県境。
気がつけば、桜を見るのも珍しくなってしまった。
長崎で見たのを最後に、南国ではめっきり見なくなってしまっていた。
もちろんこの桜も標高が高いから見られるだけ。
こっちもループなのぉ〜〜〜
50km/hでくだるのぉ〜〜〜
人吉温泉街。
2年ぶり2回目の来訪。
いや、温泉に浸かって適当にダラダラしたいんだけど、
なにせこの後20時に熊本駅集合なのだ。
山に囲まれたこの地域も、一通り生活に必要なお店はある。
ただ、地方都市のファッションは全てユニクロに独占されているんだなあ。
熊本まで後100km。国道219号を進む。
球磨焼酎。白岳を作っているところだ。
よく東京のラジオで「一杯目は〜今日の日に〜二杯目は〜人生に〜三杯目は〜君だけに〜♪」って流れるアレやな。
ちょいちょい、ポツポツと雨が降る。
球磨村。
球磨川沿いにくだっていく。
くま村 湯の駅。
その名の通り温泉にも入れる。
2年前に九州を旅したときはこの人吉から熊本まで時間がなく、泣く泣く輪行をしてしまったのである。
優雅に車窓から同じ景色を眺めていた。
ここを自転車で走ったらどうなんだろうと、指を加えながら眺めていたので、今回は念願のリベンジといったところだった。
景色が何も変わらない。
ときおりシカなどの動物の気配はしたのだが、
サルぅ〜〜
ようやくシャッターに収められた...!!!
川沿いを下ると言っても、ずっと平坦なままで、ただペダルを回すのみ。ひま。
2時間近く休憩がなくて、腰が痛いンゴ
八代市に入り、ようやく道の駅 坂本を発見。
おしりがいてえよぉ〜
タイムサービス!運がいい!
ここでトラックの運転手に30分ほど捕まる。
「この前理科大の男たちがこの道の駅におったぞ〜」
「気になってみたけど、男しかおらんかったんや」
以下省略。
その運転手は下ネタが大好きなおっちゃんで、すぐにチ〇コの皮がどうのとかそんな話を振ってきて、最初はツッコミを僕がひたすらいれてたんだけど、それを30分くらいやってるから、だんだん自分の顔が引きつってくるのがわかった。笑
大学名を聞かれて、案の定「明治学院大学です」というと
「明大」に間違えられるクダリがありーの、
結局自分の娘が熊本大の理工学部で研究に没頭している優秀な人だって話を彼はしたかったみたいだ..。w
しばらくお風呂に入ってないから、自分が臭いのが分かる。
特にパンツの中ムズムズ。いやだあ。
ようやく球磨川下りも終わるみたいで、集落と、九州新幹線も見えてきた。
終わりだーーー。海に出た。
い草の生産地、八代から北上して熊本を目指す。八代亜紀。
途中まで国道3号を走っていたんだけど、自転車が走れるか怪しくて、離脱。国道3号と併走する県道14号へ。
熊本まで40km。
氷川町〜宇城市。
真っ暗で何も見えない。
路面がこの辺ガタガタで、ハンドルを取られる。
時折、逆走してくる高校生のチャリンコがストレスぅ。
宇土市に入れば国道3号に復帰。
路肩には砂利が多い。
時折、天草までの標識を見るようになった。
この南区が意外と長くて、
熊本の駅まで40分ほどかかる。
熊本!2年ぶりの再来!
熊本城。
当時熊本地震の城の復旧工事が終わる直前くらいで、
残念ながらまだシートに被さったまま、お城の姿を見ることはできなかった。
でた!熊本のくせに銀座!
ここで人と待ち合わせ。
風呂に入っていなかったのでこっそり着替えた。
ん〜。熊本、一通り揃っているんだけど、チェーン店ばかりなんだよな〜。
そんな話をしているとぴったりのお店が!
こういうのを求めていた!
ビールで給油をしつつ店内を眺めていると、WANIMA ファン寄書帳...!?
実はWANIMAのドラマー、FUJIくんが高校時代に月30回働いていたバイト先だったそうだ。
もうすでにファンの間では聖地と化しているらしい。
ちゃんと本人も書いている。
そしてこれがたこ坊名物ライス焼だ!
お好み焼きの中に肉とライスが入っているという
炭水化物タンパク質炭水化物。
八代の道の駅以来、何も食べていなかったから、
明日にもこの世が終わるかのように、夢中で食べていた。
チャリで四国九州リベンジ2018 6日目 2018/4/4 指宿〜最南端 佐多岬〜志布志
道の駅 山川港活お海道にテントを張っていた。
昨日は深夜3時くらいに寝たから、せいぜい4時間睡眠とかだろうか。
早く起きたら、JR最南端の西大山駅でも見に行こうかと思ったが既に遅し。
フェリーまでの時間までもう少し〜〜
全然疲れが取れなくて、
そろそろ9時間ぐらいお布団で寝たいよう。
カワイイまつ毛エクステをつけたスズキ・エブリィ。
彼は仕事を辞めて京都から日本一周をしていた。
話した感じ、本当にモヤモヤを抱えているんだろうなあ、
そんなお兄さんだった。
にしてもこのエブリィちゃんカワイイな?
お兄さんと喋っていたら発車10分前になっていた。。
チケットを急いで買って、
乗船員に「早く乗って〜〜!!」
と手を振られる。
申し訳ない〜。
指宿、何も観光できなかったな。。。
南蛮貿易の中継地として使われていたこの山川港。
ザビエルも一度この港に降り立ったとされている。
火山噴火でできたこの地形は、
海のギリギリまで山々が迫っており、たくさんの箇所に崖がある。
フェリーの中で久々にテレビを見た。
始発にも関わらず、意外にも乗船客はいて
ご年配の世代が多かった。
俺、若者。
奥に見えるのは開聞岳だろうか。
ガスっぽくなってしまっているが、
あまりにも整った形が、
三角定規にある直角二等辺三角形みたいだ。
朝の海は美しい。
鹿児島湾を指宿から反対側へ、根占(ねじめ)港までは一時間足らずで到着。
本日のミッション
本土最南端 佐多岬を目指せ!
鹿児島県南大隅町へ。
早速フェリー乗り場で佐多岬までの案内発見。
近くの公園では朝の恒例、ゲートボール大会が。
こういう芝生を見ると、テント泊できるな、、、とかそんな感覚にまで
陥ってしまう。
田舎の高齢者は、今を幸せに生きている感じが溢れていて
歳をとってからわざわざ都会で住む必要はあるのだろうか、そんなことを
考えさせられる。
ところでおじいさんになったらどの年代の異性に目が行くんだろうね。
女子大生ぐらいの若い子がいいのか、
同年代のおばあさんを見て、果たして可愛いって思うのか。
それは40歳くらいになった時に分かるのかな。
自分の趣向は熟女or若い娘、か。
最後に、!!
で締めてるの面白くない?
山しかねえyo.
コンビニとホームセンターがあるくらいである。
結局体が全然起きてくれなくて
ローソンで朝食を食べつつ
うとうとコンビニの駐車場で
寝かけてしまった。
完全にヤバい奴である。。。
道の駅 ねじめ
ノボリが頑張って盛り上げるも、車は一台もいなかった。
寂しい。
まずは鹿児島湾を横目に国道269号を南に進む。
農業用のトラクターが国道を走っているのが
当たり前の景色になっている。
東京でこんなものが走っていたら
おじいさん!どうした!そこは田んぼちゃうぞ!
ってなるはず、
ただ
ひたすらに
なにもない
時折、黄色いイタチがこういうところから顔を出してくる。
しかしなかなか写真に収まらない。
んでもって、南大隅はこの海沿い以外は険しい山々が連なっている。
内陸側や反対の海側には道がほとんど通されていない。
そして山以外の平地はほとんどが農地に使われている。
海の向こうには開聞岳がひょっこり。
人はどこにいるのか?と見渡してみると、この時間は
畑に集まって農作業をしている人が多かった。
海を見ながら農作業は気持ちいいだろうけど
作物への塩害はどうなのか...
佐多の街。
この根占町もほとんどが山林や農村で埋もれているから、
この小さな街に学校やスーパー、役所が集中している。
この都市構造は北海道の道南地区(せたな町、松前町など)によく似ている。
木々をよくみると、熱帯系の植物が多い。
さすがは本土最南端。
遠巻きにシャッターを切ったが、時折道端には黄色いイタチが倒れて死んでいる。
不思議なことに遺体は綺麗な状態なことが多かった。
内陸側を見渡せば、山しかない。
この南大隅エリア、本物の秘境かもしれない。
だんだんとアップダウンが本格的になる。
人気が全くない道を走ること一時間、
最後の民家、大泊地区を右折する。
本土最南端、大泊郵便局。
こんなにクソ秘境みたいなところなのに、佐多岬までの道路は立派にゲートまで構えている。
ここから佐多岬ロードパークが始まる。
wikipediaより↓
佐多岬ロードパーク(さたみさきロードパーク)は、鹿児島県南大隅町大泊から、九州本土最南端となる佐多岬までを結ぶ道路である。
かつては岩崎グループの鹿児島交通が運営する有料道路(一般自動車道)であったが、2007年(平成19年)と2012年(平成24年)の2回に渡る南大隅町への譲渡により、全区間が町道として無料通行できるようになっている。無料開放後は正式には町道佐多岬公園線となっているが、佐多岬ロードパークを愛称としている[1]。
途中まで鹿児島県道566号佐多岬公園線が並行しているが、佐多岬ロードパークへ合流しており、佐多岬まではこの道路を使わなければたどりつけない。
そう。かつては民間が運営する有料道路で、通行料は普通車で1000円だったそうだ。
さらには展望台に行くまでも別料金で有料だったそうだ。
いよいよ、南国の秘境ヒルクライムが始まる。
とにかく何にもない。一面のクソ緑だ。
この佐多岬ロードパーク、道路がここ数年から再舗装されているようで、極端に滑らかなところとガタガタのところで分かれていた。
ちなみにこの道路、無料化されるまでは自転車や徒歩では通行不可だったそうだ。
展望台まであと少し、かなりキツイ勾配をグングン登って行くと、
海が鮮やかなコバルトブルーに。
最南端付近ではついに舗装がなくなりダート道になる。
交通整理をする作業員もおらず、工事用信号のカウントダウンに合わせて進む。
↑こんな奴。
この工事信号、無視しても道交法には触れないため赤信号でも10秒切ったら進むなど暗黙のルールがある。
お!なんか見えてきた。
これがついに佐多岬か???
確かにモニュメントは立派だし
ツイッターでもよくみる写真なんだけど、、、
なんか地味じゃね?
こんな感じで、それなりに展示があるのだが何せ人がいない。
俺だけしかいない。
どこか違和感を感じ周りを見渡してみる。
↑海はどこから見ても綺麗!
周りを見渡すと「駐車場まで100m」の文字が。
駐車場に用はないけれど、、
とりあえず行ってみるかあ。。
ん!?
ここが佐多岬か?
駐車場には樹齢80年のガジュマルがお出迎え。
駐車場に用がないや、と言ってそのまま帰るところだった。
分かりにくいがとりあえずここで色々写真を撮りましょう。
ここにもフォトスポットらしきもの発見。
※一人でタイマー撮影しています。
駐車場には売店もあり、ソフトクリームで体を冷ます。
もちろん「本土最南端到達証明書」も、ここでもらえるのだが、この南大隅町だけ
「本土最南端到達証明書をあげる代わりに佐多岬到達証明書を300円で買ってね♡」という謎のビジネスを構築していた。
↑スーパー南国ビジネス。これを買うと本土四極端最南端到達証明書がついてくる。
これに300円。ノーコメント。
駐車場から遊歩道のトンネルを抜けたところに展望台があるという。
観光案内所から徒歩15分ほどということで(まあまあ遠いな)、
職員の方のご厚意でモバイルバッテリーなどの荷物を充電させてもらい(許可を取るの重要!!)自転車を押して展望台に向かうことにした。
なお、展望台までは自転車の乗り入れ禁止で、「押して歩くこと」を職員や作業員に確認を取りながら進んでいく。(毎回すれ違うたびに、自転車通れないよ!→写真撮影のために押して歩くだけなので、のやりとり)
ちなみにこの展望台は2018年の3月末にリニューアルしていて、ちょうどここを訪れた一週間前にできたという、運のいいタイミングであった。
縁結びの神、御崎(みさき)神社。
ちょうど展望台までの中間地点に現れる。
なおこの最南端の地の年齢層は高め。
途中、階段や未舗装路も出てくるために、チャリンコを押しながら進んでいくのはかなり困難であった。
道の途中途中には、しっかりとベンチや東屋もあるために、「さいあくここでねれるのでは」という放浪者独特のセンサーを研ぎ澄ませていた。
15分強と言ったところか、徒歩でさえキツい坂道を超えてようやく展望台にたどり着く。
化学薬品が染み付いた木材の、新築独特な匂いが漂っていた。
ここにもフォトスポット(3つめ)
※この写真もセルフタイマーで撮っています。
そのくらい、人がいない...いや自分しかいなかった。
崖の上の佐多岬、非常に険しい地形を一望できる。
向こう岸にうっすらと開聞岳が見える。
この秘境of秘境に、唯一佇む新築展望台の存在が違和感さえ覚えるのだ。
多分突然の暴風雨などが来ても凌げるよう頑丈な建物に改築したのだろうか。
ここで寝泊りをしたら旅人同士で楽しい宴会が開けそうだが、夕方には閉まってしまう。
展望台2階から。
絶対に向こう側人が生息していない地域だろ。
よく見れば、島の上に灯台が建っている。
が、アクセス方法は不明。
泳いで行ったとして?
崖の上までケインコスギがファイトォ〜1発!!ってやるのかな、とか?
んでもって、工事中立入禁止エリアにはさらに「佐多岬」のモニュメントが。
なんというか...定まってないのかなあ。
結局どこをメインにしたいのだろうか。
とりあえず、4つ作ってみました。的な。
にしても、瑠璃色の海と、手つかずの地形。
自然の中で生きる野生動物に比べたら人間なんてちっぽけな存在だろう。
人生に疲れたら一度この景色を見に焼きつけに訪れてほしい。
展望台を後にし、駆け足気味に駐車場に戻る。
ビンディングシューズ(自転車専用の、ペダルに固定する金具がついた靴)の底をガチャガチャさせながら早歩きすると、
前を歩くおじいさんに「静かに!」と怒られる。
なぜか?
お分りいただけただろうか。
上の写真の中央の木から黒っぽい物体が出ている。
ポールの上からひょっこり。
なんとイノシシの親子が。
野生のイノシシを見るのは初めてだし、鼻をブヒブヒさせながら徘徊する姿は獰猛さを感じた。
私の足音に興奮したら一溜まりもないのだろう、、、
そのおじいさんは、一人で日本一周をしていた。
埼玉県から愛車のホンダ・フィットに車中泊をしながら回っていた。
「若いうちに旅しといたほうがいいよ〜」
「結婚して子供できたら絶対にできないからね〜」
そんなことを言う彼は一人旅をしている。
深くは聞けなかった。
その後も駐車場に着けば別の鹿児島ライダーおじさん二人組に話しかけられる。
自転車で一人旅に出ているといろんな人に話しかけられるから、なんだか少し有名人になったような感覚にもなる。
急いで来た道を戻る。
例の工事信号、やはり青になる20秒前にみんなフライングスタートを決めていた。
激しいアップダウンを急ぎ気味に戻る。
がしかし、今度は後ろに積んでいた新品のタイヤを落としてしまった。
後ろから来る車に黒いタイヤのような物体が落ちてなかったか、聞いてみるも情報なし。
また10kmほどのアップダウンを往復するのはあまりにも酷なため、泣く泣く諦めることに、
安物のCBAのタイヤだったとはいえ、新品のタイヤを落とすのは痛い。
再び国道269号線へ。
ブレブレで分かりにくいかもしれないが、今度はサルが木の上から顔を出している。
イノシシやら猿やら、人よりも動物の方が多いんだろうな。
最北端の宗谷岬まで2700km。
日本縦断をしている人はこの看板を序盤に見ているのだろうか。
ちなみに2700kmという距離は北海道をちょうど一周したくらいの距離だ。
同じ道を
戻るだけ
お昼過ぎののどかな景色にウトウト...
眠い。
チャリンコに乗っていても眠い。
根占砲台跡。
鹿児島湾の防衛のために設置されたんだとか。
ようやく、建物が増えてきたな、そう思った頃にはまた朝にいた
根占港に戻っていた。
朝と同じローソンにて。
ねじめびわ茶なるものを飲んでみる。
びわ...でも使われているのは葉っぱなので
味は、薄い緑茶といったところか。
小一時間、コンビニの駐車場でウトウトしながらさらに北上。
ずっと同じ作物の畑が並ぶんだが、
意外にもここは”ばれいしょ”の産地らしい。
そして何にもなくなる。
この時間帯眠気がピークを迎えていて、どこか寝れそうな公園ないかな〜って思っているうちに海沿いに出てしまう。
どうしても眠気が取れなくて、この辺実は記憶が曖昧なのである。
ここで南大隅町は終了。
錦江(きんこう)町へ。
どちらも肝属(きもつき)郡に属する、漢字を見るだけで体がむずむずする。
名前の由来も8世紀以前から存在する名前だから不明なんだとか。
この大隅半島、とにかく坂がきつい。足が売り切れる。
眠気と戦いながら特に面白みもない景色を流す。
んでもって、いつの間にか住所は鹿屋(かのや)市に。
右側の広大な敷地は海上自衛隊航空基地。
何にもないど田舎を抜け、ようやく市街地に入る。
車通りも非常に多くて、少し安心感を覚える。
明るいし。
めっちゃ汚れてるがな
さりげなくおしゃれな校舎、第一鹿屋中学校。
九州ではかなり見る、ファミレスJoyful。
途中のマックスバリュで半額の弁当を食べる。
地方はほとんどイオングループが占めていて、
チャリ旅でイオンを見ると、安心して食料を買い込むようにしている。
このマックスバリュを過ぎたぐらいからまた何もなくなる。
街灯少ないし、なぜだか、う◯こ臭い。
畜産業が多いからか?
道の駅 くにの松浦おおさき。
温泉やキャンプ場まで併設している。
どデカイカブトムシのモニュメント。
こっちも。
ムシキング風。
冬にはこいつがイルミネーションするというシュールな仕様。
自動販売機にもカブトムシのデザイン。
この大崎町ではカブトムシの相撲大会が地域の伝統行事になっているんだとか。
あたりは真っ暗、何にも見えずひたすら平原が続くこの景色は北海道を思い出すな。
時折、自転車のハンドルがクモの巣まみれになる。
ここにもJoyful。
志布志市に入る。そう、今夜はこの志布志に目的があったわけで...
街灯が明るくなると例のごとく案内板が。
志布志市志布志町志布志の志布志市役所志布志支所です。
志布志市志布志町志布志の志布志市役所志布志支所です。
志布志市志布志町志布志の志布志市役所志布志支所です。
志布志市志布志町志布志の志布志市役所志布志支所です。
志布志市志布志町志布志の志布志市役所志布志支所です。
よくネットでもゲシュタルト崩壊ネタで話題になる看板なんだが、
いざ見てみるとそんなに大したインパクトもない...ってのが正直な感想である。
画像で見るよりも看板は小さい。
んでもって、この看板をただ見るだけのためにわざわざ志布志まできたという
なんとも言えない感じだ。
よく見れば看板の志布志町の”町”がなんとまあ雑に塗られているではないか。
合併の関係でもとは志布志町の町役場だった。
つまりここはあくまで
志布志市役所志布志支所
であって、志布志市役所本部ではない。
周りにはこれ以外に特にない。
この辺はネットカフェも、道の駅もなく野宿スポットがなさそうだ。
とにかく眠いし体がだるいので、ファミマでストロング缶を買いその場で飲み干す。
これでおめでたく自転車に乗ることはできなくなったので歩いて力尽きたところで寝よう、そういうやつ。
この日は風が強かった。
野ざらしになるには少しきつい。
ここが始発駅、つまりはさっきまで大隅半島には鉄道が存在しなかったわけで。。。
この電車は宮崎方面に向かうものだ。
え???
こんな駅が存在するというのか。
よく田舎の駅は一時間に一本しかこないというが、
いやむしろ4時間こない時間帯あるし。
駅舎はおしゃれでも、ホームは、、、
電車も眠っていた。
で、この志布志の駅には立派な待合室があって、ここで夜を明かすことにした。
始発までに起きればセーフだろう。
マットと寝袋を敷いて、少しビクビクしながらも眠りにつく。
辺に明るいので、寝ている間に刺されたらどうしようとか辺な警戒心はあった。